ホンダ、第2世代に進化した新型「CR-Z」 高回転・高出力型1.5リッターエンジンにリチウムイオンバッテリーを新採用 |
本田技研工業は、第2世代に進化した新型ハイブリッドスポーツ「CR-Z」を、9月28日に発売する。グレードはベースモデルの「β」、上級モデルの「α」に加え、最上級モデルの「α Master Label」を新設定。価格はそれぞれ236万5000円、257万5000円、263万円(価格はCVT/6速MT共通)。
グレード | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
β | 直列4気筒SOHC 1.5リッター+IMA | CVT | 2WD(FF) | 2,365,000円 |
6速MT | ||||
α | CVT | 2,575,000円 | ||
6速MT | ||||
α Master Label | CVT | 2,630,000円 | ||
6速MT |
エクステリアでは、LEDポジションランプが従来の両眼8灯から16灯に増えたほか、フロントグリルの高さをこれまでよりも抑えたことで、ロー&ワイドを強調。また、グリル部のハニカムメッシュは黒艶塗装になるとともに、グリル部周囲にブルーメッキの加飾が新たに施された。
また、リアディフューザー部をフロントまわりのイメージを踏襲したデザインに変更したほか、黒艶塗装の軽量17インチアルミホイール(9.0kg/本)をα/α Master labelに採用した。この17インチ仕様では、フロントのスタビライザー径をφ18からφ19に引き上げるとともに、フロント/リアダンパーの減衰力を変更することで、スポーティなハンドリングと乗り心地を高次元で実現したと言う。
α Master Label(プレミアムホワイト・パール) | |
β(プレミアムエナジェティックイエロー・メタリック) | α(プレミアムノーザンライツバイオレット・パール) |
LEDポジションランプが従来の両眼8灯から16灯に増えた | 黒艶塗装の軽量17インチアルミホイール |
α Master Label(プレミアムエナジェティックイエロー・メタリック) | α Master Label(プレミアムノーザンライツバイオレット・パール) | α Master Label(プレミアムホワイト・パール) |
α Master Label(クリスタルブラック・パール) | α Master Label(ミラノレッド) |
α Master Label(ポリッシュドメタル・メタリック) | α Master Label(ホライゾンターコイズ・パール) |
パワートレーンについては、従来どおりの直列4気筒SOHC 1.5リッター i-VTECエンジン「LEA」だが、高強度クランク材などの採用によって特に5400rpm以上での出力・トルクを高め、6速MT車は4kW(6PS)/増の最高出力88kW(120PS)/6600rpmを発生。最大トルクは145Nm(14.8kgm)/4800rpmで変わらない。CVT車も同じく4kW(6PS)/増の最高出力87kW(118PS)/6600rpmで、最大トルクは変わらず144Nm(14.7kgm)/4800rpmを発生する。
また、組み合わせるハイブリッドシステム「IMA(Integrated Motor Assist)」も進化し、従来のニッケル水素電池(電圧100V/出力13kW/体積39.7L/重量20.2kg)からリチウムイオン電池(電圧144V/出力18.8kW/体積38.6L/重量20.2kg)に変更。ニッケル水素電池から同等以下の体積としながら、電圧・出力ともに44%向上し、より力強い加速性能を得た。これにより、モーターの最高出力は従来の10kW(14PS)/1500rpmから15kW(20PS)/2000rpmに進化している。
このほか、リチウムイオン電池への変更によって、これまでよりも長い加速、頻繁な加速をしても電池の“持ち”がよくなったと言う。また内部抵抗が少ないことから発熱をしにくく、夏場の高温下でも性能を十分に発揮するとした。
このように、パワートレーンの進化により出力は向上しているが、ピストン形状の変更や低粘度エンジンオイルの採用、燃料ポンプの省電力化、シャシーにハイテン材を多用するとともに前輪のロアアームを鍛造アルミ製とするといった燃費改善策がとられた。これにより、6速MT車は従来同等の20.6km/L(17インチ車は19.4km/L)を維持しつつ、CVT車は従来を0.2km/L上回る23.0km/L(17インチ車は21.6km/L)を達成している。
