低燃費タイヤ体験イベント「みんなのエコドライブ祭り」リポート

イオンレイクタウンで開催されたみんなのエコドライブ祭り

2009年11月21日開催



 経済産業省 資源エネルギー庁による低燃費タイヤ体験イベント「みんなのエコドライブ祭り」が11月21日、埼玉県越谷市のイオンレイクタウンで開催された。みんなのエコドライブ祭りは、経済産業省や国土交通省が定めた11月のエコドライブ推進月間にあわせて開催されたもので、今後全国6カ所で順次開催されていく予定だ。

 初回となるイオンレイクタウンでは、moriエリアH駐車場の一部を使って開催。一部とはいえ、22万4000m2の敷地面積を誇る大規模ショッピングセンターだけに、試走コースが2面ほど設けられていた。

 “エコタイヤ”とも呼ばれる低転がり抵抗値の低燃費タイヤの理解を促進するためのイベントとあって、そのプログラムは一部ウェット路面を伴うコースでの同乗試乗である「ウェット性能体験」、空気圧の違いによる燃費の違いを試乗して理解する「低内圧タイヤ比較体験」、電気自動車やハイブリッドカーを試乗できる「エコドライブ公道試乗」などが用意されていた。

資源エネルギー庁が主催し、日本自動車タイヤ協会などが協力する形で開催されたみんなのエコドライブ祭り。日本自動車タイヤ協会のブースでは、横浜ゴム、トーヨータイヤ(東洋ゴム工業)、ダンロップ、ミシュラン、ブリヂストンの低燃費タイヤが展示されていた日本自動車タイヤ協会のブースに掲示してあった、転がり抵抗に関する説明プレート。転がり抵抗の90%以上はタイヤ変形に起因するエネルギーロスとのこと低燃費タイヤの特徴でもある低転がり抵抗を実感する実験装置。写真は右に傾けたときのもので、手前のボールのほうが転がり抵抗が小さいため、よく転がっている

 AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)もこのイベントに全面協力しており、協会長である日下部保雄氏をはじめとして、多数の自動車ジャーナリストがプログラムにあわせてエコドライブに関する説明などを行っていた。

ウェット性能体験
 ウェット性能体験は、駐車場内に設けられた特設コースを、低燃費タイヤ装着車で体験するというもの。低燃費タイヤというと、転がり抵抗が小さく、燃費には優れるものの「もしかしてグリップしないのでは?」と思われている部分もある。そこで、実際にタイヤとしてどのくらいのグリップを発揮できるのか体感してもらおうというもの。

 実際の運転は、狭いエリアでの走行となるため、桂伸一氏、橋澤宏氏、斉藤聡氏、西村直人氏らプロのインストラクターが行い、助手席で体感することになる。

 用意された低燃費タイヤは、ミシュラン「ENERGY SAVER(エナジー セイバー」、ブリヂストン「ECOPIA(エコピア) EP100」、横浜ゴム「DNA Earth-1(アース ワン)」、ダンロップ「ENASAVE(エナセーブ) EC202」、東洋ゴム工業「ECO WALKER(エコ ウォーカー)」の5種類で、代表的なコンパクトカーに装着されていた。

 コースは、ドライ路面やウェット路面でのスラローム、雪道と同様の摩擦係数という路面やドライ路面での急制動。記者が体験した際には斉藤聡氏が運転を担当し、ENERGY SAVER装着車を使って、狭いコースながらも激しいドライビングを行ってくれた。

 ドライのスラローム、ウェットのスラロームとも、大きな横Gがかかりつつもスピンすることなく抜けていく。斉藤氏のドライビングテクニックに頼る部分も大きいと思うが、しっかりとした横Gを感じる。一方、雪道を模した路面やドライ路面の急制動では、体が前につんのめるほどの前後Gを感じた。記者ですらこれほど激しい前後左右にGがかかる走行はそれほど多く経験することがないため、高速道路や一般道をたまに走るというユーザーの場合、省燃費タイヤのグリップレベルに驚くことになるだろう。

レイクタウンの駐車場に作られた特設コース。右手前からスタートしてドライ路面のスラローム、折り返してウェット路面のスラロームと体験していくウェット路面は散水車を持ち込み、水をまいて形成
ウェット性能体験では、5種類の低燃費タイヤが体験できる。時間のある限り、何度でも同乗走行できた記者の回の走行車両はENERGY SAVER装着車。ドライバーはモータージャーナリストの斉藤聡氏。狭いコースで、見事なドライブを披露してくれた
ウェット路面スラローム。きちんとした横Gがかかりながらのスラロームをこなす車内から見た雪道と同等の摩擦係数を持つと言う路面。白いビニールマットに水がまかれている。ブレーキが踏まれると、ABSが動作しつつきっちり停止したドライ路面での単制動。狭いコースなので、およそ40~50km/hからの制動となっていたが、しっかりブレーキが効くことを体感してもらうのが主眼。マーチのリアサスの伸び具合から、制動具合が分かるだろうか

タイヤは空気圧がポイント
 ユーザー自身が運転できるイベントとして開催されていたのが、低内圧タイヤ比較体験。トヨタ自動車「ヴィッツ」、マツダ「デミオ」の2車種計4台を用意し、各車種ごとに、一方は規定空気圧に、もう一方は規定の半分程度の空気圧に設定し車両の乗り比べを行っていた。

