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フジテレビ、剛力彩芽さんらが登場したインターネット有料チャンネル「フジテレビNEXTsmart」の開局記念会見
F1全戦、全セッションをインターネットでライブ放送、翌週日曜日まで見逃し配信も
(2014/3/14 19:40)
フジテレビジョン(以下、フジテレビ)は3月14日、東京都港区にある同社本社において、日本初となる24時間総合編成のインターネット有料チャンネル「フジテレビNEXTsmart」の開局記念記者会見を行った。
フジテレビNEXTsmartは、スカパー!などで放送されているCS放送「フジテレビNEXT ライブ・プレミアム」の編成内容をベースにした24時間ライブストリーミング配信。フジテレビは地上波、BS、CSに次ぐ第4のテレビと位置づけて、PC、タブレット、スマートフォンなどに向けて配信を行う。3月中は同社のストリーミング配信サービスであるフジテレビオンデマンド、スカパー!オンデマンドのユーザー向けに無料配信を行うほか、4月1日以降は月額1296円(消費税8%込みの価格。以下同)での視聴や、スカパー!でフジテレビNEXTを契約している視聴者はスカパー!オンデマンドで視聴することができる。
記者会見では、フジテレビNEXTsmartで放送される予定のドラマ「バックハグ」に出演している女優の剛力彩芽さん、「綾小路翔の六本木バナナボーイズ」に出演している氣志團の綾小路翔さん、歌手の森山直太朗さんがゲスト出演したほか、目玉コンテンツとなるF1世界選手権のライブ中継のデモ、そのF1に今年からケータハムF1チームから復帰する小林可夢偉選手がビデオ出演するなどして、大いに会場を盛り上げた。
F1全戦、全セッションをインターネット経由で見ることができるフジテレビNEXTsmart
本日より開始されたフジテレビNEXTsmartは、フジテレビがCSやケーブルテレビなどを経由して放送しているフジテレビNEXTの番組をサイマル(同時)放送する仕組みになっている。基本的にはフジテレビNEXTで放送されている番組が、そのままフジテレビNEXTsmartで放送される。ただしそれだけでなく、選ばれた番組のいくつかは、放送終了後から“見逃し配信”と呼ばれるオンデマンドの再放送にも対応していることが大きな特徴になる。
配信サービスは、フジテレビ自身が運営するフジテレビオンデマンドと、スカパー!が運営するスカパー!オンデマンドを通して行われ、iPhone/iPad、Androidなどのスマートフォンやタブレット向けの配信にも対応している。
放送されるコンテンツは、フジテレビNEXTで放送されているF1世界選手権の全セッションライブ中継、ドイツサッカーの国内リーグ「ブンデスリーガ」のライブ中継、2014 Jリーグ ヤマザキナビスコカップのライブ中継および録画も含めた全試合中継、豪華アーチストによる音楽ライブなどを、インターネットのストリーミングにより楽しむことができる。このうち見逃し配信が行われるのはF1世界選手権の予選と決勝で、それぞれセッション終了後1時間を目途に見逃し配信が開始され、その開催翌週の日曜日深夜0時まで繰り返し視聴することができる。なお、F1やサッカーなどの放映権の問題から放送にはリージョンロックがかけられており、日本国外からのアクセスには対応していない。
視聴料はフジテレビオンデマンド、スカパー!オンデマンドともに1296円で、本日より3月31日までは体験ということで無料で視聴することができる。ただ、フジテレビオンデマンドで無料視聴する場合には何らかのプランを契約する必要があり、実際には最低でも300円コースに加入することになるため、5%の消費税込みで315円のコストがかかることになる。なお、4月1日以降でも、スカパー!においてすでにフジテレビNEXTを契約している視聴者は、フジテレビNEXTsmartも無償で視聴することができる。
顧客の利便性に背を向けたサービスは支持されないとフジテレビの遠藤専務
