「ミシュラン ストア」でスタッドレスタイヤに交換してみた
アフターサービスもある、タイヤのオンラインストア


 11月24日にオープンした日本ミシュランタイヤのオンラインストア「ミシュラン ストア(MICHELIN Store)」。日本で初めての国内タイヤメーカーの直販サイトとして、話題となっている。

11月24日にオープンしたミシュラン ストア。トップページ右側にはタイヤ検索用のナビゲーションボタンが並ぶ

 タイヤを購入する場合大きく分けて、車を買ったディーラーで新車装着時と同じタイヤを購入する、タイヤ店などで自分の気に入ったタイヤを購入するという2つのパターンがあるが、ミシュラン ストアは後者をサポートするもの。タイヤ店の中には、取り扱いブランドの少ない店舗や、特定のメーカーのタイヤのみ扱う店舗などもあり、希望のタイヤに履き替えようと思っても、売っていなかったり、店員に別のタイヤを勧められたりして、当初の希望と異なるタイヤを買ってしまったという経験を持つ人もいるだろう。

 ミシュラン ストアのよいところは、タイヤ選びのほか、購入店の選択や装着日の設定などができ、購入から装着店舗や装着日の設定、支払いまでをオンラインでできること。ミシュランのラインアップの中から、自分の希望どおりのタイヤを購入でき、扱っている店舗を探し回る手間も少ない。

 購入金額に応じて、YahooポイントやEdyギフト券、QUOカードのいずれかがもらえるほか、4本以上購入した場合、次回購入時に5%の割引を受けられるサービスもある。また、タイヤの空気圧チェックやホイールナットの増し締めなどを購入後1年以内であれば何度でも受けられ、ホイールバランス調整、タイヤローテションなどは1度受けられるアフターサービスが付帯するのもうれしいところ。

 いわばタイヤ購入のワンストップサービスを目指したミシュラン ストア。実際にタイヤ装着を終えるには、店舗に行く必要があるのでツーストップサービスとも言えるが、従来よりタイヤ購入が容易になったのは間違いないだろう。

 今回は真冬へと向かうシーズンでもあることから、ミシュランの最新スタッドレスタイヤ「X-ICE XI2(エックスアイス エックスアイツー)」をミシュラン ストアで購入し、実際に装着まで行ってみることにした。

ミシュランマンお勧めのスタッドレスタイヤX-ICE XI2X-ICE XI2のトレッドパターン。サイドブロック部に設けられたジグザグのクロスZサイプをホール状のマイクロポンプがサポートするという構造

 取り付け車種として選んだのは、昨年5月に限定車として発売されたスバル(富士重工業)の4WD車「レガシィ アウトバック 2.5XT EyeSight」。タイヤサイズは、215/55 R17となる。

4つの方法から選べるミシュラン ストア
 まずは、パソコンを使ってミシュラン ストアにアクセス。トップページの右側にタイヤ検索用のナビゲーションボタンがあり、「車種で探す」「タイヤサイズで探す」「商品名で探す」「特性・特徴で探す」の4通りからタイヤを検索できる。

[車種で探す]をクリックするとこの画面に。メーカー名や車種名、グレードから検索できる[タイヤサイズで探す]画面。サイズの見方がガイドされているのはありがたい
[商品名で探す]画面。ミシュランのタイヤに詳しい方は、この画面から選ぶのもありだろう[特性・特徴で探す]画面。今回はスタッドレスタイヤと決めていたので、この画面から検索した

 購入するタイヤがスタッドレスタイヤと決まっているため、[特性・特徴で探す]をクリック。タイヤの検索結果として、スタッドレスタイヤのX-ICE XI2と旧モデルのX-ICE、SUV向けの「LATITUDE X-ICE(ラティチュード・エックスアイス)」が表示されたので、新モデルのX-ICE XI2を選択。するとラインアップされているタイヤサイズが、Webページ下部に表示される。ここであらかじめ調べておいたサイズを選択すると、タイヤ1本の販売金額や作業工賃とともに商品の購入ページが表示される。

 [ショッピングカートに入れる]ボタンを押せば、作業工賃を含む4本分の値段が表示される。その画面で合計金額を確認した後、購入できるかと思ったのだが、ログイン画面が表れた。ミシュラン ストアでは、会員登録を行うことで、購入履歴などを管理できるほか、所有車のデータやお気に入り商品などを登録できる。本来、あらかじめ登録しておいてほうがよいのだが、ここで登録。

 登録を終え次に進むと、装着車両と装着店舗を選択するよう表示された。装着車両については、メーカー名、車種名を入れていくとグレード一覧が表示されるが、2.5XT EyeSightは限定車のため表示されない。ページ下部に入力できる欄があるので、キーボードから自分で入力した。

