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【連載】西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ

第19回:GT-Rに防犯カメラ兼ドライブレコーダーを取り付ける【前編】

事故以外の時にもドライブレコーダーを活用したい

 昨年、横浜で開催されたゲーム開発者会議のCEDEC 2012に参加した際に、横浜市内のホテルに宿泊したのだが、その駐車場でワイパーを折り曲げられる悪戯をされてしまった。ご丁寧に折り曲げたあとに元に戻すことで、パッと見は異常事態に気がつけないようにしてあり、ワイパーを使ったときに盛大にガラス面をこすりつけるように細工がなされた悪質な悪戯であった。

 また、高速道路を走っているとトラックに幅寄せされたり、暴走車に無謀な割り込みをされたりすることもしばしばある。そこで、昨年後半からずっと自衛のためにドライブレコーダーの導入を考えていたのだった。

 最近はタクシーをはじめとした職業ドライバー達が自衛や防犯のために、前方視界および車内を常時録画するドライブレコーダーを積極導入しているという話を聞くが、一般ドライバーの立場でも、必要性を感じるようになった次第だ。まあ、いつも1人で乗っているので車内撮影をするつもりはないのだが(笑)。

 ドライブレコーダーは、自動車関連メディアで話題にはなるのだが、まだ黎明期に等しく、メーカーの新製品サイクルが異常なまでに早い。進化スピードが早いと評価される一方で、裏を返せばそれだけ発展途上の製品が多いということでもある。実際、実物を体験試用してみると、それこそ玉石混淆と言った状況だということを思い知ることになる。そう、製品選びは非常に難しいのだ。

 というわけで、筆者の一連の経験を元に筆者がドライブレコーダーに求める機能、ドライブレコーダーをこう活用したい、といった条項から整理してみることにした。

ドライブレコーダーのスペック検討の際の注意点

 まず第一に、ドライブレコーダーには高画質を求めたい。

 現在、ドライブレコーダーの主流録画品質は最大で1080p/15Hz〜30Hz程度、標準的な製品だと720p/30Hz〜720p/60Hz程度だ。格安品だと480p/480iといったSD画質のものも存在する。

 注意したいのは「1080p撮影対応」と銘打っておきながら30Hz以上の記録は「720p以下撮影時のみ」という機種もある点だ。ドライブレコーダーは動体を記録するものなので、30Hz以上の録画に対応していない画質モードは、あまり意味がないと考えるべきである。

 例えば約100km/hで走っているとき、1秒間に約28m進む。15Hz撮影では1フレームあたり約2m(約1.85m)も進んでしまう。30Hz撮影で約1m(約93cm)、60Hz撮影で約0.5m(約46cm)だ。15Hz以下の撮影レートではほとんどドライブレコーダーの役割を果たせないことの想像が付く。でも、そういった製品は普通に存在するのだ。

 広角撮影性能も重視されるポイントだ。一般的にドライブレコーダーは広角撮影に対応した製品がよいとされるが、光学特性(レンズ)が広角でも撮影解像度が低いと遠方の情景が解像度不足で、ほとんど何が映っているが分からなくなってしまう。

 画角についても、いくつかの数字のマジックが散見される。画角は“度”数法で表現されるが、画角が対角角度で表記されている場合と、水平角度(視界の横方向画角)で表現されている場合がある。当然、対角角度の方が数字は大きくなるので、「最大撮影画角150度」と書かれていても、対角、水平どちらかが明記されていないと製品同士の比較が難しいのだ。1080pや720pの録画モードが訴求されてはいるものの、広角撮影時は一段低い画質でしか録画できないという機種も結構多かったりする。

筆者“独特”なドライブレコーダーに求める性能

 ここまでは至極当たり前のスペックに対する基礎知識だ。

 むしろ、ここからが筆者特有の要望となるかも知れない。前述の悪戯事件に遭遇したことから、ドライブレコーダーにはセキュリティカメラとして活用できる機能も欲しいと考えた。具体的には、エンジン停止後も撮影範囲内に動体を検知すると撮影をしてくれる機能、ということになるだろうか。

 これを実現するためには、エンジン停止後に電源を供給する手段がサポートされている必要がある。また、通常走行時のドライブレコーダーモードとセキュリティカメラモードとのモード往来を、走行状態やエンジン始動状態を検知して自動制御してくれないと使いこなすのは難しい。

