アウディ、“ザ・オープン・ビューティー”「A5カブリオレ」発売
美しさと実用性を兼ね備えたオープン4シーター

2009年8月25日発売
784万円



 アウディ ジャパンは「A5 カブリオレ」を8月25日に発売する。価格は784万円。

 2ドアクーペ「A5」のハードトップをソフトトップとしたもの。しっかしりた幌と実用的なトランクルームを備えた機能的なオープンカーという位置づけだが、さらに、近年のアウディのデザイン文法どおり、スポーティーかつエレガントなスタイルを兼ね備える。

LEDのウィングライト。下部のフォグランプの内側にあるドームは、オプションのアダプティブ・クルーズコントロール用のレーダー左右1本ずつの2本出しエグゾーストパイプ
専用の15本スポーク18インチホイールターンシグナルランプはドアミラー内蔵。ドアミラーはランプを境に上下で塗り分けているリアシートヘッドレスト後方にポップアップ式のロールバーを備える
A5 カブリオレに乗るアウディ ジャパンのドミニク・ベッシュ社長。シルバーに塗られたフロントウインドーのフレームと、ドア上端からリアをぐるっと回るオープニングラインを縁取るクロームが、カブリオレらしさを強調している

 同社がリトラクタブルハードトップではなく、ソフトトップを選んだ理由は3つ。1つ目はスタイリングで、ハードトップでは折りたたみの都合上、理想的なルーフラインが作れないと言う。2つ目はハードトップよりも軽量であること。これにより車の重心を下げ、運動性能をよくできる。

 3つ目は小さくたたんで収納できること。この種の車はトランクの一部にトップを格納するため、トランク容量が犠牲になりがちだが、A5 カブリオレではクローズド時(幌展開時)に380L、オープン時(幌格納時)でも320Lの容量を確保している。さらにリアシートは4:6の分割可倒式トランクスルー機能を備えており、長尺物の運搬に対応できる。

 ソフトトップには厚さ約1.4mm、重さ1260g/m2のクロスを使用。さらにトップに厚さ12~15mmのポリウレタンフォームを挟み込むことで、耐候性はもとより遮音性を持たせている。トップの開閉機構は電動で、車速50km/h以下で動作する。開閉に要する時間は開くのが15秒、閉じるのが17秒。ソフトトップの色はレッド、ブルー、ブラウン、ブラックの4色が用意され、8つのボディーカラーと組み合わせることができる。

 横転時の安全性確保のために、リアシート背後にポップアップ式のロールバーを備える。ロールバーは横転から0.25秒以内に動作する。シートには赤外線反射ミラノレザーを新たに採用し、炎天時での快適性を高めている。

デザインなどの理由でソフトトップを採用厚手のクロスとインナーフォームで居住性を改善ロールオーバーバーを備える
ソフトトップのクローズ
クローズ時の車内。天井にはルームランプも備わるリアウインドーは当然のごとく熱線入りガラス
クローズド時のトランクルームオープン時のトランクルーム。上部のスペースに幌が入る。写真ではシートを倒してトランクスルーにしてあるトランクルーム手前のレバーでシートが倒れる

 パワートレーンはA5とほぼ共通だが、用意されるパワーユニットは3.2リッターのV型6気筒DOHC直噴ガソリンエンジンのみ。最高出力は195kw(265PS)/6500rpm、最大トルクは330Nm(33.7kgm)/3000-5000rpm。10・15モード燃費は9.5km/L。

 エンジンはフロントオーバーハングに縦置きにされ、7速デュアルクラッチAT「Sトロニック」とトルセンデフを介して4輪を駆動する。前後駆動力配分は通常は4:6で、状況により2:8~6:4の範囲で変化する。

 なお現在は申請中だが、発売までには2010年度燃費基準をクリアし、エコカーへの買い替え補助の対象となる見込み。

ウッドとレザーのインテリア。シートは赤外線反射レザー
乗車するとシートベルトフィーダーが前方に伸びてくるリアシートは2人がけ
インストゥルメントパネルなどはA5と同じカップホルダー脇のスイッチがルーフ開閉スイッチと、全ウィンドーの開閉スイッチエンジン
7月13日に発表会を開催。ベッシュ社長の上半期レポートはこれまでどおり、「プレミアム輸入車市場の環境は厳しいが、アウディは落ち込みを最小限にとどめ、その結果市場シェアを広げており、過去最高の販売台数をめざすことも変わらない」というもの。ただし今回は、「6月の販売台数は前年同月を上回り、6月単月としては過去最高」というアップデートがあった。また、A5 カブリオレが加われば、輸入車で最多の20モデルがエコカー買換補助対象となることもアピール
アウディ ジャパンの商品企画部の青木徹部長がA5 カブリオレを説明日本に導入されたA4ベースのカブリオレとしては4代目A5のエモーショナルなモデルという位置づけ。「ショールームにこういう車が1台あるのとないのとでは、ブランドの見え方がだいぶ違う」(青木部長)
A5 カブリオレの新機構実用的なトランク容量アウディ エクスクルーシブで、より多彩なカスタマイズができる
エンジンはV6 3.2L。2Lターボは輸入されないトランスミッションは7速Sトロニックフルタイム4WD
A5カブリオレのご先祖様、1936年のAudi Front 225 Luxus Cabrioletと
 A5カブリオレA5 3.2 FSI quattro
全長[mm]4625
全幅[mm]1855
全高[mm]13851375
ホイールベース[mm]2750
車両重量[kg]19301670
トランク容量[L]320~380455

(編集部:田中真一郎)
2009年 7月 13日