ニュース

メルセデス・ベンツ、ブランド初の“SUVクーペ”「GLE クーペ」など3モデル発表会

フラグシップSUV「GLS」、367PS/520Nmの「メルセデスAMG GLE 43 4MATIC」などを発売

2016年4月27日 開催

GLS:1070万円~1900万円

GLE クーペ:890万円~1780万円

メルセデスAMG GLE 43 4MATIC:1150万円

メルセデス・ベンツ日本株式会社 代表取締役社長兼CEO 上野金太郎氏

 メルセデス・ベンツ日本は4月27日、「GL」の後継モデルとなるフラグシップSUV「GLS」、メルセデス初の“SUVクーペ”となる「GLE クーペ」、367PS/520Nmを発生する専用開発エンジンを搭載する「メルセデスAMG GLE 43 4MATIC」という3タイプの新型SUVを発表。東京 六本木にあるブランド発信拠点「メルセデス・ベンツ コネクション」で記者発表会を開催した。

 GLSとメルセデスAMG GLE 43 4MATICは同日発売、GLE クーペは同日から受注を開始して8月ごろから順次発売となる。価格はGLSが1070万円~1900万円、GLE クーペが890万円~1780万円、メルセデスAMG GLE 43 4MATICが1150万円。

GLS
モデルエンジンステアリング位置価格
GLS 350 d 4MATIC(受注生産)V型6気筒 3.0リッター直噴ディーゼルターボ10,700,000円
GLS 350 d 4MATIC Sports11,900,000円
GLS 550 4MATIC SportsV型8気筒 4.7リッター直噴ツインターボ15,000,000円
メルセデスAMG GLS 63 4MATICV型8気筒 5.5リッター直噴ツインターボ19,000,000円
GLE クーペ
モデルエンジンステアリング位置価格
GLE 350 d 4MATIC クーペV型6気筒 3.0リッター直噴ディーゼルターボ8,900,000円
GLE 350 d 4MATIC クーペ Sports9,800,000円
メルセデスAMG GLE 43 4MATIC クーペV型6気筒 3.0リッター直噴ツインターボ12,000,000円
メルセデスAMG GLE 63 S 4MATIC クーペV型8気筒 5.5リッター直噴ツインターボ17,800,000円
メルセデスAMG GLE 43 4MATIC
モデルエンジンステアリング位置価格
メルセデスAMG GLE 43 4MATICV型6気筒 3.0リッター直噴ツインターボ11,500,000円

 記者発表会ではメルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長兼CEOの上野金太郎氏が登壇。アンベールされて姿を現した3モデルのSUVを前に、上野氏はまずメルセデス・ベンツの販売状況の説明を行なった。上野氏からは「本年は『SUVイヤー』ということで、SUVモデルにとくに力を入れさせていただき、これがまさに販売にも大きく寄与しているというものです。結果、第1四半期の輸入車ナンバー1となる約1万8000台の販売することができました。SUVはそのうち全体の24%を占めるまでになりました。本日発表のGLS、GLE クーペ、GLE 43 4MATICの3車種を加えますとますますSUV比率が高まると期待しております」と、SUV人気が高いことが語られた。

メルセデスSUVのフラグシップモデルである「GL」の後継車「GLS」
大柄なSUV3台が並んだメルセデス・ベンツ コネクション内の発表会場。開会後にいっせいにアンベールされた
現在のメルセデス・ベンツ日本では販売の24%をSUVが占める状況。ここにGLS、GLE クーペ、GLE 43の3モデルを追加して、さらにSUV比率を高めていく

 続いて、新たに日本導入される3モデルのそれぞれについて解説。「最初にGLE クーペですが、こちらはメルセデス・ベンツで初めての『SUVクーペ』でございます。SUVクーペとは、クーペとしてのスタイリッシュなフォルムと走行性能に、SUVらしい存在感と利便性を加えたモデルとなります。このクルマは昨年の東京モーターショーに参考出品して大変話題になり、本日、ようやく日本のお客様に発表をすることができました」とGLE クーペについて紹介。

 次に紹介されたのはラグジュアリーSUVのGLS。「2013年に発表したGLの後継車となります。メルセデス・ベンツのフラグシップモデルである『Sクラス』と同等の安全装備、快適装備を備え、メルセデスのSUVモデルを表す“GL”と、車格を表す“S”を組み合わせてGLSとなりました。このGLSはメルセデスSUV唯一の7人乗り3列シートであり、上質かつ快適な室内空間と広大なラゲッジスペースを有する最上級SUVとなっています」とのこと。

