【メディア4耐】Car Watchチームは13位完走、優勝はティーポ/デイトナ
最終ドライバー岡本幸一郎氏でジャンプアップ

目標の完走を、13位で果たしたCar Watchチーム

2012年9月1日開催



 16時6分に筑波サーキットで決勝レースが始まった「第23回 メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」(以下、メディア4耐)は、20時7分にフィニッシュを迎えた。

 Car Watchチームの順位は、120分(2時間)経過後は21位。180分(3時間)経過時も21位だった。そもそも予選結果が21位だったので、3時間経過時点まで順位がほとんど変動していなかった。

 メディア4耐は給油制限が設けられており、燃費に厳しいレースとして知られている。毎年、レース終了間際にはガス欠になるクルマがあり、大きな順位の変動が起きる。また、ガス欠にならないよう、いきなりラップタイムを落とすチームもあり、それも最後の順位変動につながっている。

 Car Watchチームは、完走を目指すため、燃費を優先した走行を目指した。そのため、ロードスターのパーティレース参加者にスタッフに加わっていただき、初参加チームのノウハウのなさを補っていた。

 手伝っていただいたのは、ドライバーに石川和也氏、ピットクルーに小林大作氏、石川琢也氏、牛込竜樹氏、石田浩二氏の5人をメインにほか数名。実は彼らがCar Watchチームの完走を支えてくれていたのだ。

ピットイン時の給油作業。ロードスターのパーティレース参加者に手伝っていただいた石川氏から、編集部:小林へのドライバー交代。ここで最後の給油を行った編集部:小林のピットアウト。日はすでに落ちている

 作戦も、編集部スタッフである、谷川、小林、瀬戸の3人は燃費走行を心がけ、石川氏がペース調整。本誌のインプレッションでおなじみの岡本幸一郎氏に、燃費の心配なくラストアタックをかけてもらうというものだった。

 谷川→瀬戸→石川→小林とつないだリレーは、レース終了50分前に岡本氏につなぐ。1人のドライバーに許された、走行時間をめいっぱい使ってもらおうというものだ。

最終ドライバーの岡本幸一郎氏に交代。HANS(Head and Neck Support)でヘルメットのサポートを行い、万全の態勢でラストアタックに挑むすでに闇となった筑波サーキットをひた走る

21位から暫定13位にジャンプアップ
 期待に応えて岡本氏は1分12秒台と連続して叩き出し、トップを走るクルマよりも、よいラップタイムを刻む。途中2回ほど勢い余ってスピンなどをしたが(と、岡本氏から連絡が入った)順調にラップを刻んだおかげで前走者との差が縮まる。

 その中で、ゴールの時刻まで30分を切るとペースダウンするクルマが徐々に出始める。さらに、ガス欠のためコース途中で止まるクルマや、コースの途中で止まることを避けるためピットインしてゴール時刻を待つクルマが登場。岡本幸一郎氏の駆るCar Watch号は、徐々に順位を上げ、無事17位でゴールを迎えた。

20時7分にチェッカーフラッグが振られメディア4耐は終了した優勝したNEKO RACING TEAMの「ティーポデイトナロードスター」表彰台に立つ各チーム
ゴール直後のタイミングモニター。この時点ではCar Watchチームは17位走行を終え、へばり気味の岡本幸一郎氏

 ゴールを迎えた後、失格車などが出たため、さらに順位は上昇。9月1日20時40分時点の暫定順位では13位完走となった。この段階で表彰式も実施。優勝はNEKO RACING TEAMの「ティーポデイトナロードスター」(ドライバー:佐藤孝洋/永田郷/斎藤真輔/橋本洋平)、2位はSYEモータースポーツの「SYE ROADSTER」(ドライバー:吉岡卓朗/荒聖治/古場博之/黒川聡司)、3位はホリデーオートレーシングチームの「ホリデーオートロードスター」(ドライバー:加藤英昭/日下部保雄/瀬在仁志/實方一世)となっている。

ロードスターによるレースは楽しい!!
 実は谷川は、筑波を走るのは初めて。筑波にレースを見に行ったのも、2輪の原田哲也選手・岡田忠之選手が全日本ロードレースで争っていた時代が最後だ。筑波をロードスターで初めて走ってみたが、そのコントロール性の高さと、扱いやすさには助けられた。

 実際に何度かスピンしそうになったが、クルマにまかせてしまえば、そのような挙動も収まり、安心して走ることができた。ラップタイムは、岡本氏や石川氏に比べるとまだまだといった具合だが、そんな自分でも楽しめたし、なによりメディア4耐のゴールが近づくにつれ、自分たちのチームの順位が岡本氏の手によって(と、他チームのガス欠症状によって)どんどん上がっていくのは単純にうれしかった。メディア4耐のルール設定の絶妙さと、手伝っていただいたパーティレースメンバーの作戦の的確さを感じた部分だ。

 また、当初はタイヤがブリヂストンのPOTENZA RE-11から、よりハイグリップとなったRE-11Aに変わって燃費が悪化すると言われていたが、ふたを開けてみると、確かにガス欠したチームもいたものの、優勝したティーポデイトナロードスターのペースは最後まで衰えず、2008年のティーポチームの189周に匹敵する188周を記録。それどころか強豪チームのため、120秒のピットストップハンデを今年は受けており、タイヤをうまく使えばRE-11Aの燃費性能を引き出せるのかもしれない。

最後に挨拶を行った、マツダ ロードスター開発主査の山本修弘氏。来年の開催を約束した参加者は感謝の気持ちを込めてロードスターを最後に掃除

 最後に、Car Watchチームの順位をドーンと上げてくれた、岡本幸一郎氏のコメントを記す。


 予選では、久しぶりに筑波サーキットを走り、しかも相手が錚々(そうそう)たる方々だったので、これは最下位の可能性もあると覚悟しましたが、なんとかそれはまぬがれました(笑)

 そして決勝レースでは、チームとしては、とにかく完走を目標にがんばった結果、ライバルの脱落もあって、予想以上の成績を残すことができました。来年は、僕はもっと予選でがんばって1ケタ台に入り、そして決勝ではチームの全員が1周1秒ずつ速く走れるようになって、もっと上位に入れるようにがんばるべし!と、決意を新たにした次第です。

 このレースの開催に尽力していただいたマツダ、ブリヂストンをはじめ協力企業のみなさんに心から感謝申し上げたく思います。

(岡本幸一郎)


(編集部:谷川 潔/Photo:高橋 学)
2012年 9月 2日