[特性・特徴で探す]をクリックすると、このタイヤ検索結果が表示される。X-ICE XI2、X-ICE、LATITUDE X-ICEの3つが表示されたので、最新スタッドレスのX-ICE XI2を選択。[商品詳細へ]ボタンをクリック商品の特徴を解説したページが表示され、その下部にタイヤサイズが記してあった。タイヤサイズは215/55 R17なので、そのサイズをクリック。[タイヤサイズで探す]と、あまり変わりなかったような気もするタイヤとサイズが決まったので、ここでタイヤの価格が表示される。ミシュラン ストアでは最大5本まで同時に購入できるが、ここでは1台分の4本を選択。[ショッピングカートに入れる]をクリック
作業工賃も含んだ4本分の合計金額が表示される。[次へ進む]をクリック会員登録を行うページが表示された。あらかじめ会員登録をしておけば表示されないページだが、購入には会員登録が必須となる。購入履歴などを管理できるので、[新規会員登録]をクリック会員登録を終えると、装着車両と装着店舗を選択するよう表示された。装着車両を入力する
メーカー、車種、グレードを選択すると、その条件にあう装着車両が表示される。2.5XT EyeSightは、限定車のため表示されなかったので、最下段の入力エリアにキーボードから車名を入力した

 装着店舗に関しては、札幌市、新潟県、東京23区、大阪府、岡山県、福岡市がカバーされており、今後順次拡大されていく予定。ここでは、東京都文京区の「サンライズブルバード千駄木」を選択した。ミシュラン ストアで便利なのは、この店舗選びの部分で、ミシュランを扱っている店舗を探し回る必要がない。とくに初めてタイヤを購入するような人にとっては、タイヤメーカーがリストアップした店舗が表示されていることもあり、安心できる部分だろう。

 店舗の地図もゼンリンのエンジンを用いたもので、分かりやすく、実際に訪れる際にも迷うことはないだろう。店舗を選んだら装着希望日を入力する画面が出るので、必ず第3希望まで装着希望日を入力し、購入ページへと進む。

 購入ページでは、現在使っているタイヤを1本につき315円で廃棄してくれるサービス、購入時に獲得したポイントの交換方法(Yahooポイント、Edyギフト、QUOカード)を選択できる。ただし、現在支払い方法はクレジットカード(Visa、MasterCard、JCB、American Express、DinersClub)しか選択できないが、大手のカード会社がサポートされているので問題ないだろう。

装着店舗を探す画面。現在ミシュラン ストアでは6エリアをサポートする。ここでは[東京23区]を選択店舗の一覧が表示されたので、会社からほど近いサンライズブルバード千駄木を選択。店舗の地図や外観写真、営業カレンダーなどがしっかり表示される。地図も詳細なもので、装着に訪れる際に迷うことはないだろう装着車両と装着店舗が決まったので、装着希望日時を入れる。必ず第3希望まで入力が必要
新しいタイヤを装着後、それまで付けていたタイヤを廃棄するかどうか選べる。廃棄の場合は、1本につき315円ほどかかる。また、ミシュラン ストアでは購入金額に応じてポイントが付与される。Yahooポイント、Edyギフト、QUOカードの中からどれか1つを選ぶ。その後クレジットカード番号などを入力し、購入が確定するミシュラン ストア内には、タイヤのさまざまな情報も掲載されている。これは、J.D.パワーの調査で、6年連続冬用タイヤ顧客満足度No.1を取ったことを記したページ会員登録することで使えるようになるマイページ。購入後、ユーザーレビューを送ると、毎月抽選でミシュラングッズがもらえる

 購入したら、後はミシュラン ストアからメールで連絡が来るのを待つのみ。日本ミシュランタイヤによると2営業日以内にメールが届くと言う。

サンライズブルバード千駄木でいよいよ装着
 メールが届いたら、後は指定日時に店舗に行けばよいだけ。心配ならお店に連絡を入れてもよいが、とくに入れなくても構わない。サンライズブルバード千駄木に着くとすでにタイヤが用意してあり、早速作業が始まった。

 ちなみにサンライズブルバード千駄木は、足まわりのトータルチューニングを得意とするショップで、各種タイヤを販売するほか、ダンパーやスプリング関連などのチューニング相談にも乗ってくれる。マネージャーの福田幸平氏によると、上野に近いという立地条件もあり、国産車のユーザーに加え輸入車のユーザーも数多く来店するとのことだ。季節柄、店舗前にはミシュランをはじめ各社のスタッドレスタイヤが置かれていたが、店内にはスポーツタイヤやスポーツサスペンションなどが飾られていた。

