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メルセデス・ベンツ、パフォーマンスと環境性能を両立した新型「メルセデスAMG C 63」発表会

C 63は「単に速いスポーツカーではなく、家族との旅行から1人でのドライブまで楽しめる1台」

2015年5月27日開催

メルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏とメルセデスAMG C 63(写真は限定車のメルセデスAMG C 63 S Edition 1)

 メルセデス・ベンツ日本は5月27日、10月頃の発売を予定する「メルセデスAMG C 63」「メルセデスAMG C 63 S」(セダン/ステーションワゴン)の発表会を、東京 六本木のショールーム「メルセデス・ベンツ コネクション」で開催した。発表会では、メルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏、営業企画部 商品企画1課 マネージャーの木下潤一氏が登壇してC 63の概要を紹介した。

 車両の価格などについては関連記事を参照いただきたい。

メルセデス・ベンツ、新開発のV8 4.0リッターツインターボを搭載した「メルセデスAMG C 63」
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150527_703987.html

メルセデス・ベンツ、限定400台限定の「メルセデスAMG C 63 S Edition 1」
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150527_704018.html

ヒヤシンスレッドカラーのメルセデスAMG C 63(1195万円)。ボディーサイズは4755×1840×1430mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2840mm。車両重量は1790kg
エクステリアでは、フロントグリル(マットシルバー)、ボンネットフード、サイドスカート、リアスカートが専用デザインになる。クロームエグゾーストエンドはスクエアデザインのAMGデュアルツインを採用。足下は19インチAMG5ツインスポークアルミホイール(タイヤサイズ:フロント245/35 R19、リア265/35 R19)を装着し、その奥にフロント6ピストン、リア1ピストンのAMGロゴ入りブレーキキャリパーと前後360mm径のドリルドローターを組み合わせるAMG強化ブレーキシステムがのぞく
C 63のインテリアカラーはブラック、プラチナパールホワイト/ブラック、レッドペッパー/ブラックの3パターンから選択可能(写真はブラック)。ブラックアッシュウッドのインテリアトリム、ブラックカラーのルーフライナーはC 63、C 63 Sで共通
ナッパレザーシートを標準装備。後席は40:20:40の分割可倒式
8.4インチワイドディスプレイを備えるインフォテインメントシステム「COMANDシステム」は全車標準装備。セレクトスイッチによりトランスミッションのギヤシフトプログラム、エンジン特性、サスペンション、ステアリング特性、3ステージESPなどのセッティング変更が行える「AMGダイナミックセレクト」機能を搭載
こちらはC 63のハイパフォーマンスモデルであるC 63 Sをベースにした特別仕様車「C 63 S Edition 1」。エクステリアではハイグロスブラック仕上げの専用パーツをフロント/リアバンパー、サイドスカート、ドアミラー、トランクリッドスポイラーリップに装着。インテリアではバケットタイプの「AMG パフォーマンスシート」などを装備してベースモデルとの差別化を図っている
セダンは350台限定で1420万円
ステーションワゴンは50台限定で1465万円

オールラウンダーなスポーツカー

新型C 63について「単に速いスポーツカーではなく、人も荷物も載せることができ、家族との旅行から1人でのドライブまで楽しめる1台」と語る上野社長

 発表会で登壇した上野社長は、「先代モデルのC 63 AMGは、日本でのAMGモデルの販売をけん引するモデルとなり、販売に大きく貢献してくれた。そして何よりもこのモデルがAMGのイメージをマーケットに開放するきっかけになった1台」と評するとともに、C 63が属する1000万円台のスポーツカー市場に大きなポテンシャルを感じているとし、「2週間前にピュアスポーツカーである『AMG GT』を発表させていただいたが、販売店様からも手ごたえを大変感じていると聞いている。その熱が冷めないうちに新型のC 63を投入し、マーケットをさらに刺激してより多くのお客様に知ってもらうことで我々のブランドの強化を図っていきたい」とコメント。

 日本導入に先立って行われた新型C 63の海外試乗会では、「快適なクルージングからサーキットでのアグレッシブなドライビングまで楽しめる、オールラウンダーとの評価をいただいた。単に速いスポーツカーではなく、人も荷物も載せることができ、家族との旅行から1人でのドライブまで楽しめる1台」と、C 63の特長について紹介した。

 一方でメルセデス・ベンツ コネクションから販売店に紹介し、成約に至った商談のうち、約7割がC 63 AMGだったというエピソードについても触れ、「そのほとんどがメルセデスを購入の対象にしていなかった新規のお客様。そのようなお客様が成約に至った理由を聞くと、AMGが独自に設計したパワフルなエンジンが搭載されていることと、実際にご試乗されてよいクルマだったから。フラッと販売店に立ち寄ってC 63のとりこになっている」という。

 そうしたこともあり、同社はAMGモデルの展示スペースを常時用意し、専門のトレーニングを受けた「AMGエキスパート」を配置する「AMGパフォーマンスセンター」の拠点を、現在26拠点(5月27日時点)のところ2020年までに40拠点に拡大する計画などが紹介された。

