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ヤフー、「Yahoo!カーナビ」が保有するプローブ情報を元に、独自の渋滞予測データを4月から提供開始

Yahoo!カーナビと連動するカーテレマティクス事業「ヤフーカーナビプラス(仮称)」も発表

2015年3月11日発表

Yahoo!カーナビ利用者のプローブ情報を元にした、独自の渋滞予測データの提供を4月から開始する(写真は開発中のもの)

 ヤフーは3月11日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で開幕した「第6回 国際自動車通信技術展」(開催期間:3月11日~13日)の会場において、スマートフォン/タブレット向け無料カーナビアプリ「Yahoo!カーナビ」の新サービスを発表した。

 Yahoo!カーナビは、スマートフォン向けの無料カーナビアプリとして2014年7月に提供を開始。VICS情報に対応し、VICSから配信されるリアルタイムの渋滞情報、交通規制情報を使った回避ルートなどに加え、「タイムズ」「リパーク」などの時間貸し駐車場のリアルタイム満空情報を使い、利用可能な駐車場を探せる「駐車場検索」、周辺のガソリンスタンドの燃料価格も表示できる「ガソリンスタンド検索」といったサービスが提供されている。また、2014年12月にはiOS/Andriod版のタブレットに対応したこともあって、サービス提供開始から約100日で200万ダウンロードを突破、7カ月で累計300万ダウンロード目前という順調な状態にある。

Yahoo!カーナビの特長
サービス提供から7カ月で累計300万ダウンロード目前に
今回の発表内容
ヤフー システム統括本部 マップイノベーションセンター 兵藤安昭氏

 その利便性をさらに高めるべく、今回は「渋滞情報をリッチ化」「安全運転支援を強化」「カーテレマティクス事業構想」の3点の内容を発表。会場ではYahoo!カーナビの責任者を務めるヤフー システム統括本部 マップイノベーションセンター 兵藤安昭氏がプレゼンテーションを行った。

 まず「渋滞情報をリッチ化」について。現在、Yahoo!カーナビでは渋滞情報の提供を目的にVICS情報に対応しているが、新たにYahoo!カーナビの利用者が実際に走行したプローブ情報を元にする、独自の渋滞予測データの提供を4月から開始。これについて、兵藤氏は「VICSの対象道路延長は約18万kmだが、プローブによって約85万kmの渋滞情報が提供可能になる」と、VICSとプローブをミックスさせた情報によって広範囲かつ高密度な渋滞情報が見られるようになると、そのメリットについて紹介した。

 このプローブ情報については、Yahoo!カーナビのサービス提供開始から取得を行っており、毎日約136万km(地球約34周分に相当)、累計約2億kmの情報を蓄積しているという。提供開始後の4月以降(ゴールデンウィーク前を予定)は、このプローブ情報を元にしたルート案内を行う予定になっている。

Yahoo!カーナビの利用者が実際に走行したプローブ情報を元にする、独自の渋滞予測データの提供を開始。VICSの対象道路延長は約18万kmだが、プローブによって約85万kmの渋滞情報が提供可能になるという
VICSのみの表示とプローブのみの表示を比較したところ。プローブのみの表示の方がより精細に表示していることが分かる
VICS情報は赤い線で、プローブ情報は点線で表示。赤い点線が渋滞、オレンジの点線が混雑、緑の線が混雑なしという意味
Yahoo!カーナビのサービス提供開始から取得を行っており、毎日約136万km(地球約34周分に相当)、累計約2億kmの情報を蓄積している
開発中のイメージ画像。写真右はルート案内中の表示画面
実際にVICS情報とプローブ情報を表示させたところ

「安全運転支援を強化」については、新たにドライバーの安全運転を支援する機能として、三井住友海上火災保険のアプリ「スマ保『運転力』診断」と今夏(お盆休み前を予定)より連携を開始する。「スマ保『運転力』診断」は、スマートフォンの加速度センサーやGPS情報などを元に、ドライバーの運転力を客観的に評価するアプリ。Yahoo!カーナビを起動し、運転後にアプリ上で運転傾向の分析・診断が表示できるようになるという。

 また、Yahoo!カーナビではすでに交通事故総合分析センター(ITARDA)と連携し、交通事故多発個所の表示が行えるようになっているが、新たに三井住友海上火災保険が保有する過去3年分の数十万件の事故データを元に、事故多発地点情報の充実化を図る。三井住友海上火災保険が保有する事故データは大きな事故にとどまらず、クルマをぶつけやすい個所など小規模な事故までを含む精密なデータとなっている。

今夏に三井住友海上火災保険のアプリ「スマ保『運転力』診断」と連携を開始する
運転後にアプリ上で運転傾向の分析・診断が表示できるようになる
三井住友海上火災保険が保有する過去3年分の数十万件の事故データを元に、事故多発地点情報の充実化を図る

 そして「カーテレマティクス事業構想」については、Yahoo!カーナビと親和性の高い各領域のパートナー企業との連携を行う「ヤフーカーナビプラス(仮称)」構想を発表。ここで指す各領域とは「自動車販売」「自動車損保」「カーサービス」「自動車整備」などとなっており、これら各領域のパートナー企業をネットワーキング化することで、より高い付加価値をユーザーに提供するというもの。

 具体的には、点検/車検/修理/メンテナンス/洗車サービスなどを展開する企業との連携や、トラブルがあった際にYahoo!カーナビから直接ロードサービスが呼べるといった有料サービスなどを検討(Yahoo!カーナビは引き続き無料で提供)。Yahoo!カーナビの収益化を進めるとしており、兵藤氏は「ヤフーと事業を進めていきたいとお考えのパートナー様には、ぜひお声掛けいただきたい」と呼びかけを行った。

「カーテレマティクス事業構想」について

(編集部:小林 隆)