直列4気筒SOHC 1.5リッター i-VTECエンジン「LEA」 | 新採用のピストン。ピストン下部のスカート部の形状を変更したほか、潤滑性に優れる二硫化モリブデンでコーティング |
薄型DCブラシレスモーター | リチウムイオン電池 |
インテリアは、α/βがシルバーのガーニッシュにシルバーの織り糸を使ったファブリックシート(αはオプションで本革シートを用意)を組み合わせて黒単色に見えない「緻密な機能感」と「輝き」を表現。また、α Master labelはダークシルバーのガーニッシュに、ブラックの合成皮革×ファブリックに差し色のレッドの組み合わせで「個性」と「シックなスポーティイメージ」を演出した。
インテリアでのトピックは、ステアリングに新たに追加された「PLUS SPORTボタン」。これは、走行中にボタンを押すことで、アクセルが低開度でもエンジン出力とモーターアシストを最大化するというもので、同社ではPLUS SPORTボタンを押した際のフィーリングについて、「V6 3リッターの加速感」と表現している。「SPORT」「NORMAL」「ECON」のいずれのドライブモードでも使用可能と言う。
なお、PLUS SPORTボタンを使用するには、車速が30km/h以上であること、バッテリー容量が40%以上であること、一定の舵角内であることを挙げている。
α Master Labelのインパネおよびフロントシート |
α Master labelのドアグリップ(ダークシルバー) | α Master label専用装備のプレミアムペダル | 6速MTのシフトノブ |
CVTのパドルシフト | ドライブモードは「SPORT」「NORMAL」「ECON」の3モードを用意する |
PLUS SPORTボタン | PLUS SPORTシステムの表示画面。作動状態で「READY」「S+」が点灯。アクセルペダルを踏むと「READY」が消えて「S+」が点滅する |
車種 | α | α Master label | β | ||||
駆動方式 | 2WD(FF) | ||||||
全長×全幅×全高[mm] | 4075×1740×1395 | ||||||
ホイールベース[mm] | 2435 | ||||||
前後トレッド[mm] | 1515/1500 | ||||||
トランスミッション | CVT | 6速MT | CVT | 6速MT | CVT | 6速MT | |
エンジン | 直列4気筒SOHC 1.5リッター「LEA」 | ||||||
最高出力[kW(PS)/rpm] | 87(118)/6600 | 88(120)/6600 | 87(118)/6600 | 88(120)/6600 | 87(118)/6600 | 88(120)/6600 | |
最大トルク[Nm(kgm)/rpm] | 144(14.7)/4800 | 145(14.8)/4800 | 144(14.7)/4800 | 145(14.8)/4800 | 144(14.7)/4800 | 145(14.8)/4800 | |
電動機(モーター) | 交流同期電動機(薄型DCブラシレスモーター) | ||||||
最高出力[kW(PS)/rpm] | 15(20)/2000 | ||||||
最大トルク[Nm(kgm)/rpm] | 78(8.0)/1000 | ||||||
動力用主電池(IMAバッテリー) | リチウムイオン電池 | ||||||
使用燃料 | 無鉛レギュラー | ||||||
JC08モード燃費[km/L] | 23.0 | 20.6 | 21.6 | 19.4 | 23.0 | 20.6 | |
定員[名] | 4 | ||||||
重量[kg] | 1160 | 1140 | 1170 | 1140 | 1170 | 1140 | |
ステアリング形式 | ラック・ピニオン式(電動パワーステアリング) | ||||||
前/後サスペンション | マフファーソン式/車軸式 | ||||||
主ブレーキ形式 | 油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式ディスク |
(編集部:小林 隆)
2012年 9月 27日