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ヤマハ、2016年のレース活動体制を発表

MotoGPタイトル、中須賀選手の全日本5連覇、鈴鹿8耐連覇、トライアルの優勝も目指す

2016年3月1日 実施

2016年、ヤマハチームから参戦するライダーら

 ヤマハ発動機は3月1日、2016年度の国内外のレース活動計画を発表し、昨季2015年シーズンで勝利したMotoGPと全日本ロードレース選手権(JSB1000)で連覇を狙うことに加え、2016年も引き続き鈴鹿8時間耐久レース(以降、鈴鹿8耐)にファクトリー体制で挑むことを宣言した。

 その他、全日本モトクロス選手権、全日本トライアル選手権、アジアロードレース選手権(ARRC)などにもファクトリーチームやユースチームとして参戦し、上位を狙う。また、スーパーバイク世界選手権(WSBK)にも5年ぶりに挑戦する。

大きな成果を上げた2015年シーズン

ヤマハ発動機株式会社 代表取締役副社長 木村隆昭氏

 発表会で登壇した同社代表取締役副社長の木村氏は、2015年に掲げた重点テーマの1つ、「ヤマハブランドをさらに輝かせる」という点について、ロードレースの世界最高峰MotoGPで通算5回目の3冠を達成し、モトクロスの世界最高峰MXGPでは6年ぶりにタイトルを奪還、そして鈴鹿8耐で19年ぶりの優勝を獲得したという大きな成果を上げることができたと報告。これらはマーケティング面にも好影響を与え、「世界の人々にヤマハのブランドメッセージを届けることに成功した」と胸を張った。

 2016年は、MotoGPの連覇と、中須賀選手を中心とした全日本ロードレース選手権の5連覇を主な目標に掲げ、WSBKへの5年ぶりの復帰、AMAスーパークロスの体制強化なども含め、国内外のさまざまなレースシーンで優勝もしくは上位を狙うとした。さらに、鈴鹿8耐でも昨年同様ファクトリー体制で臨むことを明らかにするとともに、「さらに戦闘力を高めた(YZF-)R1で2連覇を目指す」と宣言した。

ヤマハ発動機株式会社 技術本部 MS戦略部長 河野俊哉氏

 2015年のもう1つの重点テーマ「人材発掘と育成を目的としたグローバルなステップアップモデルを構築すること」については、ARRCへのAP250(250cc)クラスの新設を働きかけ、それによりASEAN地域におけるスポーツモデルYZF-R25およびYZF-R3の導入の原動力となったことを成果として強調した。同社技術本部 MS戦略部長の河野氏も、AP250クラスの開催によって5カ国6チームから合計13人のライダーがARRCに参戦する結果になったと報告した。

 このテーマに関して2016年は、ARRCについては2015年と同様の体制を維持しながら、若手ライダーを対象にしてより実践的な教育機会を設ける。大きな取り組みとしては、バレンティーノ・ロッシ選手が主宰する「VR46 Riders Academy」との3年間のパートナーシップ、オフィシャル・サプライヤー契約を結び、26台の車両提供と有力選手の同アカデミーの参加を通じて、将来性の高い若手ライダーの育成を目指す。

ヤマハ発動機株式会社 技術本部 MS開発部長 辻 幸一氏

 同社技術本部 MS開発部長の辻氏は、MotoGPマシンの現在の開発状況を報告した。2016年の今シーズンからタイヤがミシュランに変更され、ECUが統一されるというレギュレーションの大きな変更があることから、「苦労している。現在はまだ手探り状態」であると明かし、タイヤをより理解しなければならないこと、ライダーにおいては乗り方の変更も含めて検討している段階だとした。

 なお、発表会ではヤマハチームのライダーが集結し、それぞれが2016年シーズンに向けた決意を述べた。各ライダーのコメントは以下の通り。

MotoGP世界選手権

ホルヘ・ロレンソ選手(Movistar Yamaha MotoGP)

ホルヘ・ロレンソ選手(Movistar Yamaha MotoGP):今回日本に行くことができず残念です。しかし、サポートしていただけていることは十分に感じます。今シーズンも大変エキサイティングな年になるでしょう。ヤマハが再びチャンピオンを獲れるよう、全力でプッシュします。Revs Your Heart。

バレンティーノ・ロッシ選手(Movistar Yamaha MotoGP)

バレンティーノ・ロッシ選手(Movistar Yamaha MotoGP):今年の目標はいつものように全力を尽くし、ヤマハをレース界のトップに導くこと。応援ありがとう。また会いましょう。

ポル・エスパルガロ選手(写真左)、ブラッドリー・スミス選手(写真右)

ポル・エスパルガロ選手、ブラッドリー・スミス選手(Monster Yamaha Tech 3):ナカスガサーン! 全日本でチャンピオンになったそうで、すごくうらやましい。今年も素晴らしい年になることを願っています。僕らは最高のパフォーマンスを目指してこれまで以上にプッシュしていくから、僕らのレースを楽しんでもらえると思う。ガンバリマース!

