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「国際オートアフターマーケット EXPO2013」が東京ビッグサイトで開幕
アイモバイルは後付け可能な衝突防止補助システム「モービルアイ」を展示
(2013/3/13 18:38)
東京ビッグサイト西ホールで、3月13日より第11回国際オートアフターマーケットEXPO2013(IAAE2013)および第4回国際自動車素材・加工展(IAMP)、第12回パーキング・ジャパン 2013(PJ 2013)、第4回国際自動車通信技術展(ATTT)、第2回モバイルITアジア(MIA)が開幕した。各展とも開催期間は3月13日~15日10時~17時(最終日のみ16時まで)となる。
アイモバイルは後付け可能な衝突防止補助システムを展示
オートアフターマーケット展はその名の通り、自動車整備・板金・塗装からガソリンスタンドといったところまで、自動車のアフターマーケットに携わる幅広い関連事業の展示会。ブースは、塗装やコーティングのような自動車単体への施工モノから、買取や中古車販売についての出展までさまざま。
その中で注目だったのは、アイモバイルブースで展示してあったイスラエルで開発された後付け可能な衝突防止補助システム「MOBILEYE(モービルアイ)」。
車両からCAN通信またはアナログ信号を使い、「左右ウインカー」「速度」「ブレーキ」「ワイパー」「ヘッドライトのハイビーム」の状況を検出。カメラで常に前車との位置を把握し、車間距離の保持や白線のはみ出し、そして前方車両への衝突が予想される場合に、警告音とインジケーター表示でこれを知らせるもの。車両検出をはじめ、人物(自転車に乗っている人物も)検出も可能としているが、カメラを使っているので、白線が見えないような濃霧などでの検出は難しい。
取り付けは軽自動車から大型トラックまで対応。カメラ取り付けによる補正(車両のセンター位置およびフロントバンパーまでの距離等)を行うため、設置には1時間以上かかると言う。価格は14万1750円(取付費込み)だが、4月1日から本体価格11万8650円、取付工賃3万6750円の15万5400円(乗用車標準)となる。
ホンダはUSアコードなどに採用した新技術を解説
第4回国際自動車素材・加工展では、カーボンや樹脂などの出展が集まっている。今回はその中でも「外板パネルの軽量化とコスト競争力」「樹脂窓の普及」というテーマブースが設けられ、ホンダ技術研究所四輪R&Dセンターにより、USアコード(2013モデル)およびアキュラRLXに搭載された新しい技術についての説明が行われている。
2013モデルのUSアコードに採用されたのが、スチール-アルミ異種金属FSW(摩擦かく拌接合)の連続接合によるハイブリッドサブフレーム。
これまでのフロントのサブフレームは、井形に組んだスチールフレームの上に、直4やV6といった搭載するエンジンに合わせたアルミのブラケットを使用して組んでいた。これをもっと軽量化するべく、サブフレーム自体にアルミを接合してしまうというもの。それもスチール剤の方には防錆処理を施した上でシール材まで塗布した状態からの接合だが、ツールが金属面にまでおよぶ接合のため、スチール材部分で溶解したアルミとの接合になり、防錆効果も問題ない。
しかもこれをマシニングセンターではなく汎用ロボットで作業ができるため、生産ラインに載せることが可能と言う。しかし、この技術は日本に導入予定のアコードPHVはこのフレーム自体の導入はないとのことで、この技術自体を国内で見ることができるのは稀になりそうだ。
一方、狭山工場で製造しているアキュラRLXに採用されたのが、スチール‐アルミハイブリッドドア。こちらはコストアップを抑えるため、外板部分のみアルミに置き換えることで軽量化を行うというもの。
ドアのふち側に、スチールパネルとアルミパネルを重ね合わせて2段階に曲げる異材接合技術「3Dロックシーム」構造としている。こちらも型としては複雑ながら、プロセスとしては変わらないため従来と同じ工法で進めることができる。
ATTTアワードの優秀賞は日本交通「タクシー配車アプリ」
第4回国際自動車通信技術展では、モバイル、IT、モビリティの融合による技術革新によって開発された商品・サービス・ソリューションに贈られる、ATTTアワードの表彰式が行われた。
選考委員長を務める慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授の夏野剛氏は「いかにユーザーに価値をもたらせたか、ユーザーの行動に影響を与えたかがポイント。この表彰ですが、毎年(技術革新によって開発された商品、サービス、ソリューションなどが)強力になってきている。我々も負けないよう各界の専門家をそろえて、この審査にあたっている」とコメント。
各部門の優秀賞は以下の通り。
部門 | 受賞作品 |
---|---|
先進安全・環境技術部門 | スズキ「エネチャージ」/ダイハツ工業「エコアシスト」 |
ビジネスソリューション部門 | ナビタイムジャパン「ビジネスナビタイム動態管理ソリューション」 |
UIデザイン部門 | NTTドコモ「自動車向け音声意図解釈技術『ドコモドライブネット+じゃべってコンシェル』」 |
ナビゲーション&クラウドサービス部門 | 本田技研工業「ディスプレイオーディオ+インターナビポケット」/インクリメントP「MapFan eye」 |
コンテンツアプリ部門 | au損害保険「スマホ・タブレットから簡単に入れる自転車保険」/マツダ「CARPTURE FOR DRIVERS」 |
プロダクト&ハードウェア部門 | KDDI「INFOBAR」/クラリオン「01DRIVE」 |
防災ソリューション部門 | グーグル「Google Crisis Response」/Twitter Japan「ライフラインアカウント検索」 |
また、現在は販売されていないものの、これからの期待も込めてということで特別賞(イノベートチャレンジ賞)が設定され、この賞はトヨタ自動車「Smart INSECT」に贈られた。
そして最優秀賞には、日本交通「日本交通タクシー配車アプリ」が選ばれた。選考理由は「タクシーとスマートフォンのアプリを組み合わせることでタクシーをより利用しやすくしたばかりか、新たなユーザー体験の構築とビジネスの拡大を両立した点がすばらしい。さらに日本交通では、このアプリを年々進化させており、サービスが進化している」点を総合的に評価したと言う。
日本交通の川鍋一郎社長は受賞式に登壇し、最初は何もない状態からのスタートだったことなど、その苦労話とともに受賞の喜びを語っていた。
【お詫びと訂正】記事初出時、アイモバイルの衝突防止補助システム「MOBILEYE(モービルアイ)」の価格などに誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。