メガネの国際総合展「IOFT2009」リポート
ドライブに必須のサングラスをピックアップ

東京ビッグサイトで開催中の「IOFT2009」

2009年10月27日~29日(業界関係者のみ)
東京ビッグサイト



 10月27日~29日まで、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)において、「第22回メガネの国際総合展(IOFT2009:International Optical Tokyo 2009)」が開催されている。IOFTは日本医用光学機器工業会/福井県眼鏡協会/リード エグジビション ジャパンが主催し、メガネの販売店などに向けた業者向け展示会。

 メガネは本来、視力矯正をするためのものだが、アイウェアという言葉とともに、ファッションアイテムとしての側面も持つ。本記事ではドライブの必須アイテムとも言える、サングラス関連の製品をピックアップしてお届けする。

 ローデンストック ジャパンは、130年の歴史を誇る独ローデンストック製品のほか、ポルシェデザインのメガネを国内で販売している。サングラス製品も多数ラインアップされていたが、IOFT2009でのトピックはポルシェデザインの復刻モデル「P'8479」とのこと。P'8479は、1979年に発売したサングラスで、“Yoko Ono”モデルの復刻版。そのほか、折りたたみ可能な「フレームフォールダブル」形式のサングラスなどが出展されていた。

復刻モデルのP'8479。小野ヨーコ氏が愛用していたサングラスと同型状のもの「P'8480」。フレームフォールダブルタイプのサングラスで左のように折りたためる「P'8481」。同じく折りたたみタイプのサングラス。折りたたんだ際にはレンズ部が平らになる
「P'8165」。サイドフレーム(テンプル)が複雑な3次曲面を描くなど、スポーツカーのポルシェからインスパイアされたフレームデザインを持つポルシェデザインの各種サングラス。定番であるティアドロップ(涙滴)タイプなど、多数展示されていた
こちらは、ローデンストックのラインアップ。男性用(写真左)はシンプルなフレーム、女性用(写真右)はより特徴的なフレームを持つ「R1316」。ローデンストックのサングラスは、レンズに同社製のものが用いられている。ただし、度付き(視度矯正)レンズに関しては、各メガネ店での対応となり、ローデンストック製のレンズを選択できないとのこと

 三工光学は、同社のブランド「ドゥアン」から、フレームに積層タイプのコンポジットカーボンを使ったメガネ「DUN-69」を展示していた。このDUN-69には、通常のメガネタイプとサングラスタイプが用意され、その特徴は本物のカーボンならではの軽さとかけ心地。担当者によると、チタンタイプのフレームを用いたものの半分ほどの重さになり、フレーム部分もカーボン柄を活かしたものにしているとのこと。

コンポジットカーボンをフレームに用いたDUN-69。左がサングラスタイプで、右が通常タイプDUN-69のサイド部。カーボンの柄をそのままデザインに用いている

 SWANSブランドで、スポーツ用のアイウェアを多数ラインアップしていたのが山本光学。プロゴルファーの石川遼選手や、諸見里しのぶ選手が使用しているのをテレビなどで見かけた人もいるだろう。その山本光学が力を入れるのは、度付きに対応したアイウェア。

 これまでスポーツ用のアイウェアで度付き対応を選択しようと思った場合、インナーレンズを用いるものがほとんどだった。新製品のSWFでは、度付きレンズをそのまま選択可能になったのが特徴で、これは視力のよくない人でも激しいスポーツをしたいという要望が多数上がっていたためだと言う。インナーレンズを廃したことで、総重量も軽くできたほか、サイドフレーム部に特殊なサスペンション構造を持たすことで、柔らかいかけ心地を実現している。

山本光学のSWFシリーズ。インナーレンズを用いることなく、度付きで使用できる
サイドフレーム部には特殊なサスペンション構造を持つ。
新製品のSVS。サングラスではないが、サッカーなどスポーツ好きの子供を中心に需要が増えていると言うアイガード製品。ラバー素材のパッドで、衝撃を吸収する。レンズもインナーレンズを用いることなく度付き対応可能

 増永眼鏡のブースでは、ラリーでも活躍する哀川翔氏プロデュースによるメガネを各種展示。展示されていたのは、サングラスラインの“勇”、リラックスラインの“仁”、ビジネスラインの“智”でデザインポリシーを表した各種製品で、哀川氏のイニシャルである“A”のロゴがフレームデザインのワンポイントとして用いられている。

 そのほか、増永眼鏡では、ドライアイを防ぐための「ウインクグラス」も展示。ウインクグラスは、メガネのフレームに取り付けて使用し、約5秒間まばたきをしないとシートが曇ることでドライアイを警告。電源は電池タイプのほか、USB電源を用いることもできる。

増永眼鏡のブースでは、哀川翔氏プロデュースによるメガネの展示コーナーが設けられていた“勇”というポリシーで表現された各種サングラス。左手前の跳ね上げタイプは、主にフィッシング向けとのこと。ドライビングには右のチタンフレームのサングラスが向くと言うフレームに弾力性を持つβチタンを用いたサングラス
増永眼鏡のウインクグラス。メガネのフレームに取り付けて使用し、ドライアイを警告するウインクグラスの使用例。左が通常時で、右が警告時。液晶シートを曇らす(液晶の配列を変える)ことで、まばたきがないことを知らせる

 会場では、そのほか各種サングラスやメガネが展示されていた。IOFTは業者向けの展示会になり、この展示会での受注後、各種製品が市場に供給されていくことになる。本記事で紹介した製品の発売も、多くは今秋から来春にかけてとなっており、いずれ店頭で見かけることになるだろう。

アイメーターで計測し、個人個人にあったフルオーダーでのメガネ製作が特徴のアイメトリクス。そのアイメトリクスは、「ALG-6(アルゴ・シックス)」という6カーブレンズを用いたサングラスの新製品を展示していた。6カーブはレンズの曲率で数字が大きいほど高い曲率を持つAXEブランドで、スポーツ用アイウェアやウインタースポーツ用のゴーグルを発売するアックスは、度付きの薄型インナーレンズを使用可能な「AS-200OP」を展示。従来製品に比べ軽量化できる
シャルマンが展示していた、フレームに極細のエクセレンスチタンを用いているメガネ。左が女性用の「ラインアート」、右が男性用の「メンズマーク」。微細なレーザー加工で仕上げられ、形状記憶性も持つ。サングラスとして使用する際にもその独特の軽さとかけ心地で、疲労も少ないだろう

(編集部:谷川 潔)
2009年 10月 27日