ダイハツ、新型「コペン」発表会で“第3のデザイン”を2015年発売と予告

　ダイハツ工業は6月19日、軽オープンスポーツカーの新型「コペン」を発表し、同日から全国一斉発売した。新型「コペン」の詳細については関連記事（http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140619_654038.html）を参照していただきたい。

ユーザーが自分の好みでモデルチェンジできるのがドレスフォーメーション。コペン ローブと互換性のある“第3のデザイン”は2015年に登場予定。ちなみに、ローブとXモデルは外板形状が違うので付け替えはできない

　新型コペンの発表会では新しい試みとして、日本各地の地域ならではの風土、個性、持ち味を最大限に楽しめる「オープンカーライフ」の実現を目指した「ラブ・ローカルbyコペン」活動の概要も紹介された。

ダイハツ工業の三井社長。新型コペンは三井社長が就任した際に「お客様の要望に素早く応えるビジネスモデルを作りたい」という目標を挙げていたが、それを実現した第1弾がこの新型コペンとなる

　発表会の壇上に立ったダイハツ工業の三井社長から最初に語られたのは、新型コペンは単なる新型車という位置づけではなく、サービスやコミュニティが一体となった新しいカーライフを提供する役目も担ったクルマであるということ。つまりクルマを売り、メンテナンスを行うという従来の構図から、コペンを購入してくれたユーザーに様々な満足度を継続して提供していくというもので、これを日本初の「オープンカーライフ」というブランドに育てていくとのことだった。そして新型コペンの英語表記である「COPEN」は初代では「コンパクトオープン」から取ったものだったが、2代目では「Community of OPEN car life」からのコペンになった。

　この新型コペンの商品概要は主に4つの項目で構成されていた。まずは「感動の走行性能」という項目について。これは高い剛性を確保するために新設計された「D-Frame（ディーフレーム）」やサスペンション、パワートレーンに専用のチューニングを施すことで、スポーツカーらしい乗り味を実現されている。

　次に「自分らしさを追求する」という項目。新型コペンでは内外装着脱構造「DRESSFORMATION（ドレスフォーメーション）」を採用し、樹脂パーツとなっているボンネット、トランクフード、フロント＆リアバンパー、フロント＆リアフェンダー、ロッカー、フューエルリッドの11点をユーザーの好みで変更を可能。また、内装も運転席/助手席のパネルやオーディオクラスターを交換可能な構造にしてある。この2点から、従来のクルマにはないカスタマイズの可能性を与えている。

コペン ローブ

コペン Xモデルは少し遅れて2014年秋に発売予定。エンジン、サスペンションなどのスペックはローブと同じ

　そして2014年の夏以降に開始予定なのが、新型コペンを購入したユーザーを対象とした「オーナー見学」である。これはその名のとおり、オーナーになる人が、自分のクルマを生産している「コペンファクトリー」を見学できるというもの。これによってただ待つだけだった従来の納車前に、ワクワクできる時間を持ってもらうというものだ。

　さらに納車後もコペンを通じてカーライフを満喫してもらうために、コペン認定ショップ「コペンサイト」を全国の販売会社の店舗に設置。ここは気軽に仲間が集い、交流できるドライバーズサロンである。そしてカスタマイズなどに詳しい「コペンスタイリスト」も常駐させるとのことだ。また、コペンサイトでは地域に密着しているディーラーの特徴を生かし、地域色のあるイベントなども行う予定になっている。このように新型コペンを軸に、これまでにない充実したカーライフを送るためのプランが「オープンカーライフ」なのである。

三井社長に続いて、ダイハツ工業 製品企画部の藤下氏が登場。新型コペンの概要について説明が行われた。初代コペンの人気におごらず、新たなクルマ作りを行ってきたことが語られた

最後に登壇したのはダイハツ工業 営業役員の堀井氏。新型コペン発売と同時にスタートする「オープンカーライフ」について細かい説明が行われた

コペンの頭文字のCと鏃形状をモチーフにした「コペンアロー」というデザインを作り、軽スポーツカーのイメージを強調。このコペンアローはコペンに関わる活動すべての使われる一貫したアイデンティティとなる。ちなみに、これまで行われてきた試乗会のときにボディーに施されていたカモフラージュも、コペンアローで表現していた

新型コペンを通じて様々な新しい試みが行われる。ダイハツ工業自体が変わっていくプランにもなっている

感動の走行性能と自分らしさを追求するという目標を達成するために盛り込まれた作り。軽自動車という枠を飛び越えたこだわり満載のクルマだ

コペン認定ショップやコペンファクトリーの見学など、コペンに乗ることで体験できる楽しいカーライフも提供していく。それが「LOVE LOCAL byCOPEN」で、神奈川県鎌倉市にはメーカー直営の情報発信基地となる「ローカルベース」を開設する

　この日に発表された新型コペンは2モデル。「コペン ローブ」と「コペン X（クロス）モデル」だが、Xモデルは2014年秋に発売予定となっている。

　コペン ローブはDVVT（連続可変バルブタイミング機構）を採用した3気筒0.66リッターターボエンジンが搭載される。最大パワーは47kW（64PS）で最大トルクは92Nm（9.4kgm）。トランスミッションには7速スーパーアクティブシフト付きCVTと5速MTが用意されている。駆動方式は2WD（FF）だ。

　サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式、リアがトーションビーム式だが、ボディー及びアーム類の補強により、非常に高い安定性を持っているという。また、乗り味についても落ち着いた印象に仕上げたとしており、クラスを超えた走りが味わえるはずである。

初代コペンに比べてボディー剛性は大幅にアップされている。その成果として、市街地走行、ワインディング、高速道路などどこを走っても安定性が高いという

細部もていねいな作り込み。マフラーには専用のマフラーカッターが付いているが、まるでアフターパーツのようなスポーティなデザイン。マフラー本体の作りもスポーツカーらしい排気音になるようにチューニングされている

ボディー外板を好みで交換できるドレスフォーメーション。変更可能な外板は樹脂製で軽量。交換作業はユーザー自身でも可能だが、ワンタッチ構造ではないのでそれなりの工具と技術が必要。ディーラーでの交換が基本だ

内装のデザインもシンプルでスポーティにまとめてある。室内の広さもそこそこあるので、窮屈な感じはない

内装色もブラウン＆ベージュとブラックを選択できる。シート後方には小物入れ用のネットがある

ドアポケットにも小物入れを設定。車検証などはキーロック付きのグローブボックスに収まるので、オープン状態で駐車するときも安心。フロアマットも高級感のある仕上がり

エンジンはDVVT付きの0.66リッターの3気筒ターボ。トランスミッションは5速MT（写真）とCVTが選べる。

ルーフは初代と同じく電動開閉式。開閉速度が速いので、信号待ちの時間でも余裕で操作できる

コペンアローを使ったグッズ類も豊富に用意。コペンサイトにて取り扱う