コーンズ、最大規模の「コーンズ大阪サービスセンター」開設
フェラーリ、マセラティ、ベントレー、ロールス・ロイスを整備

コーンズ最大規模のサービスセンターとなる「コーンズ大阪サービスセンター」

2009年7月3日オープン



 コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッドは7月3日、コーンズとしては最大規模となる「コーンズ大阪サービスセンター」を、大阪・南港地区(大阪府大阪市住之江区南港東9-4-60)にオープンする。オープンに先立ち報道陣向け説明会が開催されたので、その模様をお届けする。

大阪・南港地区に開設されたコーンズ大阪サービスセンター全景。左にベントレー/ロールス・ロイス整備棟、中央にショールーム/ウェイティングルーム棟、右にフェラーリ/マセラティ整備棟があり、全体を曲線を描く壁で取り囲む。写真は「南港東8」交差点から撮影したもので、交差点より高い位置にあることが分かる。右に見える高速道路は阪神高速湾岸線
コーンズ大阪サービスセンターは、地図左下、緑の矢印の個所に位置する(地図はGoogle Mapより)説明会はショールーム/ウェイティングルーム棟で開催された。白を基調にした非常に明るいショールーム

 コーンズは現在、マセラティ日本総代理店、フェラーリ、ベントレー、ロールス・ロイスの正規代理店となっており、高級車を中心に販売している。今回、大阪・南港地区に同社最大規模のサービスセンターを開設した背景には、ここ数年の飛躍的な販売増によるサービス需要の増大があると言う。これまでコーンズでは、関西地区のサービス拠点として東大阪市にサービスセンターを設けていたが、サービス需要の増大に対応するため、コーンズ大阪サービスセンターの開設に至った。

挨拶に立った、コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド モーター・カンパニーCOOのクレイグ・ジョイナー氏。フェラーリを担当する

 コーンズでは5月から各ブランドごとにグループを分けており、フェラーリグループのCOO(Chief Operating Officer)であるクレイグ・ジョイナー氏が代表して挨拶を行った。ジョイナー氏は、「このサービス工場の新設はコーンズにとって大きな投資となる。それには3つの大きなポイントがあり、1つは関西のマーケットの重要性、1つは以前のサービスセンターと比べて倍の規模とすることでお客様にとってベストなサービスの提供、そして最後の1つは我々の取り扱う4つのブランドの将来性への自信である」と語り、旧サービスセンターと比較して倍以上の規模とすることで、現在のユーザーへのサービスの充実を図るとともに、これから増加して行くであろうユーザーに対しても満足のいくサービスを提供する基盤を整えるためのものであるとした。

コーンズ大阪サービスセンター設立の背景について語るコーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド理事 コーンス大阪 ジェネラルマネジャーの加藤謙二氏

 その詳しい背景について、コーンズ大阪のジェネラルマネジャーである加藤謙二氏は、「コーンズの基本方針として、自社物件でサービスの提供を行っていくというのがある。関東や中部では実現できているものの、これまで関西の東大阪では20年ほど賃貸物件で行ってきた。そこをなんとか早く自社物件にしたかった。また、2004年から新車の販売台数が伸び、東大阪では手狭になってきたということもある。2008年秋以降の経済問題により、モーター事業戦略を練り直す中で、セールスとサービスを一体としたディーラー経営を行っていくというのがあった」とし、ユーザーが増える中でサービスを重視する戦略を今後採っていくと言う。

 規模については、東大阪の敷地面積が2711m2(820坪)であるのに対し南港は8264m2(2500坪)と3倍以上であり、総床面積も3724m2(1127坪)へと拡大されている。作業ベイについても11ベイから22ベイ(内アライメント調整ベイが2つ)と約2倍になっている。作業能力に関しても、初年度は20%増を目指しており、従来3000件だったものを3700件にし、今後徐々に伸ばしていくと言う。

 建物は、フェラーリ/マセラティ整備棟、ベントレー/ロールス・ロイス整備棟、そしてショールーム/ウェイティングルーム棟の3棟で構成されている。このような構成を採ったことに関して、南港プロジェクト(コーンズ大阪サービスセンターの開設プロジェクト)を担当したマネジメント室の佐伯稔氏は、「コーンズは独自性を持った4つのブランドを持っている。3棟に加え曲線を描いたR(アール)壁の4つが交差点から見え、3棟がR壁から突き出すパワー感を出したかった。また、若干風水的な要素に配慮し、R壁の中心方向に大阪城が来るようにした。大阪は豊臣秀吉によって繁栄した土地なので、そのことを意識している」と、3棟にR壁を加えた4つの建築物に込めた意図を語った。

 R壁に関しては、3つの棟が突き出している部分に切れ込みが入っているが、その切れ込みの部分も斜めにすることで、自動車ディーラーらしく動きをイメージさせ、さらにその一部にアートフレームのように車を見せる場所を設けたと言う。実際、交差点からコーンズ大阪サービスセンターを見上げると、「CORNES」のロゴの下に車が見え、特別な空間であることを感じる。