 そして次の要望機能は、さらに筆者色が強いものになる。

 それは、ドライブレコーダーが撮影中の映像をビデオライン出力してくれる機能だ。ドライブレコーダーなのだから録画(再生)機能さえあればいいはずなのだが、あえてこの機能を欲するには理由がある。

 都心部で多いのだが、複数車線がある道路で右折渋滞などで前が詰まってしまった場合、左側の車線に移りたいが、もし、その左側の車線も先が詰まっているならば、その車線移動は無駄な行為となる。助手席に誰か座っていれば、例えば左車線が流れてるかどうか聞くことができるものだが、前述したように筆者のGT-Rの助手席は常に空席なので(笑)、運転席から助手席方向に首を伸ばして確認しなければならない。しかし、首を伸ばしたところで、車幅が大きいGT-Rは助手席からの視界が得られるわけもなく、かといって車幅が大きい分、左車線に寄ることも難しい。

 ドライブレコーダーが映像出力してくれれば、それを助手席寄りに設置することで、助手席位置からの視界をGT-RならばMFD(マルチファンクションディスプレイ)で、他車種ならばカーナビ画面でリアルタイムに見ることができる。

 時々都心部で見られる、右車線走行車が車線をまたいで左側車線を覗きに行くような、ああいう危ない行為をしなくて済むのだ。

 最近のドライブレコーダーでは液晶モニタ一体型もあるが、画面が2インチ台で、正直なところ運転席からは小さくて見えない。それは当たり前で、ドライブレコーダー内蔵の液晶モニターは、停車後に録画内容を確認するためのものなので、そうした用途は想定していないのだ。

COWON AC1を選択

COWONのWebサイト。本連載はAC1について取り上げているが、AD1、AW1の基本構造はAC1と同じなので、AD1、AW1の購入を検討されている方にも本稿は参考になるはずだ

 以上の要求機能に応えてくれる製品として、候補に挙がったのが韓国メーカー・COWONの「AC1」(http://www.cowonjapan.com/product_wide/COWONAC1/product_page_4.php)だ。一般ユーザーのドライブレコーダーとしての評価もそれなりに高いし、日本法人もあるし、ファームウェアの更新もちゃんと行われているようだし、専用ソフトも日本語版が提供されているようなので、購入することにした。

 2013年4月時点での価格はメーカー直販サイト(http://www.buycowon.com/category55.html)で1万7800円。Amazon等の市場価格だと1万6400円前後。筆者はAmazonで購入した。

 なお、筆者が購入した時点での製品ラインアップはAC1のみだったのだが、購入直後に1080p/30Hz撮影対応・WiFi機能搭載の「AW1」、前方向/後方向同時撮影に対応した「AD1」が新製品としてラインアップに加えられた。

 常時供給電源ユニットやビデオ出力ケーブルもオプション設定されており、これらは直販サイトでしか購入できないようなので素直にそちらから購入した。

常時供給電源ユニットやビデオ出力ケーブルは直販サイトのみで購入できる
オプションの常時供給電源ユニットとビデオ出力ケーブルはメーカー直販サイトで購入

 AC1は、今回筆者が重視した駐車中のセキュリティカメラモードも備えている。ちなみに、セキュリティカメラモードが備わっているドライブレコーダーとしては、ロジテックの「LVR-SD300HD」(http://www.logitec.co.jp/products/camera/lvr-sd300hd/index.php)もある。現在は正規代理店がないため並行輸入品しかないが、「BLACKVUE DR400G-HD」も同様のモードがあるようだ。

 AC1は撮影解像度は720p(1280×720ピクセル)で、録画周波数(フレームレート)は30Hzとなっている。最近では標準的なスペックといったところだ。撮影画角は対角150度(水平113.4度、垂直82度)となっている。こちらはかなり広角な部類に入る。

 映像はH.264エンコードに、サウンドはモノラル録音に対応。液晶モニターはないが、その分、縦方向にコンパクトではある。記録メディアはmicroSDカードで、最大32GBまでの録画に対応する。

 ドライブレコーダーのスペックを議論する際に重視されることが多いGPS機能だが、AC1ではこれを内蔵していない。ドライブレコーダーにおけるGPS機能とは、録画映像と連動して時間とGPS位置記録情報を記録できるもので、専用ビューアを用いると「何時にどこを走行していた」という情報を録画映像と地図情報を連動させて確認することができる。筆者的には「あれば確かによかったかも」といった程度でそれほど重視はしなかった。なお、新製品のAW1はオプション扱いながらGPS機能に対応する。

