国交省、東京港臨海大橋の架設作業
2011年の開通へ向け、6000tの下部トラス桁を設置

2011年の開通へ向け作業の進む東京港臨海大橋

2011年開通予定



 国土交通省関東地方整備局東京港湾事務所は9月28日、報道陣向けに東京港臨海大橋(仮)の下部トラス桁設置作業を公開した。

 東京港臨海大橋は、2011年の開通を目指して建設中の東京港臨海道路の一部で、東京都江東区若洲と同じく江東区にある中央防波堤を結ぶ往復4車線の橋梁(道路部は往復6車線)。完成時の全長は2933m。海上をまたぐ長さは1618mと、神奈川県横浜市にある横浜ベイブリッジの海上区間960mと比べ約2倍となる。

 公開されたのは、臨海大橋の下部トラス桁の設置作業で、6000tのトラス桁を若洲側に設置するもの。4100t吊級クレーン1台と、3700t吊級クレーン2台の計3台のクレーンを用いてトラス桁が設置された。若洲側の設置個所は江東区立若洲公園の海釣り施設のすぐ脇になり、海釣り施設から設置された橋梁を見ることができる。

東京高臨海大橋の完成イメージ今回公開されたのは、写真の右の赤丸の部分。右端が若洲側になる設置中の下部トラス桁を中央防波堤側から望む
同じく設置中の下部トラス桁を若洲側から望む。奥に見える下部トラス桁は中央防波堤側のもので、すでに設置ずみ6000tのトラス桁。3台のクレーンで吊り上げている
あらかじめ設けられた橋脚にトラス桁を徐々に近づけていく。左右に伸びるコンクリートの防波堤が、若洲公園の海釣り施設手前の橋脚の接続部奥の橋脚の接続部。人の大きさと比べるとその巨大さが分かる。トラス桁の接続部に黒く見えるのは、免震ゴム。水平方向と鉛直方向の2方向の力を別々に免震する「機能分離すべり型免震支承」
下部トラス桁を中央防波堤側から望む。橋には往復4車線の道路が設けられ、陸側(写真では左側)に、人道が1レーン設けられる下部トラス桁を海側から見る。右が若洲側になる。右が4100t吊りクレーンで、中央と左の2台が3700t吊りクレーンすでに設置ずみの中央防波堤側下部トラス桁
中央防波堤側下部トラス桁を下から見る。橋梁用高性能鋼材(BHS鋼材)を使用しており、コストの低減を図っていると言う。ボルトによる締結部分も少なめ
東京港臨海大橋のパノラマ写真。海側からの撮影で、右が若洲、左が中央防波堤側となる(クリックすると4377×600ピクセルの画像が開きます)

 この橋が完成することで、東京都大田区の城南島と若洲間の交通が改善され、湾岸道路で起きている混雑の解消につながるとしている。また、東京都ではその経済効果を年間300億円程度と試算している。

(編集部:谷川 潔)
2009年 9月 28日