 乗り比べは、最初は規定空気圧の「規定内圧車」で簡単なスラローム走行を行い、次に低空気圧の「低内圧車」で同様の走行をするというもの。走行時の燃費もテクトムの燃費計「燃費マネージャー FCM-2000」でチェックし、規定より低い空気圧が燃費にどのような影響を与えるのかを理解できるようになっていた。

 実際に運転したところ、低内圧車ではステアリングが重い状態となり、スラローム時の切り返しに抵抗を感じる。コースが狭いため低速での走行のみであったが、空気圧が半分になればその違いはハッキリと分かる。

 燃費も規定内圧車が7.68km/Lであったのに対し、低内圧車では6.98km/Lに低下。わずか5分程度の試乗であったにもかかわらず、約9%低下という結果になった。

低内圧タイヤ比較体験では、簡単なスラロームコースを走行このコーナーの担当はカーライフ・ジャーナリストの丸茂亜希子さん。タイヤの空気圧について、丁寧にレクチャーをしてくれた
規定空気圧の規定内圧車規定空気圧のおよそ半分ほどの空気圧となる低内圧車規定内圧車と低内圧車を交互に走行。特設スラロームコースを2周する
車内から見るとすぐ近くに柵があるなどコースは狭い。そのため、徐行運転に近い状態での走行となる。インストラクターは、石川真禧照氏規定内圧車の空気圧。4本のタイヤの空気圧が示されている規定内圧車のコース走行後の燃費。上段が今回の走行燃費となる
低内圧車の空気圧。およそ半分程度の空気圧となる低内圧車のコース走行後燃費。今回走行、累積走行とも燃費が悪化しているのが分かる

エコドライブのポイントレッスンや、トークショーなど
 エコドライブのポイントを公道試乗によって理解するエコドライブ公道試乗では、電気自動車の三菱自動車工業「i-MiEV」や、ハイブリッドカーのトヨタ「プリウス」、本田技研工業「インサイト」などを試乗車に用意。インストラクターとともに、イオンレイクタウンの外周を約3.9kmにわたって試乗することができる。

 記者の回では近田茂氏がインストラクターを担当。i-MiEVを試乗車として選んだのだが、シートへの座り方から、目線の持っていき方、アクセルやブレーキ操作について、エコドライブのポイントを教えてくれた。近田氏によると、エコドライブのポイントは、確実な操作から始まると言う。シートは確実にブレーキの操作のできる位置に、シートバックはステアリング操作の容易な(ステアリング上部に手の届く)シートバック角度に設定することから始まる。目線もなるべく遠くに持っていき、状況を広く把握して、アクセル操作を行っていくとよいと言う。先の信号が赤なら、アクセルを踏みすぎることもなく、燃料を(電気自動車なので電気を)有効に使うことができる訳だ。

 また、電気自動車やハイブリッドカーにはエネルギー回生装置が入っており、ブレーキを踏むことで運動エネルギーが電気エネルギーとしてバッテリーに回生される。そのため、そのような仕組みを知っておくこともエコドライブのポイントとのこと。

エコドライブ公道試乗では、電気自動車やハイブリッドカー、アイドリングストップ機構を持つマツダの「アクセラ」が試乗できるインストラクターはモータージャーナリストの近田茂氏。エコドライブにおいては、目線を遠くに持ち、交通状況を予測して運転することが大切だと言う

 そのほか、中央のステージでは、AJAJの会長である日下部保雄氏と丸茂亜希子さんによる「エコドライブトークショー」なども開かれていた。トークショーでは、転がり抵抗の低いタイヤが燃費によいことや、エコドライブのポイントについて語られていた。日下部氏は、多くの人が心配されている低燃費タイヤの性能(とくにグリップ面)については、試乗会も用意してあるので、ぜひその性能を体感していってほしいと述べていた。

中央ステージで行われたトークショー。エコドライブのポイントや低燃費タイヤの特性を、AJAJ会長の日下部保雄氏(中央)と丸茂亜希子さん(右)が語ったトークショーとは別の時間帯に、タイヤの空気圧チェック方法の解説が行われた。講師はトークショーの司会も行ったモータージャーナリストの竹岡圭さん空気圧チェック方法の解説とあわせて行われていたのが、前後輪4本のタイヤの中から空気圧の低いタイヤを当てるクイズ。正解者3名に5000円分の燃料代がチャージされた宇佐美UPカードがプレゼントされた
JAF(日本自動車連盟)は、子ども安全免許証コーナーを設置。安全運転に関する2問のクイズに正解するとゴールド子ども安全免許証がもらえる。ちなみにサイズは通常の免許証サイズで、写真の免許証はサンプルリンクアースは、タイヤの空気圧をモニタリングする「TP Checker」を展示していた。一般的な乗用車用のほか、ハイエースなど大型車向けなども用意されている。商用に使うことの多い、大型車向けの売れ行きが伸びていると言う

 このみんなのエコドライブ祭りは、大規模なものから小規模なものまで、今後全国6カ所で開催されていく。詳しいスケジュールは、順次みんなのエコドライブ祭りのWebサイトで発表される予定なので、気になる人はぜひチェックしてみてほしい。

(編集部:谷川 潔)
2009年 11月 25日