AC1を購入。AC1には8GBのmicroSDカードが同梱するが、別途32GBのmicroSDカードを同時購入
商品箱の中味。USB接続タイプのmicroSDカートリーダー(写真右下)も付属

 そうそう。今回のドライブレコーダー導入検討の際、圧倒的な高画質と広画角を有するアクションカメラの「GoPro」シリーズ(http://gopro-nippon.com/)もいいかなと思い、かなり悩んだのだが、今後の研究課題として保留とし、導入を見送った。

 GoProシリーズの電源供給コネクタはUSBミニBプラグなので、ユピテルのレーダー探知機用の常時供給電源ユニット「OP-E487」「OP-E601」などを使ってヒューズボックスから電源を取れば、エンジンの停止、始動状態にかかわらず動作させられるはずである。ぜひともどなたか挑戦してみて欲しい。

常時供給電源ユニットの配線

メーカー直販サイトで購入した常時供給電源ユニット「SMART POWER」

 オプション品として直販で購入した常時供給電源ユニットは、「SMART POWER」という製品でメーカーはFUENTECH製と記載されている。

 面白いのは5スイッチからなるディップスイッチが付属しており、細かく設定できるようになっている点だ。

 2スイッチは最低電圧を設定するもので、設定した電圧未満になると、常時供給電源の機能を終了するというものだ。これはバッテリーの寿命が近づいてきたときにバッテリー上がりの防止を実践する機能になる。11.9V/12.0V/23.8V/24.0Vの4設定から選べるが、GT-Rのバッテリーは12V使用なので12.0V設定を選択することにした。11.9V設定は、バッテリーの電圧が低下していても(寿命が近いときでも)常時供給電源の機能を使い続ける設定に相当する。24.0Vバッテリー使用における23.8V設定も同様だ。

 ディップスイッチのうち、3スイッチはタイマー設定に相当する。これは常時供給電源ユニットをエンジン停止後に何時間動作させるかを設定するもので、いわばタイマー設定といった感じのモノだ。設定は1時間/2時間/4時間/6時間/12時間/24時間/36時間/48時間の合計8種から選択できるようになっている。

 筆者の場合、出張でホテルで1泊しても24時間以上放置することはないと考え、24時間設定を選択した。常時供給電源ユニットには専用の配線ケーブルが付属しており、このケーブルをヒューズボックスに配線することになる。

 配線ケーブルはDCプラグ、黒、黄、赤の4本からなっていて、DCプラグは本体接続用なので、黒黄赤の3本ケーブルを車体側(ヒューズボックス)に接続する。

常時供給電源ユニットのディップスイッチ設定
タイマーを24時間に設定
常時供給電源ユニットに付属する専用配線ケーブル。うち赤黒黄を車体側に接続する

 R35 GT-Rのヒューズボックスは運転席の右足下付近にあり、プラスチックのカバーを外すだけでその姿を露わにできる。

 黒ケーブルはGND(アース)なので、ヒューズボックス近くのボルトに締め付ければよい。常時供給電源ユニットの黒ケーブルには最初からクワガタ端子が付いていたが、その径が小さかったので筆者はプライヤーで径を広げて接続した。

ヒューズボックス近隣のボルトに黒ケーブルを接続
黒ケーブルのクワガタ端子を広げ手接続した

 続いて赤と黄のケーブルだが、赤はエンジン始動に連動して電源が供給されるヒューズ端子に接続し、黄はエンジンOFF時も常時電源が供給されるヒューズ端子に接続する必要がある。

 どこに接続するかを検討するには、各ヒューズ端子が車のどの機能のヒューズに対応するかを記載したヒューズボックスのカバーが参考になる。

ヒューズボックスカバーには各ヒューズ端子と車側の機能の対応表が記載されている
ヒューズボックス。シガーライター端子から水色のケーブルが出ているのはすでに別用途で使っているため

 赤ケーブル接続先のエンジン始動連動電源は、一般的にはシガーライターのヒューズ端子を利用することが多いが、筆者の場合はすでに別用途で使ってしまっていたので「AUDIO/MIRROR」のヒューズ端子を選択した。

