首都高、2010年3月開通の大橋JCTで一般見学会
近隣住民向けに公開

一般見学会の行われた大橋JCT

2009年8月8日、9日開催



 首都高速道路は、東京都目黒区に建設中の大橋JCT(ジャンクション)の一般見学会を8月8日、9日に開催した。この見学会は2010年3月に開通する大橋JCTの現状を近隣住民向けに公開するもので、希望者1000名の内、抽選で500名を両日に渡って招待した。

 公開内容は、大橋JCTのループ部。7月30日にCar Watchで記事にしたものと同様、大橋JCTの建設概要や、首都高では初めて行われる「色」による走行支援対策の説明が主だったもの。重複する部分が多いため、報道陣向け公開と異なっていた部分についてお届けする。

 取材日は、一般見学会の1日目となる8月8日。土曜、日曜と開催されたわけだが、申し込みは土曜日のほうが多かったとのこと。参加者は、初めに首都高の担当者から大橋JCTの建設ビデオの説明を受ける。大橋JCTの構造や、シールドマシンの説明、大橋JCTの開通による効果などを解説したビデオ映像が流れていた。

 ビデオ説明を一通り見たところで見学開始。一般公開されたのは、ループ部の2層目にあたる首都高3号渋谷線から大橋JCTへと向かう部分。この部分に色による走行支援対策のテスト舗装が行われており、走行支援対策の説明、壁面に取り付けられた消火設備の解説などが行われていた。そのほか、首都高の車両を持ち込み、山手トンネル開通に伴って導入された首都高バイク隊の車両展示やライダーの装備についての紹介も行われていた。

見学に先立って、大橋JCTの建設ビデオを見る。見学にあたっての説明もこの段階で行われた。安全のため見学者は全員ヘルメットを着用大橋JCTのループを歩く。初めて見る景色に驚いていた参加者が多かったループ部の壁面に投影しての概要説明
色による走行支援対策のテスト塗装。赤色は確定しているが、青の色が決まっておらず、3パターンそれぞれ色が違う。担当者によると、真ん中のパターンがハッキリ見えるため、有力だと言う。なお、この塗装は手前から奥に向かって進む(大橋JCTから3号渋谷線に向かう)塗装をテスト的にループ部の2層目に塗ったもの。そのため、完成時の進行方向とは逆になっている
大橋JCTの路線模型も置かれていた。左は東名高速方向から見たもの、右は都心環状線方向から見たものループ部では、首都高が使用する車両の展示も行われていた
山手トンネル開通にともなって導入された首都高バイク隊の車両
首都高バイク隊員の制服も紹介されていた首都高バイク隊員は安全のため、エアバッグタイプのベストを着用している。エアバックを展開するデモも行われていた。車とは違い、右胸のエアカートリッジを交換することで再使用できる
ループ部の壁面に設置されている消火設備の解説。実際に消火設備のパネルを開け、中から消火ホースを取り出しての展示
大橋JCTでは、ループ部の内側に大橋換気所が設置され、排気ガスの浄化と、ループ部への送気を行う。赤い部分が排気ライン、青い部分が送気ライン。両脇が4層構造のループ部となる換気の騒音を低減する消音装置。110120dB6070dBに低減。JCT周辺では4050dB程度になると言う
大橋JCTのドライブシミュレーターも2台設置。子供たちがゲーム感覚で楽しんでいた

 一般見学会に訪れた参加者は子供連れが多く、巨大建造物である大橋JCTに対し「大きい」「すごーい」との素直な言葉や、「ここが完成したら2度と歩けないんですよね」といった感想が聞かれた。

 ループ部内部見学後は、大橋JCTの屋上に上がり、屋上から見える景色を確認。とくに首都高3号線が見える部分で「あっちが渋谷」「こっちが東名」など、大橋JCTの接続を確認している参加者が多かった。

 大橋JCTは2010年3月の開通に向けてこれから仕上げの工事に入っていくが、10号晴海線豊洲出入口や神奈川1号横羽線の大師出入口の開通と同様、開通前の一般公開イベントが行われる可能性がある。大橋JCTに興味のある人は、首都高のWebページをまめにチェックしてみてほしい。

大橋JCTの屋上から3号渋谷線方向を見たパノラマ写真。左が東名高速方向、右が都心環状線方向になる

 

(編集部:谷川 潔)
2009年 8月 10日