レクサス、フェイスリフトや先進装備を投入した新型「LS」発表会
「熟成の極み」と「革新の融合」をキーワードにビッグマイナーチェンジ

外観を一新した新型「LS」とレクサスアンバサダーの森理世さんによるフォトセッション

2012年10月11日開催



 レクサス(トヨタ自動車)は、7月30日(現地時間)に米サンフランシスコで公開した「LS」を日本国内で本日から発売。車両概要について説明する記者発表会を、都内で実施した。

LS600h“F SPORT”LS460“version L”
LS600h“F SPORT”LS460“version L”

Lexus Internationalの伊勢清貴プレジデント

 発表会の冒頭で挨拶に立ったLexus Internationalの伊勢清貴プレジデントは、「レクサスは、今年1月の新型GS発表に合わせて“今後は新たなステージを切り開いていく”と宣言し、これまでのクルマ作りの延長ではなく、新しいレクサスとして突き抜けたレベルの実現を目指してきました。新型GS以降はマイナーチェンジしたRX、海外ではLXやESといった車両でもニューチャプターの象徴であるスピンドルグリルを始め、レクサスのポリシーが息づいています。また、先日パリで発表したコンセプトカーのLS-CCなどもあり、次世代レクサスラインアップがそろい始めています」とコメント。

 さらに「本日発表するLSは、レクサスの頂点として“熟成の極み”と“革新の融合”を目指し、次世代レクサスのフラッグシップにふさわしい進化を遂げています」と語り、マイナーチェンジしたLSが担う重要なポジションについて説明した。

 現行型LSの開発、さらに今回のマイナーチェンジを手がけたLexus Internationalの渡辺秀樹チーフエンジニアは、「LSは、1989年のレクサスブランド誕生とともに歩んできた、レクサスを代表するかけがえのないモデルです。今回、フラッグシップであるLSを新しくするにあたり、世界中のお客様や販売店スタッフの意見を聞いて徹底的な改良を施した結果、主要部品の半数に相当する約3000点のパーツを新しくしています。新しいLSは、本来持っているポテンシャルのすべてを引き出すべく、大幅な進化を遂げています」と説明。マイナーチェンジながら、使用されるパーツの半数が入れ替わるほどの大型改修になっていることを強調した。

「フロントデザインはレクサスの新しいアイデンティティであるスピンドルグリルが際立つよう、ボンネットフードやフェンダーもデザインを変更。スピンドルグリルを包みこむように融合させています」と解説する渡辺秀樹チーフエンジニアLSのDNAである上質で洗練された走りをさらに熟成させるため、とくに操縦性、安定性、乗り心地に影響を与える部位を重視して、最新の生産技術である「レーザースクリューウェルディング」や「ボディー接着」で入念なボディー骨格を補強。エンジンマウントの特性見直しも行われている
“FUJI”のFを使い、レクサスのスポーツモデルとなっている“F SPORT”も今回からLSに設定された。全高を10mm下げる専用サスペンションや19インチの鍛造アルミホイール、ブレンボ製6ピストンブレーキキャリパーなどの専用装備で基本特性を引き上げたほか、ハイブリッドモデルにはボディーコントロールとステアリングレスポンスを向上させるアクティブスタビライザーを装着。ガソリン車には強化スタビライザーに加えてトルセンLSDを装備し、FR車らしい走りの楽しみを付与している
安全性能では、すでに装備しているミリ波レーダーとステレオカメラを組み合わせたプリクラッシュセーフティシステムを衝突回避支援型に進化。車両や歩行者との相対速度が40km/h以下のシーンでは、自動ブレーキが衝突回避に向け急制動する。さらにこのステレオカメラからの情報を利用するアダプティブハイビームシステム(AHS)を新採用。先行車や対向車にハイビームの光が当たらないよう遮光する装備で、日本では敬遠されがちなハイビームを気兼ねなく日常的に活用できるようにするアイテムだ一部のグレードで採用する「ノイズリダクションホイール」は、ホイール内側にレゾネーター機能を持つ空洞部を設け、振動による音波エネルギーを熱エネルギーに変換。ロードノイズを大幅に低減させる。路面との接地部分で音を消すという方法論は、まさに初代モデルから受け継ぐ「源流主義」と言えるだろう

 このほか、発表会にはレクサスアンバサダーの森理世さんも参加。伊勢プレジデントとのトークショー形式で、7月に行われたサンフランシスコでのワールドプレミアに参加した際の様子をリポートしてくれた。

 森さんは「ワールドプレミアではアンベールを担当したのですが、数多く詰めかけたマスコミの取材陣が、幕を開けた次の瞬間には私のすぐ隣まで殺到していて、早く新しいLSを見たいという熱気が伝わってきました」というエピソードを紹介。

 また、自身の感想としては「デザインがセクシーでフレッシュに変化したと感じています。また、新しいLSの誕生にあたって、いろいろな人の魂のぶつかり合いがあったのではないかと思います。そんな気持ちがクルマに伝わって大きなオーラになり、多くのお客様を楽しませ、感動させるのではないかという印象を受けています」とコメントした。

「新しく加わった“F SPORT”は、女性の目線から見ても流線的な美しさと、ダイナミックでセクシーという2つのよさを兼ね備えて、いろいろなパフォーマンスを持っているというイメージがあります」と解説
LS600h“F SPORT”
LSにも採用されたスピンドルグリル。通常モデルは横桟グリルとなり、“F SPORT”ではブラックアウトされたメッシュグリルとなる
LEDヘッドライトを世界初採用したことも話題となったLSだが、今回の刷新で外装の灯火類をすべてLED化した。細かなLEDを組み合わせることで、さまざまな演出が可能になるほか、省電力化による燃費向上にも寄与している
LS460“version L”のインパネ。マイチェンながらカーナビとエアコン吹き出し口の上下入れ替えや、リモートタッチ、ドライブモードセレクトのセレクター新設など、ほぼ全面刷新となっているインパネの中央に新設されたLEDアナログクロック。格調高いデザインやLED照明による視認性などのほか、GPSで時刻補正してくれる優れものだ
ゲート式シフトレバーは写真のブーツタイプのほか、ブーツなしのタイプも用意されている“F SPORT”はパドルシフトを全車標準装備
“F SPORT”では専用アルミ製スポーツペダルを装着
LS600h“F SPORT”のインパネLS460“version L”のキャビン
LS600h“F SPORT”のリアシートLS600h“F SPORT”のフロントシート
LS600h“F SPORT”のフロントシート。“F SPORT”では内装色をブラック&ホワイトグレーとメローホワイト2色を設定するLS460“version L”のフロントシート。この車両はL-SelectのPassionate Spiritを選択しており、内装色はシートがスカーレット(ツートーン)、トリム/コンソールがブラック×スカーレットアクセントとなっている
LS600hのエンジンルームLS460のエンジンルーム
LS460“version L”のフロントタイヤ。ホイールは超金属調塗装のノイズリダクションホイール“F SPORT”に専用設定される245/45R19タイヤ+専用鍛造アルミホイール
LS600h“F SPORT”のリアドアLS600h“F SPORT”のフロントドア
一部グレードに標準装備される電動リアドアサンシェード
LS600h“F SPORT”のドアミラー“F SPORT”のフロントフェンダーに装着される専用エンブレム

(佐久間 秀)
2012年 10月 12日