レクサス、「HS250h」の発表会を開催
「ワクワク感と環境の調和、日本の道路にあったサイズがこの車」と豊田社長

レクサス「HS250h」とレクサスアンバサダーの2人

2009年7月14日発表



会場に置かれたHS250hの上には巨大な地球「Geo-Cosmos」がある

 レクサスは7月14日、レクサスブランド初となるハイブリッド専用モデル「HS250h」の発表会を日本科学未来館で開催した。同館のシンボルであるGeo-Cosmos(直径約6.5mの巨大な地球)の下に、HS250hを展示した会場で、社長に就任して初の新車発表の舞台となる豊田章男氏らが登壇した。

 発表会は、レクサスアンバサダーを務める知花くららさんと森理世さんの進行で進められた。ステージに設けられたモニターに流されたプロモーションビデオでは、「HARMONIOUS WITH THE EARTH」「HARMONIOUS WITH PEOPLE」「HARMONIOUS WITH PREMIUM」というキーワードが展開された。HSという車名はハーモニアス セダンの略とのことで、ハーモニアスとは、この車の環境性能がもたらす地球との調和を表すとともに、HS250hが目指す人、そして上質との調和を表していると言う。

レクサスアンバサダーの森理世さん(左)と知花くららさん(右)HS250hを紹介するビデオでは「HARMONIOUS WITH THE EARTH」「HARMONIOUS WITH PEOPLE」「HARMONIOUS WITH PREMIUM」というキーワードが展開コンパクトなボディーだが、室内空間にはゆとりを持たせている

 続いて、6月23日に就任したばかりのトヨタ自動車代表取締役社長 豊田章男氏、専務 古谷俊男氏、HS250hの開発責任者を務める古場博之氏が登壇した。

豊田章男社長

 アンバサダーに、HS250hに対する思いについて聞かれた豊田氏は「私は車が大好きで、ハンドルも握ります。そんなドライバーとしての立場から、この車への思いを2つ申し上げたい。まず1つはこの車がハイブリッド専用車だということ。やはり車が好きだと運転しているときのワクワク感というのはもちろん大切だと思う。それでもこれから先はやはり環境との調和が大切。今日はこのような大きな地球の下でこの車をデビューさせていただいたことを本当にありがたく思う。そんな環境とワクワク感の調和が1つ目。そしてもう1つがサイズ。グローバリゼーションの名のもと、ちょっとサイズが大きくなってきたと思う。私自身、車は道が作るというのを信念として思い、世界中のいろいろな道を走ってきた。その中で日本の道にあったサイズというものを、チーフエンジニアはじめ、社員に聞いて考えてもらった。そんなサイズ感、そんな重さというのがこの車だと思う」と述べた。

古谷俊男専務

 続いて古谷氏が販売面についての説明を行った。古谷氏は「この車は環境性能はもちろん、居住性やトランクルームの広さ、乗り心地、使い勝手のよさなどをお客様のニーズにあわせていて、新しい小さな高級車としてみなさまに使っていただけるのではないかと思っている。とくにお値段という部分で言えば、できるだけ多くのお客様に乗っていただきたいということで、思い切って395万円からにしているし、今は優遇税制で最大30万円、補助金で最大25万円の補助もある」と述べた。

 販売台数については、「月販500台を目標と考えているが、税制や補助金といったフォローの風が吹いているし、またトヨタ『プリウス』やホンダさんの『インサイト』が巻き起こしたハイブリッドブームというかなり大きなフォローの風も吹いている。すでに今日の発表前に3000台を上回る予約を受けている。1月に発売したRXも、現時点では大半がハイブリッドになっておりますし、レクサス全体で見てもハイブリッドの車が半分以上を占めている」と述べた。

古場博之氏

 またレクサスの新しいサービスとして、エコドライブを寄付につなげる「ハーモニアスドライビングナビゲーター」について、古場氏が説明した。

 古場氏は「このサービスはドライバーがエコ運転を楽しみながら継続できるようにするというもので、そのエコ運転を社会貢献活動にまで寄与できるようにする新しいサービス」だと述べた。「具体的にはメーター内にあるECOインジケーターランプの点灯時間、ハイブリッドシステムインジケーターのECOゾーンでの走行、ECOモードスイッチを押しているかどうかをデータベースに記録していくもの。ドライバーががんばってECO運転していくと、ステータスがブロンズからシルバー、ゴールドとステップアップしていく。またほかのドライバーと比較できる機能が付いていたり、エコドライブをするためのガイドなどがあったりする。さらにエコ運転を続けていくとポイントが貯まっていき、貯まったポイントは、日本ユネスコ協会連盟が行う『プロジェクト未来遺産』の市民活動の中から寄付先を選択して、利用できる」と説明をした。

 さらにHS250hの開発主査としての思いを聞かれると「車というのは本当にさまざまな性能を求められると思いますが、やはり乗ってワクワクするということが一番大事だと思う。今回のHS250hの開発では、レクサスの走りの信条である“安心して速く走る”というのがあるが、これをとことん突き詰めて開発したので、結果として乗ってすごく楽しい車ができたと思う」と述べた。

 最後に豊田氏が「さきほどワクワクする体験という話が出たが、乗ってみたいなと思う“先味”、乗ってて楽しいなと思う“中味”、また乗りたいなと思う“後味”、そんな味を探している。そんな味ができあがったとは言わないが、かなりがんばってくれたと思う。このサイズもしかり、セダンという車を本当に未来志向の車に味付けしてくれたと思う。そういう意味では是非皆様に触っていただきたいし、乗っていただきたい。そして辛口も含めていろいろコメントをいただきたいと思う。一生懸命これからも車作りをしていく。そういった意味では皆さんと一緒に味作りをしていきたいと思いますので、これからもこの車同様よろしくお願いしたい」と締めくくった。

会場に置かれたHS250h圧縮比よりも膨張比が大きく、熱効率のよいアトキンソンサイクルエンジンと、モーターを組み合わせたハイブリッドシステム
インパネメーター。左側のメーターは燃料計と、バッテリーが回生しているのかアシストしているのかを表すメーターが付く。ステアリングコラムの上にあるのはドライバーモニターカメラで、ドライバーの居眠りやよそ見を警告するステアリングにはオーディオの操作やハンズフリー操作などの各種スイッチが付く
センターパネルにはカーナビやオーディオが装着される。カーナビやオーディオ、エアコンなどの操作をマウスのように操作できる「リモートタッチ(写真右)」が採用される
シフトレバー。急な下り坂などでエンジンブレーキを効かせたい場合は「B」を選ぶステアリングコラムの右側にミラーやHUD(ヘッドアップディスプレイ)の操作スイッチが並ぶグローブボックスの中にETC車載器が埋め込まれる
シートや内装の色と素材の組み合わせは、全10パターンから選択できる8Way電動パワーシートは運転席、助手席ともに標準装備前席シートバックがえぐられた形状になっており、後席も余裕のある広さを確保
後席のアームレストにはドリンクホルダーも装備電動のリアウインドーサンシェードも用意されるLEDイルミネーション付きのスカッフプレート
水平方向に190度の視野角を持つワイドビューフロントモニター用カメラトランクの内張り表皮などに、植物由来のエコプラスチックを採用ボディーサイドに「HYBRID」のエンブレムが付く
屋外に展示されていたHS250hレクサスのハイブリッド車が並ぶ
GS450hLS600hRX450h

(瀬戸 学)
2009年 7月 15日