 黄ケーブル接続先の常時供給電源は「ROOM LAMP」(室内灯)を選択した。(BAT)の記載がある端子はバッテリー直結を意味しているので「METER(BAT)」でもいいはずだ。工場出荷状態では赤黄ケーブルはむき出しの導線のままなので、これにヒューズ端子を接続する必要がある。なんでもよかったのだが、GT-Rのヒューズボックスに対応する低背タイプの在庫が、立ち寄ったカー用品量販店では「フリータイプヒューズ電源」しかなかったのでこれを2つ購入した。

 これはヒューズボックスにもともと刺さっていたヒューズを流用しつつ、ヒューズボックスから電源を取るタイプの製品だ。

380円で購入した「フリータイプヒューズ電源」。ごく普通のヒューズ電源取り出しケーブルの方がコンパクトなのでそっちの方をオススメする。今回は在庫がなくて仕方なくこちらを選択

 赤黄ケーブルをキボシ化して、「フリータイプヒューズ電源」と接続。そして「フリータイプヒューズ電源」自体をヒューズボックスへと接続。

 実際に接続してみて思ったのだが「フリータイプヒューズ電源」は少々図体が大きい。ごく一般的な、アンペア値指定のシンプルなヒューズ電源取り出しケーブルの方が配線後のケーブルの取り回しがすっきりすると思う。

赤黄ケーブルをキボシ化して「フリータイプヒューズ電源」と接続
ヒューズボックス側に刺さっていたヒューズを「フリータイプヒューズ電源」へ移植
接続後のヒューズボックス。左側に赤ケーブル、右側に黄ケーブルが接続されている
すべて接続後のヒューズボックス近くの配線の様子。余計な振動音を生み出させないためにもテープやタイラップでまとめてケーブルを固定したい

 接続が完了してDCプラグを接続。

 もしかすると、常時電源が接続されているはずなのに電源が入らないかもしれない。初期不良か!? しかし慌てることなかれ。これは工場出荷状態では常時供給電源ユニットの内部タイマーが切れているためだ。

 まずはエンジンを始動して電源が入るかどうか確認し、続いてエンジンを切っても電源ONが継続できるか確認してみよう。この辺りの説明が取扱説明書には記載されていないので焦る人も多いのではないかと思う。

MFDのビデオ入力への配線

 続いて、AC1からのビデオ出力端子をR35 GT-RのMFDのビデオ入力端子へ接続することを考える。

 MFDへのビデオ入力は、純正状態では電気的な配線こそなされているものの、赤白黄のアナログコンポジットビデオ/音声入力端子は接続されていないので別途購入する必要がある。

 日産純正はミニバンなどにも対応させるためか、ケーブルが無駄に長く、価格も3000円以上もする。今回は音声入力は不要だし、ドライブレコーダー本体は前面に設置するのでケーブルの長さも1.5mもあれば十分だ。

 そこで買い求めたのが、oasis-net製の日産車汎用(R35 GT-R対応)の「ビデオ入力ハーネス」(http://www.oasis-ns.net/shopdetail/015001000001/)だ。価格は930円。ビデオ入力端子、および音声入力端子はいずれもRCAピンのメスとなる。車体に接続するための端子はTH08MW型端子のオスとなっている。

 購入は通販のみ。送料は無料だが、沖縄からのメール便での発送になるので到着まで約一週間ほどかかる(筆者のケースも届くまでの所要時間はちょうど一週間だった)。

 このビデオ入力ケーブルの車両側への接続はコネクタにはめるだけ。作業としては簡単なのだが、内装を外すのがやや難しい。

 ビデオ入力ケーブルの配線は助手席側の左足下(車体外側方向)にきているので、助手席横の樹脂製プレートを外し、シーリングゴムをめくり、B-CASカードリーダーが実装されている足下の内装および、足下の天板部分をはずす必要がある。

購入したoasis-net製のビデオ入力ハーネス。ケーブル長は約30cm。全年式のGT-Rに対応。というよりも日産車種に広く対応する汎用品
助手席の足下まわりの内装を外した状態。足下の天板を外すとB-CASカードリーダーが露呈。これを外した方が作業しやすい

 点検などの際にディーラーのサービスマンに頼むと、手慣れていることもあってササっと手際よく、ものの1分ほどでやって貰える。元に戻すのは簡単なので、外すのだけはお願いしてみるのがよいかもしれない。