C 63のベースとなるCクラスは、2014年に「2014-2015インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」などを受賞し、累計1万5867台を販売
3月には現行のラインアップにないボンネットのスリーポインテッドスターマスコット、3本のルーバーを備えたラジエータグリルを採用する専用フロントマスクを採用した特別仕様車「C 200 エクスクルーシブ ライン リミテッド」を発売
プラグインハイブリッドや4気筒クリーンディーゼルを搭載したCクラスを導入することが予告されている
2014年のAMGモデルの販売台数は約3800台(前年比+47%)と、AMGブランド内で米国、ドイツに続く世界3位に位置し、大きな躍進を果たした
先代モデルのC 63 AMGは2007年の東京モーターショーで発表。こちらは自然吸気のV型8気筒DOHC 6.3リッター「M156」エンジンを搭載していた
C 63 ステーションワゴンはF1のメディカルカーとして活躍中
「AMGパフォーマンスセンター」の拠点を2020年までに40拠点に拡大する計画が発表された

「M177」エンジンにスイッチ

営業企画部 商品企画1課 マネージャー 木下潤一氏

 車両の概要については営業企画部 商品企画1課 マネージャーの木下潤一氏が解説。

 先代モデルの「C 63 AMG」では自然吸気のV型8気筒DOHC 6.3リッター「M156」エンジンを搭載していたが、今回発表されたC 63と、そのハイパフォーマンスモデルとなるC 63 Sは新開発のV型8気筒DOHC 4.0リッター直噴ツインターボ「M177」エンジンにスイッチ。476PS/650Nm(C 63。C 63 Sは510PS/700Nm)というハイパフォーマンス性能はそのままに、JC08モード燃費9.5km/L~9.7km/Lという環境性能も両立させたエンジンを搭載した。

V型8気筒DOHC 4.0リッター直噴ツインターボ「M177」エンジンは、C 63は最高出力350kW(476PS)/5500-6250rpm、最大トルク650Nm(66.3kgm)/1750-4500rpmを、C 63 Sは最高出力375kW(510PS)/5500-6250rpm、最大トルク700Nm(71.4kgm)/1750-4500rpmをそれぞれ発生する

 今回のエンジンは、5月8日に受注を開始した2シータースポーツモデル「メルセデスAMG GT」に搭載する「M178」エンジンと基本設計を共にし、砂型鋳造されたクローズドデッキのアルミニウムクランクケースに鍛造アルミニウム製ピストンを組み合わせ、軽量化を進めつつ高い強度を実現。2基のタービンをV型シリンダーバンクの内側に配置する「ホットインサイドV」レイアウトを採用し、エンジンをコンパクトにまとめている。

 その「M177」エンジンを搭載するべく、ベースとなるCクラスから左右にそれぞれ15mmフェンダーを張り出されるとともに、フロントオーバーハングを60mm延長。加えてボンネットフードも専用のものとなり、フロントバンパーの開口部も拡大して冷却性能を高めている。また、セダンではトランクリッドにスポイラーリップを、ステーションワゴンにはルーフスポイラーが与えられたほか、引き続きAMGモデルであることを示す左右4本出しのマフラーエンドを採用している。

「M177」エンジンは2基のタービンをV型シリンダーバンクの内側に配置する「ホットインサイドV」レイアウトを採用。エンジンをコンパクトにまとめている
「M177」エンジンのスペック
エンジンマウントに磁性体入の液体可変マウントを採用(C 63 Sに標準装備)。通常走行時は柔らかいマウントによってノイズや振動を抑え、スポーティな走行時はマウントを硬くしてドライブトレーンのロールモーションを減少、ダイレクトなコーナリングを実現するという
C 63とC 63 Sで異なるエグゾーストシステムを採用。C 63では排気管内に1つの連続可変エグゾーストフラップを、C 63 Sには3つの連続可変エグゾーストフラップを備えている
トランスミッションはトルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを採用する「AMG スピードシフト MCT(マルチ・クラッチ・テクノロジー)」
C 63は機械式AMGリミテッド・スリップ・デフを、C 63 Sは電子制御AMGリミテッド・スリップ・デフを採用
サスペンションはフロントに4リンク式、リアにマルチリンク式の「AMG RIDE CONTROL スポーツサスペンション」。4輪それぞれの減衰特性をボタンで調整できる電子制御ダンピングシステムを採用し、専用ボタンなどで「コンフォート」「スポーツ」「スポーツプラス」の3モードから減衰特性を選択できる
トランスミッションのギヤシフトプログラム、エンジン特性、サスペンション、ステアリング特性、3ステージESPなどのセッティング変更が行える「AMGダイナミックセレクト」
特別仕様車「C 63 S Edition 1」はセダン350台、ステーションワゴン50台の限定400台を用意
C 63の価格表

(編集部:小林 隆)