ホンダ、第2世代に進化した新型「CR-Z」
高回転・高出力型1.5リッターエンジンにリチウムイオンバッテリーを新採用

新型「CR-Z」(α Master Label/プレミアムホワイト・パール)

2012年9月28日発売
236万5000円~263万円



 本田技研工業は、第2世代に進化した新型ハイブリッドスポーツ「CR-Z」を、9月28日に発売する。グレードはベースモデルの「β」、上級モデルの「α」に加え、最上級モデルの「α Master Label」を新設定。価格はそれぞれ236万5000円、257万5000円、263万円(価格はCVT/6速MT共通)。

グレードエンジン変速機駆動方式価格
β直列4気筒SOHC 1.5リッター+IMACVT2WD(FF)2,365,000円
6速MT
αCVT2,575,000円
6速MT
α Master LabelCVT2,630,000円
6速MT

 エクステリアでは、LEDポジションランプが従来の両眼8灯から16灯に増えたほか、フロントグリルの高さをこれまでよりも抑えたことで、ロー&ワイドを強調。また、グリル部のハニカムメッシュは黒艶塗装になるとともに、グリル部周囲にブルーメッキの加飾が新たに施された。

 また、リアディフューザー部をフロントまわりのイメージを踏襲したデザインに変更したほか、黒艶塗装の軽量17インチアルミホイール(9.0kg/本)をα/α Master labelに採用した。この17インチ仕様では、フロントのスタビライザー径をφ18からφ19に引き上げるとともに、フロント/リアダンパーの減衰力を変更することで、スポーティなハンドリングと乗り心地を高次元で実現したと言う。

α Master Label(プレミアムホワイト・パール)
β(プレミアムエナジェティックイエロー・メタリック)α(プレミアムノーザンライツバイオレット・パール)
LEDポジションランプが従来の両眼8灯から16灯に増えた黒艶塗装の軽量17インチアルミホイール
α Master Label(プレミアムエナジェティックイエロー・メタリック)α Master Label(プレミアムノーザンライツバイオレット・パール)α Master Label(プレミアムホワイト・パール)
α Master Label(クリスタルブラック・パール)α Master Label(ミラノレッド)
α Master Label(ポリッシュドメタル・メタリック)α Master Label(ホライゾンターコイズ・パール)

 パワートレーンについては、従来どおりの直列4気筒SOHC 1.5リッター i-VTECエンジン「LEA」だが、高強度クランク材などの採用によって特に5400rpm以上での出力・トルクを高め、6速MT車は4kW(6PS)/増の最高出力88kW(120PS)/6600rpmを発生。最大トルクは145Nm(14.8kgm)/4800rpmで変わらない。CVT車も同じく4kW(6PS)/増の最高出力87kW(118PS)/6600rpmで、最大トルクは変わらず144Nm(14.7kgm)/4800rpmを発生する。

 また、組み合わせるハイブリッドシステム「IMA(Integrated Motor Assist)」も進化し、従来のニッケル水素電池(電圧100V/出力13kW/体積39.7L/重量20.2kg)からリチウムイオン電池(電圧144V/出力18.8kW/体積38.6L/重量20.2kg)に変更。ニッケル水素電池から同等以下の体積としながら、電圧・出力ともに44%向上し、より力強い加速性能を得た。これにより、モーターの最高出力は従来の10kW(14PS)/1500rpmから15kW(20PS)/2000rpmに進化している。

 このほか、リチウムイオン電池への変更によって、これまでよりも長い加速、頻繁な加速をしても電池の“持ち”がよくなったと言う。また内部抵抗が少ないことから発熱をしにくく、夏場の高温下でも性能を十分に発揮するとした。

 このように、パワートレーンの進化により出力は向上しているが、ピストン形状の変更や低粘度エンジンオイルの採用、燃料ポンプの省電力化、シャシーにハイテン材を多用するとともに前輪のロアアームを鍛造アルミ製とするといった燃費改善策がとられた。これにより、6速MT車は従来同等の20.6km/L(17インチ車は19.4km/L)を維持しつつ、CVT車は従来を0.2km/L上回る23.0km/L(17インチ車は21.6km/L)を達成している。

直列4気筒SOHC 1.5リッター i-VTECエンジン「LEA」新採用のピストン。ピストン下部のスカート部の形状を変更したほか、潤滑性に優れる二硫化モリブデンでコーティング
薄型DCブラシレスモーターリチウムイオン電池

 インテリアは、α/βがシルバーのガーニッシュにシルバーの織り糸を使ったファブリックシート(αはオプションで本革シートを用意)を組み合わせて黒単色に見えない「緻密な機能感」と「輝き」を表現。また、α Master labelはダークシルバーのガーニッシュに、ブラックの合成皮革×ファブリックに差し色のレッドの組み合わせで「個性」と「シックなスポーティイメージ」を演出した。

 インテリアでのトピックは、ステアリングに新たに追加された「PLUS SPORTボタン」。これは、走行中にボタンを押すことで、アクセルが低開度でもエンジン出力とモーターアシストを最大化するというもので、同社ではPLUS SPORTボタンを押した際のフィーリングについて、「V6 3リッターの加速感」と表現している。「SPORT」「NORMAL」「ECON」のいずれのドライブモードでも使用可能と言う。

 なお、PLUS SPORTボタンを使用するには、車速が30km/h以上であること、バッテリー容量が40%以上であること、一定の舵角内であることを挙げている。

α Master Labelのインパネおよびフロントシート
α Master labelのドアグリップ(ダークシルバー)α Master label専用装備のプレミアムペダル6速MTのシフトノブ
CVTのパドルシフトドライブモードは「SPORT」「NORMAL」「ECON」の3モードを用意する
PLUS SPORTボタンPLUS SPORTシステムの表示画面。作動状態で「READY」「S+」が点灯。アクセルペダルを踏むと「READY」が消えて「S+」が点滅する

車種αα Master labelβ
駆動方式2WD(FF)
全長×全幅×全高[mm]4075×1740×1395
ホイールベース[mm]2435
前後トレッド[mm]1515/1500
トランスミッションCVT
6速MTCVT6速MTCVT6速MT
エンジン直列4気筒SOHC 1.5リッター「LEA」
最高出力[kW(PS)/rpm]87(118)/6600
88(120)/660087(118)/660088(120)/660087(118)/660088(120)/6600
最大トルク[Nm(kgm)/rpm]144(14.7)/4800
145(14.8)/4800144(14.7)/4800145(14.8)/4800144(14.7)/4800145(14.8)/4800
電動機(モーター)交流同期電動機(薄型DCブラシレスモーター)
最高出力[kW(PS)/rpm]15(20)/2000
最大トルク[Nm(kgm)/rpm]78(8.0)/1000
動力用主電池(IMAバッテリー)リチウムイオン電池
使用燃料無鉛レギュラー
JC08モード燃費[km/L]23.0
20.621.619.423.020.6
定員[名]4
重量[kg]1160
11401170114011701140
ステアリング形式ラック・ピニオン式(電動パワーステアリング)
前/後サスペンションマフファーソン式/車軸式
主ブレーキ形式油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式ディスク

(編集部:小林 隆)
2012年 9月 27日