スケッチブックを使い南港プロジェクトについて説明を行った、コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド理事 マネジメント室スペシャリストの佐伯稔氏南港プロジェクトのシンボルマーク。左の長方形がベントレー/ロールス・ロイス整備棟、中央下の長方形がフェラーリ/マセラティ整備棟。その間に位置するのがショールーム/ウェイティングルーム棟になるコーンズ大阪サービスセンターのイメージスケッチ。シンボルマークと相似形になっている
5mとは、交差点との高低差が5mであることを示す。R壁の高さが9mあり、交差点からはおよそ4階建ての建物と同様の高さに見える。交差点から見たときに印象的なものとなるようにデザインされたフェラーリ、マセラティ、ベントレー、ロールス・ロイスの4つのブランドが、コーンズのサービスによって融合すると言う。最後に?が書かれているのは、それぞれのブランドは独立していることを表すコーンズ大阪サービスセンターは軸を意識してデザインされている。建物としての軸、お客様の導線としての軸、風水的な軸が盛り込まれていると言う
ベントレー/ロールス・ロイス整備棟の軸と、フェラーリ/マセラティ整備棟の軸は直交しており、R壁の弧の中心は大阪城を向いているビックリマーク(エクスクラメーションマーク)は、ワクワク感、ドキドキ感を示す。コーンズの扱う車は、いずれもこのワクワク感、ドキドキ感を持っており、大阪サービスセンターも同様であるとする建物には非対称性を盛り込んであると言う。R壁にある切れ込みも単純な長方形ではなく、動きを持たせ、ダイナミズムが感じられるようにしたと語る
R壁に入れられた、アートフレーム状の切れ込み。交差点から眺めると、展示車がフレームに収まっているように見える

 フェラーリ/マセラティ整備棟、ベントレー/ロールス・ロイス整備棟の内部は、いずれも白を基調にしており清潔な整備空間を実現している。整備に関しては、フェラーリ/マセラティ、ベントレー/ロールス・ロイスは受付から分かれており、それぞれ専属のスタッフが対応してくれる。

南側にあるフェラーリ/マセラティ整備棟へと向かうスロープ。このスロープを徐々に上っていくことでシームレスに空間が切り替わるように意識したと言うショールーム/ウェイティングルーム棟にある、フェラーリやマセラティの整備受付。フェラーリ/マセラティ整備棟の向かい側に位置するフェラーリ/マセラティ整備棟入口付近にあるホイールアライメントを計測用の特別な作業ベイ。F1のピットを模した特別な照明が用いられ、壁にはフェラーリF1の実寸大写真が掲示されている
最新式のホイールアライメント計測器。2.4GHzの無線によって計測を行うフェラーリ/マセラティ整備棟内。排気が整備棟内に広がらないような工夫がされている
フェラーリ/マセラティの整備スタッフのツナギ(作業服)も専用のものが用いられているフェラーリ/マセラティ整備棟内にあるカープール。ここには作業ベイが設けられていないが、将来作業台数が増えた場合、作業ベイを増設できる設計が施されているとのことフェラーリ/マセラティ整備棟への入口に設けられたシャッターには、両社のレーシングマシンが描かれていた
西側はベントレー/ロールス・ロイス整備棟への入口ベントレー/ロールス・ロイスの受付。フェラーリ/マセラティとはいすが異なっているベントレー/ロールス・ロイス整備棟内部。こちらも白を基調にしたカラーリング
ベントレー/ロールス・ロイスの整備スタッフ。イギリスのナショナルカラーであるブリティッシュグリーンが配色されたツナギこちらはベントレー/ロールス・ロイス整備棟のシャッター。整備棟それぞれがこだわりを持って作られている

 問い合わせ電話番号については、フェラーリ、マセラティ、ベントレー、ロールス・ロイスそれぞれに異なっており、以下のショールーム概要を参照してほしい。なお、7月3日~8月31日まで、オープン記念の「New Osaka Service Center Opening Campaign」が開催される。コーンズ大阪サービスセンターは、阪神高速湾岸線南港北IC(インターチェンジ)から近く、大阪からはもちろん神戸からのアクセスも便利だ。フェラーリ、マセラティ、ベントレー、ロールス・ロイスのユーザーはもちろん、ショールーム機能も持つサービスセンターなので、近くに行った際には立ち寄ってみてほしい。

コーンズ大阪サービスセンター
住所:〒559-0031 大阪府大阪市住之江区南港東9-4-60
TEL:
06-4703-8501(ベントレー)
06-4703-8502(フェラーリ)
06-4703-8505(マセラティ)
06-4703-8506(ロールス・ロイス)
06-4703-8508(ショールーム)
営業時間:10時~19時(月~金)、10時~18時(土)、日祝は休業

 

(編集部:谷川 潔)
2009年 7月 3日