ニュース
ボーイングの次世代旅客機「ボーイング 777X」開発プログラムにスバルなど日本メーカー5社が参加
ボーイング 777と同様に、主要構造材の約21%をボーイングへ供給
(2014/6/12 19:56)
ボーイングは6月12日、現在開発中の次世代旅客機「ボーイング 777X」において、スバル(富士重工業)など日本の主要パートナー5社が参画するとことで合意にいたったと発表した。合意した企業は、スバルのほか三菱重工業、川崎重工業、新明和工業、日本飛行機で、日本航空機開発協会とともに覚書を締結した。5社は、胴体部、中央翼、圧力隔壁、主脚格納部、乗降扉、貨物扉、主脚扉、主翼構成部品、翼胴フェアリングを含む約21%の777Xの主要構造部位の製造を行うことが含まれている。
同日ボーイングジャパンは都内で記者会見を実施。米ボーイング バイス・チェアマン 民間機航空部門社長兼CEO レイ・コナー氏、サプライヤー・マネジメント担当 バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャー アンソニー・ケント・フィッシャー氏、富士重工業 専務執行役員 航空宇宙カンパニープレジデント兼宇都宮製作所長 永野尚氏、三菱重工業 取締役 副社長執行役員 ドメインCEO 鯨井洋一氏、川崎重工業 常務執行役員 航空宇宙カンパニープレジデント 石川主典氏、新明和工業 取締役専務執行役員 石丸寛二氏、日本飛行機 代表取締役社長 早野幸雄氏、日本航空機開発協会 理事長 大宮秀明氏が出席した。
ボーイング 777Xは、世界でベストセラーとなったボーイング 777を基盤として開発される次世代旅客機。座席数はベースモデルとなる777-8Xが約350機、ストレッチモデルとなる777-9Xが約400席。航続距離は777-8Xのほうが長く9300海里(1万7220km)超、777-9Xが8200海里(1万5185km)超となっている。エンジンは双発で、いずれもGEアビエーション製のGE9Xを採用。777-8XのライバルとしてはエアバスのA350-1000を挙げ、消費燃料は競合機費で12%減、運行コストは10%減とし、777-9Xに競合機は存在しないとしている。価格は、777-8Xが3億4980万ドル、777-9Xが3億7720万ドル。777-9Xについては、ANA(全日本空輸)がすでに20機発注している。
ボーイングの民間機部門を統括するレイ・コナー氏は、「日本メーカーと製造分担する合意ができたことを嬉しく思います。日本の航空中産業との60年とのパートナーシップの新たな節目となります」などと語ったほか、ボーイング 747、767、777、737、737MAXでの60年の関係で培われた日本企業とのパートナーシップを協調した
各社の分担割合は、777と同様に約21%。記者からはこの数字が金額ベースなのか、部品点数ベースなのかという質問が複数回でたが、これ関してボーイング側は、一切答えることはなく、サプライヤー・マネジメント担当 バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャー アンソニー・ケント・フィッシャー氏が「構造部材で約21%」と繰り返し答えるのみだった。
また、各社航空機部門首脳に対し、製造に関する新たな投資についての質問も出たが現時点で発表できる数字はどの社もないとしつつ、組立ラインの高度な自動化など新たな製造の仕組みを取り入れていくとのこと。ボーイング 777X開発プログラムに参画することで、長期的な製造計画を作り上げるとともに、技術革新に取り組んでいく。