ニュース

三菱自動車、燃費試験の不正行為で国土交通省に追加報告

「RVR」などは机上計算で算出した疑いがあり、測定データによる裏づけなどを調査中

2016年5月11日 発表

5月11日に国土交通省を会場とした会見に出席した三菱自動車工業株式会社 取締役会長兼CEO 益子修氏。この会見の様子は追って誌面紹介する

 三菱自動車工業は、4月20日に発表を行なった同社製軽自動車4車種での燃費試験データに関する不正について、4月26日に国土交通省から期限を定めて求められた調査に対する報告書を提出しているが、これに関連する追加の報告書を国土交通省に対して提出した。この追加報告の内容をニュースリリースで公開しており、以下に内容を転記する。

 なお、5月11日に国土交通省では三菱自動車工業の益子修氏、相川哲郎氏、横幕康次氏などが出席する記者会見が行なわれており、この様子は追って誌面紹介する。

軽自動車4車種の調査について

(1)燃費をよく見せるための走行抵抗の不正な操作は、14型「eKワゴン」「デイズ」(2013年2月申請)の燃費訴求車の開発において始まった。他の類別(標準車、ターボ付車、4WD車)や「eKスペース」「デイズルークス」、各年式変更車では、走行抵抗は同燃費訴求車のデータから机上計算された。

(2)同燃費訴求車の開発において、燃費目標は26.4km/Lから29.2km/Lまで計5回引き上げられた。新型競合車の燃費を強く意識したもので、現実的には達成が困難でありながら、根拠に乏しい安易な見通しに基づく開発が進められた。

(3)担当者らは、燃費が「商品性の一番の訴求ポイント」と認識し、開発関連部門の管理職・役員からの燃費向上の要請を必達目標として感じていた。

(4)開発関連部門の管理職(複数)は、業務委託先とのコミュニケーションを十分に行っていなかった上、高い燃費目標の困難さを理解していたにも係わらず、実務状況の確認をしなかった。

(5)再発防止策については、各問題点をふまえ、抜本的な改革を検討している。

今後の対応について

(1)その他の現在販売している9車種及び、既に販売を終了した車種については、ヒアリングの結果、正しく走行抵抗を算出していなかったり、「RVR」などについて机上計算により算出したりしたものがあることが疑われるため、測定データによる裏づけや経緯などを調査中で、別途ご報告する。

(2)「高速惰行法」使用の理由・経緯を含む本件の徹底的な調査のため、外部有識者のみによる特別調査委員会を4月25日に設置した。同委の報告と提言を受け次第、弊社としての適切な対応を立案し、別途ご報告する。

(編集部:佐久間 秀)