 3番目はメルセデスAMG GLE 43 4MATICについて。上野氏は「プレミアムSUVである『GLE』の新しいモデルであるGLE 43です。現在、クリーンディーゼルエンジン搭載のGLE 350 d 4MATICと、トップパフォーマンスモデルであるメルセデスAMG GLE 63 S 4MATICをすでに発売していますが、このGLE 43はこの2つのモデルのあいだに新たにポジショニングするモデルです」

「(GLE 43は)AMG専用開発の3.0リッターV型6気筒直噴ツインターボエンジンを搭載しています。AMGの動力性能に高い機能性やデザイン、価格などトータルバランスに優れたモデルとなっています。そしてこのGLE 43は『メルセデスAMG 43 モデル』として発表される最初のモデルとなります。『43』はAMG専用開発のV6エンジン、AMG 4MATIC、AMGダイナミックセレクトなどを搭載しており、43というふた桁のモデル名でAMGの一員であることを示しております」とのこと。このモデル設定に伴い、2015年から販売している「C 450 AMG 4MATIC」も「メルセデスAMG C 43 4MATIC」とモデル名が変更される。これによってメルセデスAMGは「43」「45」「63」「65」という展開となる。

 なお、これらのモデルに共通している機能として、最新の9速オートマチックトランスミッション「9G-TRONIC」を搭載する。この「9G-TRONIC」はダイナミックなレスポンスによる爽快なドライブフィールと滑らかな変速を両立させ、1つのギヤが受け持つ速度域を狭くすることで変速ショックとエンジン回転の上昇を抑えられる。これにより、静粛性と燃費の両方を満足度の高いものに引き上げている。

GLE 43は「メルセデスAMG 43 モデル」として発表されるシリーズ最初のモデル。このモデル設定に伴い、2015年から販売しているC450 AMG 4MATICもメルセデスAMG C 43 4MATICとグレード名を変更する
今回の3モデル追加によってメルセデスAMGは「43」「45」「63」「65」のラインアップとなり、すべての車種を合計すると30モデルもの展開となった

 次に紹介されたのはクルマではなく、今回の会場であるメルセデス・ベンツ コネクションに隣接するスペースで開催している「SUVエクスペリエンス」について。これは2月からスタートし、メルセデスSUVが持つ魅力を体験してもらう無料アトラクションで、すでに2000組の来場者があるという。参加しているのはメルセデス・ベンツモデルのオーナーだけでなく、メルセデス・ベンツのクルマに乗ったことがない人もたくさんいるとのこと。すべての参加者から非常に高い評価を得ていると上野氏は語る。また、試乗体験だけでなく、メルセデスSUVが提案するライフスタイルを体感してもらう一環として、ココット鍋を用いたアウトドア料理の提供なども行なっている。ゴールデンウィーク中も開催しているとのことで、連休初日の5月29日からは新メニュー「シカゴピザ・メルセデススタイル」の提供開始を予定している。

メルセデス・ベンツ コネクション ネクストドアで行なっている「SUVエクスペリエンス」は、メルセデスSUVの魅力を体験してもらうアトラクション。専用Webサイトでの事前予約や現地での申し込みを行なうと無料で体験できる
東京都港区六本木 7-3-10にあるメルセデス・ベンツ コネクションの横に「SUVエクスペリエンス」の会場となるメルセデス・ベンツ コネクション ネクストドアはある。ゴールデンウィークに向けてフードメニューに新作も登場するので、連休の予定に組み込んでみてはいかがだろうか
メルセデスAMG GLE 43 4MATIC クーペ
メルセデスAMG GLE 43 4MATICクーペ(写真は北米仕様車)
ルーフキャリアとバッグを搭載したメルセデスAMG GLE 63 S 4MATICクーペ。ルーフキャリアもスマートに固定されており、SUVらしいスタイルも絵になる
メルセデスAMG GLE 43 4MATIC。AMG専用開発の3.0リッターV型6気筒直噴ツインターボエンジンを搭載
メルセデスAMG GLS 63 4MATIC。2013年に登場したGLの後継車で、7人乗り3列シートを採用
メルセデス・ベンツ日本株式会社でSUVモデルの商品企画を担当する廣澤臣哉氏

 上野氏のプレゼンテーションに続き、それぞれのモデルの商品特徴についてメルセデス・ベンツ日本でSUVモデルの商品企画を担当する廣澤臣哉氏から説明が行なわれた。「今回発表した3つの車種に共通することは、デザイン、走行性能、安全性という項目についてそれぞれ異なる魅力を備えているところです。まずはGLE クーペです。今回は敢えて横向きで展示していますが、これは美しいルーフラインを見てもらうためです。このGLE クーペは知性と情熱、伝統とモダンを融合させたデザインで、SUVらしい存在感を醸しながら、クーペとしてのスタイリッシュなフォルムも持ち合わせています」