フジテレビの本社で行われた発表会には、同社専務取締役 遠藤龍之介氏が登壇し、新しいサービス開始に向けたスピーチを行った。
本来は同社代表取締役社長である亀山千広氏が登壇する予定だったのだが、同氏が急遽体調不良とのことで、その替わりとして遠藤氏が登壇することになった。遠藤氏は「亀山が体調不良ということをお知らせしたら、弊社の広報に重病なのか? というご丁寧なお問い合わせをいただいたが、単なる風邪なので来週には復帰します」と、冒頭で重病説(?)を逆手にとったジョークとともに挨拶を始めた。
遠藤氏は「フジテレビNEXTsmartは地上波、BS、CSに次ぐ第4のメディアになる。すでに視聴者の視聴方法が多岐になってきており、テレビの価値が下がっていると言われているが、実際に調べて見るとコンテンツへの接触率はむしろ上がっている。ただ、現在ではユーザーが複数のデバイスを持っていて、さまざまな形でコンテンツにアクセスすることができるようになっている。言ってみればお客様1人1人が編成権を持っている時代になってきている。すでに米国では地上波をインターネットにサイマル(同時放送)することが当たり前になっているが、日本ではビジネス環境の違いからまだそこまでにはなっていないものの、今回のサービスはそうした状況に先鞭をつけるものだと考えている」と述べ、将来的にテレビ局がインターネットにアプローチしていく上で、今回のフジテレビNEXTsmartが先行例になるとした。
さらに遠藤氏は「ハリウッドではコンテンツイズキング(コンテンツが王様)という言葉があるが、それはコンテンツが優れていなければ支持を得られないという意味だ。我々はこの時代はカスタマイズイズキング(カスタマイズが王様)であり、顧客の利便性に背を向けたら支持されないと考えている」と述べ、ユーザーに自由度を与えることが重要だという認識を示し、だからこそインターネット配信サービスを展開していくのだとした。
また、質疑応答に登壇した同社のペイTV事業部 部長 窪田正利氏は、フジテレビが他社に先駆けてインターネットのライブ配信ができるようになった理由を聞かれ、「もともとフジテレビNEXTは、自前で作っているコンテンツやサイマル放送が当たり前になっている海外から買ってきたF1などが中心になっており、版元に理解があった」と述べるとともに、収入モデルについては「フジテレビNEXTと同じように若干の広告は入ると思うが、基本的には月額課金を中心に据えた収益モデルになる」(窪田氏)とした。
なお、会見にはフジテレビNEXTsmartの開局記念ドラマとして作成され5月から放送される予定のドラマ「バックハグ」に主演女優として出演する予定の剛力彩芽さん、さらにはフジテレビNEXTで放送されている人気番組「綾小路翔の六本木バナナボーイズ」に出演している綾小路翔さん、森山直太朗さんが登壇し、実際にスマートフォンやタブレットを利用してフジテレビNEXTsmartを体験した感想などを語った。
剛力さんは「スマートフォンやタブレットは常に持っているので、いつでもどこでも見ることができるのは嬉しい。また、見逃しても見逃し配信でまた見ることができるのは嬉しい」と述べ、剛力さんが主演するバックハグも見逃し配信される予定であることもアピールした。また、綾小路翔さんは「忙しい仕事の合間に見ることができるのは嬉しい」、森山直太朗さんは「ブンデスリーガを見るのが好きなので、どこでもライブで見ることができるのは嬉しい」と述べ、それぞれフジテレビNEXTsmartをアピールした。
さらに、今年のF1世界選手権にケータハムF1チームから2年ぶりに復帰した日本人F1ドライバーの小林可夢偉選手も、オーストラリアGPの会場から録画ビデオで参加した。この記者会見は、オーストラリアGPのフリー走行2回目(FP2)とほぼ同じタイミングで行われたため、ゲストの3人が体験したのはまさにライブで行われているF1中継そのもの。ゲストの3人とも、F1の迫力ある中継がスマートフォンやタブレットで体験できることに感心しているようだった。
【お詫びと訂正】記事初出時、「スカパーオンデマンド」での配信体系に関する記述で間違いがありました。お詫びして訂正させていただきます。