フォルクスワーゲン、LAオートショーでハイブリッド「Up! Lite」をワールドプレミア
ディーゼルエンジンとの組み合わせで燃費は約41km/L

Up! Lite

LAオートショー発表
(会期:2009年12月4日~13日)



 フォルクスワーゲンは、LAオートショー(一般公開:12月4日~13日、現地時間)で世界でもっとも燃料効率に優れると言うコンセプトモデル4シーター「Up! Lite」を公開した。

 2気筒800ccターボディーゼル直噴エンジン(TDI)と電気モーターを搭載するハイブリッドモデルで、アクセルOFF時と短距離走行時にモーターのみで走行することができるため、同社ではフルハイブリッドに属するとしている。

 Up! Liteが100km走行するのに必要な燃料は、わずか2.44L(約41km/L)。ゴルフおよびパサート ブルーモーションに搭載される新型1.6 TDIエンジンをベースとし、最高出力は38kW(51PS)/4000rpmとしながらも、「Eco」ボタンを押すことで出力が26kW/36PSまで抑えられる仕組みを有する。

 組み合わせられるトランスミッションはデュアルクラッチATの7速DSGで、最高速度は160km/h、0-100km/h加速は12.5秒としている。また、最大容量20Lの燃料タンクは車重を軽減するため小型のものだが、800km以上の連続走行が可能だと言う。

 電気モーターはTDIのスターターやオルタネーターとしての役割を担うほか、加速時や上り坂などで70Nmのトルクを発生し、エンジンをサポート、合計48kW(65PS)を発生する。

 Cd値は0.237。車体サイズは3840×1600×1400mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2450mm。エクステリアデザインはエッジや窪みがなく、ウィンドーとボディーの間の段差もほぼないと言い、ラジエーターエアインレットは、エンジンの温度を制御する必要がある場合のみ開く。

 ボディー全体に使用される材質は、主に高強度スチールのほかバルクヘッド、エンジンルーム、リアホイールハウジング、フロントウインドーのクロスメンバーにアルミニウムを、さらにフロントバンパーのクロスメンバーやルーフには炭素繊維複合材を使用。さらに、18インチホイール(タイヤサイズ:155/50 R18)は軽合金製で、合計10本の炭素繊維製スポークを備えるなど、徹底的な軽量化が図られた結果、車両重量695kgを実現した。

左がラジエーターエアインレットを閉じた状態で、右が開いた状態個所によって使用する材質が異なる

 インテリアでは、従来のシフトレバーのかわりにマウスのようなコントロールボールを前後に動かしてシフト操作を行うほか、ルームミラーやドアミラーを排除し、リアカメラを1台、サイドカメラを2台配備することで、先進性が感じられるものとしている。

 シートには、ネオプレン(合成ゴム)のような通気性の高いファブリックが張られる。カラーはチタンブラック。ファブリックは、トリムパネルやフロアといった個所にも採用される。

ステアリング ホイールの左側にライト関連のプッシュボタンを、右側にエンジンおよび電気モーター用のスタートボタンを配置した。そのほかの情報や車両機能はディスプレイで直感的に操作できると言う。インパネには7インチのモニターを配置し、パワートレインの状態、車速、ギアレンジ、外気温、トリップ/オドメーターといった基本情報が表示されるフロントシートは人間工学に基づいて設計された、軽量構造のバケットシートを装着
リアシートはヘッドレストを前に押すだけで、シートバックのロックが解除されて倒れる室内高はフロントが985mm、リアが926mm。低速で運転する際、リアカメラとサイドカメラの撮影映像がセンターディスプレイに映し出される

(編集部:小林 隆)
2009年 12月 4日