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ヤフー初のクルマ向けサービス、無料のカーナビアプリ「Yahoo!カーナビ」発表会

潜在市場規模1700万人のクルマユーザーに向けたサービス第1弾

クルマ空間の問題を解決するカーナビアプリ「Yahoo!カーナビ」
2014年7月31日発表

 ヤフーは7月31日、無料のカーナビアプリ「Yahoo!カーナビ」を公開した。iOS版(https://itunes.apple.com/jp/app/id890808217)はiOS6.0以上に対応、Android版(https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.yahoo.android.apps.navi)はAndroid4.0以上に対応する。

 同日、ヤフー本社内で記者会見を実施。ヤフーがカーナビアプリを無料でリリースする背景とその目的についての説明が行われた。登壇したのはヤフー システム統括本部 マップイノベーションセンター長 石田幸央氏と、ヤフー システム統括本部 サービスマネージャー 兵藤安昭氏。石田氏がクルマ向けサービス開始の背景について、兵藤氏がアプリについての解説を行った。

日本人のクルマでの移動時間

 石田氏によると、日本人の移動時間は86%がクルマによるものだという。クルマの使われ方には地域によって大きく違いがあり、東京23区ではクルマが50%で電車と徒歩が50%と半々なのに対し、政令指定都市では78:22、都市近郊では90:10、地方市郡町村では94:6という比率に達する。また、日本のクルマの潜在市場台数は約1853万台、これらから推定したスマホを持っているカーナビ潜在ユーザーは1689万人(約1700万人)になる。

ヤフー システム統括本部 マップイノベーションセンター長 石田幸央氏
ヤフー システム統括本部 サービスマネージャー 兵藤安昭氏

 この膨大なユーザーに対するサービスを無料で開始することで、サービス支援にもなるほか、検索したルート沿いの店舗、目的地の店舗を紹介することで店舗にもメリットがあるという。

 「Yahoo!カーナビ」の特徴として、無料カーナビアプリとして初めてVICS情報に対応し、そのVICS情報を利用したルート案内が可能となっている。兵藤氏は開発のコンセプトを「安全・安心を最優先に開発した」といい、ドライバーが運転中に使っても問題ないよう、自工会のガイドラインに準拠したものになっているとのこと。無料で駐車場の満空情報(タイムズ、リパークなど3社が提供)、ガソリン価格情報(イード「e燃費」提供)、洗車クーポン(カービュー「みんカラ洗車倶楽部」提供)を取得でき、JAFの優待施設の検索などもでき、JAFの優待施設案内が他社製アプリでできるのは初めてとのこと。

日本でのクルマの利用台数
潜在市場の推計
約1700万ユーザーが見込めるとする

 地図も2D表示、3D表示ができ、交差点レーン案内、高速道路入口案内、ETCレーン案内など、案内画面類も充実。道路ネットワーク地図は住友電工システムソリューションのものを使用しており、Web地図「Yahoo!地図」では対応できていない舞鶴若狭道の新規開通区間を利用したルート検索もできる最新のもの。Web地図「Yahoo!地図」との連携も図られ、Yahoo!地図で設定した目的地をYahoo!カーナビの目的地として利用できる。

 現状、横画面に対応しているのはAndroid端末のみで、iOS端末については、いずれ発売される次期iPhoneに間に合うようにとのことだった。

 Yahoo!カーナビの各種画面については関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140731_660357.html)を参照していただきたいが、シンプルに作られており、カーナビアプリを1度でも使ったことがあれば使い方に困ることはないだろう。現在の仕様では出発地は現在地のみ、立寄地も設定できないが、これについては「ユーザーの声を聞きながら(改良を)進めていきたい」とのことだった。

 日本のメーカーが多くかかわるナビアプリであることも強調しており、音声エンジンは東芝製で、交差点情報などもしっかり入っているという。

安全・安心を第一に開発
さまざまなサービスを無料で提供
VICS情報無料は国内初
見やすい画面を持つ
横画面。iOS端末の対応は今後
Yahoo!地図と連携する
ダウンロードURLのQRコード

 無料でリリースされたアプリだが、将来の有料化については「広く使われる渋滞情報などのサービスは無料で。たとえば声優の声によるナビなどは有料で」としており、カーナビとしての基本機能は無料で使えるようにし、広範な利用ユーザーの獲得を目指していく。将来的には、それらユーザーからのプローブデータを利用した渋滞情報の提供、口コミスポット情報などSNS的なアプローチを採り入れていきたいようだ。Yahoo!カーナビをユーザーが使用することで入手可能なユーザーからのプローブデータに関しては、「個人を特定しないデータ」とのことだった。

 決して多機能ではないが、最新の地図、分かりやすいルート案内、そして正確な広域渋滞・規制情報を利用可能なカーナビアプリ、Yahoo!カーナビ。無料カーナビアプリのサービスレベルを引き上げるものになることは間違いないだろう。

(編集部:谷川 潔)