自工会、エコカー減税対象車の販売実績を公表
オートックワン調べでは、新車見積りシェアが100%減税対象車種へ大きくシフト

2009年8月20日発表



 「環境性能に優れた自動車に対する自動車重量税・自動車取得税の特例措置」、いわゆるエコカー減税が4月1日より施行されているが、日本自動車工業会(自工会)は4月から7月までの減税対象車の販売台数を8月20日に発表した。台数の詳細は以下のとおり。


販売月登録車・軽自動車 販売台数総販売比重量車 販売台数総販売比
100%減税対象車  4月1万5252台5.7%32台0.5%
5月2万1031台7.7%56台1.1%
6月3万4395台9.6%115台1.5%
7月4万2966台10.5%217台2.8%
累計11万3644台8.7%420台1.6%
75%減税対象車 4月4万7497台17.8%0台0.0%
5月5万9331台21.6%0台0.0%
6月8万9376台25.1%0台0.0%
7月11万1292台27.1%0台0.0%
累計30万7496台23.5%0台0.0%
50%減税対象車 4月5万974台19.1%2065台33.8%
5月5万4239台19.7%1790台34.1%
6月7万622台19.8%2769台37.2%
7月7万6143台18.6%3340台42.8%
累計25万1978台19.3%9964台37.5%
合計4月11万3723台42.5%2097台34.3%
5月13万4601台49.0%1846台35.2%
6月19万4393台54.5%2884台38.8%
7月23万401台56.2%3557台45.6%
1合計67万3118台51.4%1万384台39.



販売月登録車・軽自動車重量車
総販売台数4月26万7299台6117台
5月27万4782台5243台
6月35万6619台7434台
7月40万9968台7798台
累計130万8668台2万6592台

 これによれば、減税対象車の中では、75%減税対象車が最も多く売れており、次いで50%減税対象車の販売台数が伸びている。100%減税対象車は、いわゆるハイブリッド車のみで車種が少ないこともあり、4月~7月の累計では、50%減税対象車の半分以下の販売台数となっている。

 また、車両の総販売台数を見ても4月以降順調に販売台数が伸びているが、それを上回る比率で減税対象車の販売台数が伸びており、減税対象車の販売台数の増加が、全体の販売台数の増加を誘引していることが伺える。

 一方、インターネット自動車販売仲介サービス会社のオートックワンによる同社新車見積サービス利用動向では、4月~6月の新車見積もりシェアは、昨年の同時期と比べ、100%減税対象車が14.1ポイントアップの18.6%、75%減税対象車が0.7ポイントアップの33.1%、50%減税対象車が0.8ポイントダウンの18.2%、非対象車が13.6ポイントダウンの30.1%と、100%減税車が大きく見積もりシェアを伸ばし、代わりに非対象車が下がっている。

 車種別の見積もりシェアを見てみると、以下の様なランクになっており、やはり100%減税のトヨタ「プリウス」、ホンダ「インサイト」が大きく人気を延ばしている。次いでホンダの「フィット」「フリード」、トヨタ「ウィッシュ」が続く。この中ではウィッシュだけが50%減税対象車で、フィットとフリードは75%減税対象車(フィットは一部グレード除く)。ウィッシュは2009年4月にフルモデルチェンジした影響も大きいだろう。

順位メーカー車種2009年4~6月シェア前年同期シェア
1トヨタ プリウス9.6%3.7%
2ホンダ インサイト5.8%0.0%
3ホンダ フィット4.8%4.6%
4ホンダ フリード3.2%2.3%
5トヨタ ウィッシュ3.2%1.1%
6スズキ ワゴンR2.7%1.6%
7ダイハツ タント2.1%2.6%
8トヨタ ヴォクシー1.6%1.6%
9トヨタ ノア1.4%1.4%
10ダイハツ ムーヴ1.4%1.4%
11トヨタ ヴィッツ1.4%1.5%
12トヨタ ヴェルファイア1.3%1.5%
13日産 セレナ1.3%1.4%
14トヨタ アルファード1.3%3.4%
15マツダ デミオ1.1%1.4%
16ホンダ オデッセイ1.1%0.7%
17トヨタ エスティマ1.0%2.2%
18トヨタ パッソ1.0%0.8%
19スズキ アルトラパン1.0%0.4%
20スズキ スイフト1.0%0.9%

 また、エコカー減税対象車が少ない輸入車に関しては、昨年の同時期と比べ、見積もりシェアで1ポイント下げた9.1%にとどまっており、輸入車購買層には、エコカー減税による影響は少なかったようだ。

(瀬戸 学)
2009年 8月 20日