全日本ロードレース選手権 JSB1000

中須賀克行選手(写真右)

中須賀克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM):5連覇目指して頑張りたいと思います。2015年はヤマハ創立60周年にふさわしい結果を得ることができました。昨年は全戦優勝を掲げていたので、今年こそはそれを達成できるように精一杯頑張っていきます。

中須賀選手(写真右)とYZF-R1
野左根航太選手(中央)、藤田拓哉選手(右)

野左根航太選手(YAMALUBE RACING TEAM):今年でチームに入って2年目になります。昨年は表彰台は獲得できましたが、3位という結果で終わってしまい、それより上に行くのは難しかった部分があります。今年は2位もしくは1度でもいいので優勝できれば。中須賀選手と対等に戦えるように全力で頑張ります。

藤田拓哉選手(YAMALUBE RACING TEAM):去年は怪我ばかりでレースにほとんど出られてなかったんですけど、2年目は心機一転、もう一度自分自身を見直して1からやっていこうと思っています。今年は本当に怪我しないように、全戦しっかり出て、結果を残していくのを目標に頑張っていきます。

野佐根選手(写真右)、藤田選手(写真中央)とYZF-R1

全日本モトクロス選手権 IA1

平田優選手(写真中央)三原拓哉選手(写真右)

平田優選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM):昨年は開幕前の怪我でレースに出ることができず、社内では給料泥棒と言われていました。今年は給料以上の働きができるように頑張ります。

三原拓哉選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM):(2015年までのカワサキ・レーシング・チームから移籍となり)ヤマハの一員になれたことをすごくうれしく思います。11月からヤマハのバイクに乗り始めて、自分で思っている以上にスムーズに乗り換えができて、すごくいいコンディションでテストが進んでいます。毎戦、毎ヒート全力で戦って、まずは優勝目指して、表彰台の高いところにより多く乗れるように頑張りたいと思います。

平田選手(写真中央)、三原選手(写真右)とYZ450FM

全日本モトクロス選手権 IA2

渡辺祐介選手(写真右)

渡辺祐介選手(YAMALUBE RACING TEAM):昨年は怪我もあって自分の納得のいくレースができなかったのですが、今年は育成チーム2年目ということで、勝ちにこだわったレースをしていきたいと思います。チーム一丸となってランキングチャンピオンを目指します。

渡辺選手(写真右)とYZ250F

全日本トライアル選手権 IAスーパー

黒山健一選手(写真右)

黒山健一選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM):3年連続で2位となり、悔しいシーズンを3年間送っています。自分自身の問題がほぼほぼ100%で、チャンピオンを獲れずにいます。今年のシーズンに向けしっかり乗り込み、バイクのレベルアップを図ってきたので、今年は間違いなく去年以上の成績、となるともう1位しかないです。全7戦あるうちの4戦以上を優勝して、チャンピオンを獲りにいきます。

黒山選手(写真右)とTYS250F

アジアロードレース選手権 SS600

伊藤勇樹選手(写真中央)、ムハマド・フィトリ・アシュラフ・ビン・ラザリ選手(写真右)

伊藤勇樹選手(YAMAHA RACING TEAM):今年は僕にとってもチームにとっても初めてのチャレンジになります。過去、僕はチャンピオンを獲れていないこともあって、今年求められているのはチャンピオンでしょうし、自分もそこを狙ってしっかり精進していきたいと思います。

ムハマド・フィトリ・アシュラフ・ビン・ラザリ選手(YAMAHA RACING TEAM):ヤマハチームの一員になれて光栄です。今年、チームのために一生懸命頑張ります。

伊藤選手(写真右)、フィトリ選手(写真中央)とYZF-R6
2015年の鈴鹿8耐で勝利したYZF-R1とトロフィー
発表会場にはスポンサー企業の商品などが展示されていた
バイクをモチーフにしたヤマハのステレオコンポ「MCR-B043」とヘッドフォン「PROシリーズ」

(日沼諭史)