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トヨタの新型FCV「MIRAI」にも乗れる「エコプロダクツ2014」開幕

12月11日~13日開催。自動車メーカーやタイヤメーカーなどが環境対応の取り組みを紹介

2014年12月11日~13日開催

入場無料(登録制)

会場ではトヨタ自動車の新型燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」に試乗可能
「エコプロダクツ 2014」が東京ビッグサイトで開幕

 12月11日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で環境展示会「エコプロダクツ2014」が開幕した。期間は12月13日までの3日間。入場は無料(登録制)。自動車関連では自動車メーカーやタイヤメーカーなどが出展し、いわゆるエコカーやエコタイヤをはじめとする環境対応の取り組みを紹介している。

 環境関連のビジネス向け展示だけでなく、学校の校外学習としても活用される展示会のため、難しい技術であっても分かりやすく、楽しく学べる展示を行っている出展者も多い。展示は多方面に渡るが、本稿では自動車関連の展示を中心に紹介したい。

エコカー乗車体験ではトヨタの新型FCV「MIRAI」が人気

 エコカー乗車体験コーナーでは、試乗車としてトヨタ自動車の新型燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」、スバル(富士重工業)「レガシィ アウトバック」、本田技研工業「アコード プラグイン ハイブリッド」、マツダ「アクセラ SKYACTIV-D 2.2」「デミオ SKYACTIV-D 1.5」、三菱自動車工業「アウトランダーPHEV」の6台が用意された。

乗車体験受付の案内が各所にある
受付をしないと試乗はできない

 中でも12月15日に発売されるMIRAIが人気で、11日の午前中の予約は一瞬で埋まってしまうほど。乗車体験は午前と午後は別々の時間から予約を受け付けているので、朝一番で行かなくても午後の予約が取れる可能性もある。もし乗車体験を狙っているなら、会場入りは早めの方がよさそうだ。

 乗車体験なので来場者が自ら運転することはできないが、注目される走行音や乗り心地といった部分を確認するには十分。走行コースも会場の東京ビッグサイト周辺の公道を走ることになる。

乗車体験に使われるMIRAI
残念ながらハンドルは握れないが、助手席、後部座席に試乗できる
走行個所は東京ビックサイト周辺の公道だ

自動車メーカーはトヨタ、ホンダ、マツダ、スバル、三菱自動車が出展

 自動車メーカーブースでは、現在もっともアピールしたい“エコカー”の展示に加え、環境への取り組みを展示している。

 トヨタは本格的な量産車種となるFCVのMIRAIを中央に展示した。間近で触れられるほか、混雑具合にもよるが車内への乗り込みもできる場合がある。車両だけでなく燃料電池そのものや水素タンクなど、燃料電池車を構成するために重要な技術の展示もある。

MIRAIの展示会場と言ってもよいトヨタブース
MIRAIが中央に置いてある
特徴的なリアの造形も間近で確認できる
運転席に乗り込むことが可能
水素タンクの展示
燃料電池ユニットを別に展示している

 ホンダは燃料電池車のコンセプトカー「Honda FCV CONCEPT」を展示、あわせて外部給電器のコンセプトモデル「Honda Power Exporter CONCEPT」も展示した。また、クルマのほかにホンダの環境対策等を紹介、子供向けにクリスマスオーナメントの制作などのコーナーを設けた。

Honda FCV CONCEPTも間近で見られる場所に展示
外部給電器のHonda Power Exporter CONCEPTも展示している
何か動物の形に見えてくる形状も間近で確認できる
ホンダのビーチクリーン活動で使ってる機材。回転してゴミとビーチの砂を簡単に分離できる
薪ストーブのデザインスタディーも展示。ロケットストーブの構造を踏襲している
子供たち向けに制作コーナーを設けた

 マツダはデミオ SKYACTIV-Dの実車を展示するとともにSKYACTIV-Dエンジンを展示。ディーゼルエンジンへの取り組みを示した。

マツダはデミオを展示
SKYACTIV-Dエンジンを展示
ブースでは子供たち向けにクイズを実施、ディーゼルへの理解を深めた

 スバルは燃費が向上した新型レガシィ アウトバックをブースに2台展示し、アウトドア愛好者にアピールした。スバルの環境対応の取り組みを紹介するほか、ブース受付ではBRZのペーパークラフトがもらえる。

レガシィ アウトバックを2台展示したスバルブース
BRZのペーパークラフトも配布している

 三菱自動車はアウトランダーPHEVとi-MiEVを展示。三菱電機とコラボレーションし、i-MiEVから家庭へ電気を供給するV2H(Viecle to Home)や、アウトランダーPHEVからも電気が給電できる点をアピールした。なお、アウトランダーPHEVは三菱電機ブースにも展示がある。

アウトランダーPHEVをブース正面に展示
電源が取れることをアピール
i-MiEVから家庭へ電気を供給して効率的に電気を使う仕組みを紹介

タイヤメーカーは環境対応をアピール

 タイヤメーカーの展示は、タイヤの製品アピールよりもタイヤの転がり抵抗低減化に向けた技術やリサイクル、環境技術などをアピールしていた。子供の来場者向けのコーナーも設けられている。

ブリヂストンはトークショー形式でシリカ配合などの技術紹介を行った。車両展示は同社のタイヤ「ECOPIA with ologic」を装着したBMW「i3」とトヨタ車体の「コムス」
空気が要らないタイヤのエアフリーコンセプトは実際に柔らかさを触って確かめられる
ダンロップはエナセーブの森として、各タイヤに使われる技術をアピールした
エナセーブNEXT(右端)、エナセーブ100(右から2番め)などエナセーブシリーズも展示される
ヨコハマタイヤ(横浜ゴム)は技術を分かりやすく伝えるショー形式でタイヤの技術を紹介していた
エコタイヤのBluEarthシリーズ

自動車部品や運送業、道路、部品メーカーなども出展

NEXCOは3社合同で展示

 そのほか、自動車部品や運送業の展示もあった。ヤマト運輸、佐川急便、日本郵政グループ、日本通運など運送業は環境に優しい物流をアピール。特に日本郵政は配達に使っている日産自動車「e-NV200」を展示。高速道路各社、部品メーカーなども展示を行っている。

首都高ブースでは道路を維持していく上で出る廃材を使ったベンチなどを紹介。維持作業にEVを使うなどしていることをアピールした
NGP日本自動車リサイクル事業協同組合は恒例のエンブレム配布を行った。募金をすることが条件で好きなものを1個もらえる。中高生の来場者に人気で、高級車ブランドから先になくなっている
NGP日本自動車リサイクル事業協同組合が取り組んでいるリサイクル部品の展示
ヤマト運輸はネコロジーとして同社の物流の効率化について展示した
クロネコが登場!
模型にて、同社の荷物の流れが分かるようになっていた
日本郵政グループのさいたま市で使っているe-NV200。そのほか横浜市でも使っているという
佐川急便のブースでは環境への取組をクイズで紹介
恒例の祇園佐川急便のコーナーも設け、飛脚姿にコスプレして舞妓さんと記念写真が撮れる
矢崎総業はEVの充電ソケットを展示し、どこに差し込むかをクイズで紹介。ここで学んだ子供たちは将来、EVの利用にも困らないはずだ
デンソーは子供向けに分かりやすく技術を紹介。漫画やふりがな付きの解説ボードが多数用意された
横浜市はカーシェアリング「チョイモビ ヨコハマ」で使っている日産ニューモビリティコンセプトを展示
タカラトミーは玩具のエコ化として電池でなく手で動かす「テコロジー」シリーズを展開。手で動かすと光る仕組みを搭載

(正田拓也)