「後席は大人が十分快適に過ごせる空間を確保し、積載性も優れています。ラゲッジルームは最大1720Lあり、後席を起こしたままでもゴルフバッグを3つ積むことができます。スポーティでありながら実用性も兼ね備えたモデルとなっています」と、通常のSUVと比べてルーフラインを落とし込んでいるぶん、ラゲッジスペースが狭いのではないか?という疑問に応える内容だった。実際にGLE クーペのラゲッジスペースは十分に広いという印象で、よほど上に積み上げたり高さのあるものを積む必要がない限り、スペース不足を感じないかもしれない。

ルーフラインが特徴的なGLE クーペ。それだけに後席スペースやラゲッジ容量を気にする人もいるだろうが、このクラスのSUVだけにそこも十分考えられていて、後席に座っても頭上からの圧迫感を覚えることはなかった。前席をドライビングポジションにセットしても後席の足下には余裕があるし、その後席を使う状態でもゴルフバッグを3つ積める。写真はメルセデスAMG GLE 63 S 4MATICクーペのもの

 次はGLSの解説だが、このクルマはメルセデスSUVのフラグシップモデルだけに、Sクラス同等の上質さを持っていることが先に説明された。そして特徴の1つである室内空間の広さをアピールするため、大学でアメフト部に所属する部員7名がゲストとして登場。大柄なアメフト選手が乗りこんでもGLSが快適であると実演され、とくに3列目のシートでも快適であることが強調された。

 この3列目のシートは使用しないときは電動収納が可能で、シートを格納して生まれるラゲッジスペースはゴルフバッグ4つが余裕で積めることも語られた。ほかに機能面の特徴として、GLSはオフロードでの走行性能と快適性を両立する電子制御式エアサスペンション「AIRマティックサスペンション」を装備していること、GLS 550 4MATIC Sportsにはオフロード性能をさらに高めるため、6つのドライビングプログラムを備える「ON&OFFROADパッケージ」を標準装備しているとコメントされた。

GLSはメルセデスSUV唯一となる3列シートを採用。車内空間について紹介するため大学のアメフト部の部員を起用。大柄なアメフト部員が乗っても窮屈さはないということ
2列、3列のシートはフラットにすることもでき、車中泊も楽々できるほどのスペースが生まれる
GLS 350 d 4MATIC Sportsの運転席まわり
COMANDシステムを搭載。モニターには360度カメラシステムの映像や、縦列駐車や並列駐車のアシストを行なうアクティブパーキング機能などのセレクト画面が表示される。センターコンソールにはリッド付きのカップホルダーを用意
センターアームレスト内は小物入れになっている。フタは2分割で開閉
2列目シートの居住性もよい。センター部は手動で引き降ろすアームレストを内蔵
2列目リアシートは分割可倒式。バックレスト上部にあるスイッチを押すと自動的に折り畳まれる
5名乗車の状態でゴルフバッグを3つ搭載可能
3列シートの格納も電動タイプ。スイッチ操作だけで倒したり起こしたりできる
GLS 550 4MATIC Sportsは、電子制御式エアサスペンション「AIRマティックサスペンション」、6つのドライビングプログラムを備えてオフロード性能をさらに高める「ON&OFFROADパッケージ」を標準装備

 最後はAMG GLE 43 4MATICについて。「このクルマにはメルセデスAMGが専用開発した3.0リッターV型6気筒ツインターボのBlueDIRECTエンジンを搭載。燃費性能と出力に優れていて、最高出力367PS、最大トルク520Nmを発生。そしてAMGで初めて9速ATを採用し、それに5つのモードが選択可能な『AMGダイナミックセレクト』、モータースポーツを想起させるエモーショナルなサウンドを発生する『AMGスポーツエグゾーストシステム』など、快適なクルージングからスポーティな乗り味まで幅広く楽しんでいただくことができるモデルとなっています」と説明された。

AMG GLE 43 4MATICには3.0リッターV型6気筒ツインターボのBlueDIRECTエンジンを搭載。走行条件に合わせて4輪それぞれを電子制御する連続可変ダンピングシステムのAIRマティックサスペンションも採用する

 メルセデス・ベンツのSUVシリーズは、今回の3モデル登場により6モデル展開となった。これによってライフスタイルや家族構成に応じて選べるようなったので、輸入車SUVの購入を検討している人にとってこのラインアップの充実は魅力的なものだろう。

メルセデスSUVのラインアップは6モデルとなった

(深田昌之)