 車体側のTH08MW型端子のメスは2つあるが、接続すべきビデオ入力端子は灰色のスポンジでくるまれている方だ。根本からかなりきつくタイラップで拘束されているので、接続する作業そのものは簡単なのだが、端子を引き出すのに少々苦労するかもしれない。

このグレーのスポンジにくるまれながら顔を覗かせているのがビデオ入力端子用のコネクタ(TH08MW型端子メス)
ここに購入したビデオ入力ハーネスを接続
筆者は音声入力は使用しないと決めたので、不用意にほかの金属部位と接触しないように絶縁テープでシーリングした

AC1を設置する

 電気的な配線が完了したので、今度はAC1の設置とそれに伴う配線作業に移る。設置位置は冒頭で述べたように助手席側に設置することとした。

 ドライブレコーダーの設置場所としてはバックミラーの根本付近が定番なので、そちらも考えてはみたのだが、車検証シールが邪魔であきらめた。

 車検証シールは貼り直しが効かない。車検証シール自体はディーラーが納車前に貼っているので、もしドライブレコーダーをバックミラー裏に取り付ける計画がある人は、事前にディーラーにその旨を伝えておいた方がよいだろう。ちなみに、車検証シールはフロントガラス中央に貼らなければならないという法規制はない。端でもOKである。

 法定点検の丸いステッカーの方も貼り付け位置は固定化されていないので、運転席側や助手席側の視界の妨げにならない位置に貼り付けることができる。こちらも張り直しが効かないシールなので、ドライブレコーダー取付を考えている人は法定点検実施時にディーラー等に貼り付け指示をしておきたい。

ここに車検証シールを貼られてしまっているのでドライブレコーダーをバックミラーの根本に取り付けられない(カメラのど真ん中に車検証が映り続けてしまう)

 結局、筆者は助手席側の窓ガラスの最上部の内装に取り付けることとした。本連載第6回でレーダー探知機を運転席の窓ガラスの最上部の内装に取り付けたが(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120702_542952.html)、ちょうどその反対位置に取り付けるようなイメージとなる。

 「左車線の様子を探るために助手席視界を得る」という目的とドライブレコーダーとしての機能を両立させるために細かい位置決めには結構悩んだのだが、最終的にかなり助手席側のAピラーに寄せての設置とした。

 助手席側のAピラーに寄せて設置すると、左方向視界に死角ができないか心配されるところだが、AC1は撮影画角が広いため、実験してみた感じでは実用上は問題がなかった。また、この位置だと助手席に着座したときにも視界の妨げにもならない。まあ、何か不都合が出てきたときに位置を変えればよいので、とにかくこの位置に取り付けることにした。

 取り付けはレーダー探知機を取り付けたときと同じで、Aピラー付近の天井内装にステーを挟み込んでしまうアプローチで実践した。ネジ穴も開けず両面テープも使わないため、車体への加工やダメージはほぼないに等しい。

 やり方は、まずドアまわりの内装外しから始める。

 今回は、運転席側のヒューズボックスから取り出した電源ケーブルを運転席側のAピラー内装の中に通し、さらに運転席側の天井内装に通す必要もあるので、結局、助手席と運転席の両方の内装を外す必要がある。

 慣れると簡単にできるようになるが、初めての人は不安だと思うので、これもディーラーのサービスマンにやってもらうとよい。戻すのは簡単なので外し方だけでも教わっておくとよいだろう。

 Aピラーの内装を緩めたら続いてサンバイザーを外す。サンバイザーはプラスドライバーで簡単に外すことが可能だ。

 これで天井がほぼ緩むので、ヒューズボックスからの電源配線をAピラー内部や運転席側の天井に通すことができるようになる。

シート根本の樹脂製内装を外せたらあとは簡単。出入り口を覆うようにしてはめ込まれているゴム製のシールを外し、続いてAピラーの内装も外していく
Aピラーの内装は緩むだけで取り外せない。緩めるだけで配線を通すことはできる
サンバイザーを取り外すと天井内装が緩む

 助手席側も同様の要領でビデオケーブルをAピラーと天井内装に埋め込みながら通していく。

 oasis-net製の「ビデオ入力ハーネス」はごく短い端子なのでAピラーと天井内装を通すビデオケーブルは別途用意する必要があるが、これは家電量販店で販売されている適当なビデオ延長ケーブルで構わない。