サンライズブルバード千駄木。スタッドレス商戦真っ最中ということもあって、店頭にはミシュランをはじめ各社のスタッドレスタイヤが並べられていたサンライズブルバード千駄木の店内。Sタイヤやスポーツサスペンションが飾られている。足まわりのチューニングを得意とするショップのためだろう
ショーウインドーに飾られていたミシュランのスリックタイヤ今回取り付けるX-ICE XI2も、しっかりと展示されている

 今回はタイヤを夏タイヤからスタッドレスタイヤのX-ICE XI2に組み替えたが、その作業は実にスムーズなもので約30分強で終了した。福田氏によると「通常、余裕を持って1時間の作業時間をみてもらっている」と言い、待ち時間は店内の用品を眺めたり、近くの商店街を散策してみたりするのもよいだろう。

 作業工程を、以下に写真で紹介しておく。

まずはピットにレガシィ アウトバックを入れ、フラットタイプのリフトにセットする。サンライズブルバード千駄木は、2基のリフトを備えるX-ICE XI2をアウトバックの横に置き、作業開始
フラットタイプのリフトをリフトアップ。シャシー下面にゴムブロックをかませて、さらに内側のリフトをリフトアップ。これでタイヤが浮く夏タイヤ&ホイールが浮いたら、ホイールナットを取り外していく
5本のホイールナットを外したら、夏タイヤ&ホイールを取り外すゴムでできたタイヤは、使っている内にホイール部に固着するため、タイヤチェンジャーを使ってビート部(タイヤの内周部)をホイールの内側に落とす
ビート部が内側に落ちたら、タイヤチェンジャーを使い、夏タイヤを確実にホイールと分離させるこの状態でタイヤを1回転させると、夏タイヤはホイールと完全に分離するタイヤチェンジャーを実にうまく使って、ホイールから夏タイヤを取り外していく
完全に夏タイヤを取り外し、ホイールのみに次にタイヤバルブを交換。サンライズブルバード千駄木では、タイヤ交換の際には必ずタイヤバルブを新しいものに交換すると言う。タイヤバルブにはゴムが使われており、経年劣化するため、交換するのがベストタイヤバルブを交換したら、X-ICE XI2を取り付けていく
タイヤ部をクルクルっと回してホイールに取り付ける。新品タイヤのため、ゴムが柔らかくスムーズにホイールにはまっていくタイヤバルブをチェック。空気を入れる前に、最終確認をしている取り付けたタイヤに、空気を入れていく。ホイールの手前の部分とタイヤのビート部にすき間があるが、空気を入れることでタイヤが持ち上がりすき間もなくなる
組み付け完了。これは空気が入っただけの状態で、この後タイヤのバランスを取っていくホイールのセンターキャップを取り去りタイヤバランサーにセットする高速回転させバランスをチェック
反対側から見たタイヤバランサー。ディスプレイ部にタイヤの重さの偏りが表示される。走行時に高速回転するタイヤは、バランスを取っておかないと、ステアリングに振動が出たりするなどしてとても危険だチェック後の数値。2個所に重りを付ける設定になっているようだ1個所に重りを取り付け再度バランスチェック。ゼロ表示となり、無事にバランスが取れたようだ。この後、もう1個所に重りを付け、再度バランスチェック
4本ともタイヤバランサーでバランス取りを行ったバランス取りを終えたタイヤ&ホイールを取り付けていく取り付けたタイヤをタイヤワックスでお化粧。ホイールもきれいにしてもらった
ツヤツヤのX-ICE XI2最後にトルクレンチでホイールナットを締め付け、取り付け作業は終了となる取り付けが終わったので、リフトダウン
今回の作業はタイヤの履き替え。取り外した夏タイヤは、ビニール袋に入れて持ち帰る
サンライズブルバード千駄木のマネージャーである福田幸平氏。ミシュランのスタッドレスタイヤは高速域の性能が評価されていると言う

 サンライズブルバード千駄木の福田氏にミシュランのスタッドレスタイヤの特徴を聞いたところ、「ミシュランのスタッドレスタイヤは、やはり高速での安定性が評価されています。他社のスタッドレスタイヤの中には、高速域でふらつきの出るものもあるのですが、ミシュランではそういうこともなく、実際に装着したユーザーの評判もよいようです」とのこと。

 今までミシュランのタイヤを購入しようと思った場合、まずは取り扱い商品かどうかを店舗に確認する必要などがあった。ミシュラン ストアでは、とくにショップ検索の部分が優れており、カバーエリア近くに住んでいれば、容易に希望の店舗を見付けることができるだろう。ぜひ、ミシュラン ストアを活用し、タイヤ選びに役立てていただきたい。

(編集部:谷川 潔)
2009年 12月 21日