 筆者の場合、助手席への設置なのでそれほど長いケーブルは必要ないと判断して1.5mのものを購入したが、それでも長さをもてあました。将来的にバックミラーの根本に移設する実験などを行う際にもよいかなと思い、余剰分はまとめてAピラー内装裏側に潜らせておいた。

家電店で売られていた延長ビデオケーブル。車用のものでなく、普通の家電製品向けの安価な製品でOK
ビデオケーブルをAピラー内装側に埋め込んだ状態。余計な振動音を生み出さないためにも内装側にしっかりと固定

 このビデオケーブルのAC1本体への接続には、冒頭で紹介したメーカー直販サイトで購入した専用接続ケーブルを介する必要がある。Aピラー内装に潜らせたビデオ延長ケーブルとこのケーブルを接続し、最終的にAC1へと接続する。

 そしてさらに運転席側から引っ張ってきた電源ケーブルとも接続すれば、すべての配線は完了だ。

メーカー直販サイトで購入したAC1対応のビデオ出力ケーブル
余剰分は天井内装側に隠して配線。あとはAC1を設置するだけ

 AC1の天井内装の設置は試行錯誤した結果、商品に付属してくる樹脂製の標準ステーでは寸足らずということが分かったので、ホームセンターで市販されている汎用ステーを買ってきて、これにビズ留めをすることとした。その際、標準ステーには穴開け加工を行っている。少々面倒だったが、車体に穴開け加工するよりはマシだろう。

樹脂製ステーに穴開け加工をした
開けた穴にビズを通し、六角ナットで締め付ける方式で固定。微妙な高さはと左右の回転方向の傾きはこのビス留めのところで調整もできるという二段構えの戦略

 市販のステーを天井内装に潜らせれば設置終わりなのだが、市販のステーは金属むき出しで、車体の振動によって余計なノイズ音を出す可能性がある。そこで、天井内蔵に差し込む部分に関しては市販の薄手のゴムシートを貼り込んで対処している。

 これはノイズ音防止だけでなく、同時に天井内装に挟み込んだ際の滑り止め的な役割も果たしてくれるので、もし筆者と同じ設置方法を検討しているのであればぜひマネしていただききたいポイントだ。

市販のゴムシート。裏面は接着できるようになっている
天井内装へ突っ込むステー部分をこのような感じでゴムシートでくるむ。振動防止と滑り止めの役割を果たしてくれる

 これで設置/配線は終わりなのだが、ちょっと見た目がよろしくないということで、市販のカーボンシートを露出しているステーの形状で切り出して貼り付けてみた。やや自己満足な世界ではあるが、DIYはこうした部分の方が楽しさが大きかったりする。

カー用品量販店で販売されているカーボンシート。カーボン柄の「なんちゃってカーボンシート」でもOKだろう
設置完了。外側から見るとこんな感じ
GT-RのMFDにAC1からの映像が映った。近くの家電量販店の駐車場で撮影角度の調整を実施。実際には助手席に設置されているものの、パッと見は中央に設置されているかのような角度調整を実践した

 最後は、動作確認と調整だ。

 助手席側に設置したとはいえ、撮影映像の中央に最遠景の消失点がくるように撮影角度を調整すべきだ。

 こうした調整は、自宅の駐車場ではなく遙か奥まで平坦で見通しがよいところで調整したい。駐車位置の枠線や、規則的に立ち並んだ柱などがある場所だと調整がしやすいだろう。

 今回はここまで。実際に、このAC1をドライブレコーダーやセキュリティカメラを運用した際のインプレッションや活用のコツについては、次回、実際の撮影映像を交えて述べていくことにしたい。

西川善司

テクニカルジャーナリスト。元電機メーカー系ソフトウェアエンジニア。最近ではグラフィックスプロセッサやゲームグラフィックス、映像機器などに関連した記事を執筆。スポーツクーペ好きで運転免許取得後、ドアが3枚以上の車を所有したことがない。以前の愛車は10年間乗った最終6型RX-7(GF-FD3S)。AV Watchでは「西川善司の大画面☆マニア」、GAME Watchでは「西川善司の3Dゲームファンのためのグラフィック講座」を連載中。ブログはこちら(http://www.z-z-z.jp/BLOG/)。

(トライゼット西川善司)