「ワイルド・スピード MAX」レビュー
2月17日にDVD版&Blu-ray版が発売

過激なカーアクションシーンが魅力のワイルド・スピードシリーズ

2010年2月17日発売
DVD版:3990円
Blu-ray版:4935円



 「ワイルド・スピード」シリーズの第4弾「ワイルド・スピード MAX」のDVD版とBlu-ray版が、2月17日に発売された。

 監督は、「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」の斬新なカーアクション描写で評価されたジャスティン・リン氏。破天荒なカーアクションが人気を博しているのもさることながら、ワイルド・スピード MAXはヴィン・ディーゼル、ポール・ウォーカー、ジョーダナ・ブリュースター、ミシェル・ロドリゲスという第1作のメンバーが再集結したことが注目され、全米ではわずか3日間でワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFTの総興行収入を抜いてしまったほどの人気作である。

 読者の方のなかにはすでにご覧になった方もいるかと思うが、今一度ワイルド・スピード MAXのストーリーと見どころをお伝えしたい。

ドミニク・トレット役のヴィン・ディーゼル。1967年ニューヨーク出身。「プライベート・ライアン」(1998年)などに出演するほか、監督業も行っている。そのいっぽうでビデオゲーム会社タイゴン・スタジオを経営するなど各方面で活躍するブライアン・オコナー役のポール・ウォーカー。1972年カリフォルニア州出身。「カラー・オブ・ハート」(1998年)、「バーシティ・ブルース」(1999年)、「イントゥ・ザ・ブルー」(2005年)、「父親たちの星条旗」(2006年)など、多数の作品に出演
レティ役のミシェル・ロドリゲス。1978年テキサス州出身。「バイオハザード」(2002年)、「S.W.A.T」(2003年)のほか、人気TVシリーズ「LOST」にも出演。直近ではジェームズ・キャメロン監督の「アバター」に出演しているミア役のジョーダナ・ブリュースター。1980年パナマ出身。「パラサイト」(1998年)で映画デビュー以降、「姉のいた夏、いない夏」(2001年)ほかTV分野でも活躍

ストーリー
 トレーラー強奪犯としてLAで指名手配中の凄腕ドライバー、ドミニク(ヴィン・ディーゼル)。は、逃亡先の南米・ドミニカ共和国でも、ガソリン運搬車の強奪グループリーダーとして暗躍していた。

 しかし、LAのみならずドミニカ共和国においても捜査の手が刻々と近づいていることに気づき、グループを解散するとともに恋人のレティ(ミシェル・ロドリゲス)を危険に遭わせまいと、単身でパナマに潜伏することを決意する。

 ある日、ドミニクの妹・ミア(ジョーダナ・ブリュースター)からある事件があったことを聞く。それは彼を悲しませると同時に復讐を誓うのに十分な内容であり、その事件に麻薬組織が絡んでいることを知ったドミニクは、麻薬組織を壊滅すべく単身LAに戻ることを決意する。

 一方、かつてドミニクとともに仕事をし、今はFBI捜査官であるブライアン(ポール・ウォーカー)も同じ麻薬組織のボス“ブラガ”を追い続けていた。組織に潜入し、ブラガが仕切るストリートレースが開催されることを知ったブライアンは、レースに参加する。しかし、そこには復讐に燃えるお尋ね者のドミニクもいた。

 このストリートレースは、実はメキシコから高純度のヘロインを密輸入するためにドライバーを選定するものだった。密輸入の際に使うルートは、狭く、そして険しい隠しトンネル。国境は警備隊による厳しい監視下にあり、短時間で仕事を終わらせなければならないこともあり、ドライバーには高いスキルが要求される。そのため、ストリートレースもいっさいの信号や標識を無視するといった危険な条件下のもと行われた。

 そして見事このレースを制したドミニクとともにドライバーに選出されたブライアンの2人は、本番当日を迎えるが、そこには予期せぬ罠が待ち構えていた──。

ストーリー冒頭の石油強奪シーン。ドミニク、レティらによる抜群のチームワークを見せてくれる潜入捜査のためストリートレースに参加する、FBI捜査官のブライアン。R34 GT-Rで参戦する指名手配中のドミニク(左)とFBI捜査官ブライアン。立場の違う2人がタッグを組み、麻薬組織のボス、ブラガを追う

シリーズ最多のカスタムカーに注目
 ワイルド・スピード MAXには、シリーズ最多のカスタムカーが登場する。爆破シーン、回転クラッシュ、肉弾戦など派手なアクションは見どころの中心なのだが、日本車が多数登場するのにも注目したい。アメリカのカーマニアは母国のマッスルカー派、カスタムインポートモデル派に分かれるそうで、その両方が多数登場するのは、そうした事情を反映した形というわけだ。

 ブライアンは作品中で日産「スカイライン GT-R」(R34)やスバル「インプレッサ WRX STI」といった4WDモデルを好んで乗り、ミアはホンダ「NSX」を駆る。そのほかマツダ「RX-7」(FD3S)、ホンダ「シビック」(EG6)、日産「シルビア」(S15)など、日本を代表するスポーツカーも登場する。画面のスミにさりげなく映っていたりもするので、それらを探してみるのも楽しい。

 むろん、ドミニクが乗るダッジ「チャージャー」、ビュイック「グランドナショナル」、シボレー「シェベル」、シボレー「カマロ」らの、これぞアメリカン・マッスルカーの豪快な走りも見どころと言えよう。

ブライアンが乗る1999年式日産「R34 GT-R」。“スカイライン”の名が残る最後のGT-Rで、直列6気筒DOHCツインターボエンジンを搭載。ホイールはレイズ製の19インチを装着同じくブライアンが乗る2002年式スバル「インプレッサ WRX STI」。水平対向4気筒ターボエンジンを搭載。シルバーとブラックの2トーンカラーが特徴1970年式ダッジ「チャージャー」はドミニクの愛車。V型8気筒エンジンの426HEMIに、スーパーチャージャーを搭載。1作目のラストで潰れた愛車がここに復活。“ドミニクの魂”と言われるこのモデルは、メカニックチームが集めた7台のチャージャーから作りあげられたと言う
1987年式ビュイック「グランドナショナル」はドミニクがドライブ。V型6気筒ターボエンジンを搭載。ブラックアウトされたエクステリアが印象的1971年式シボレー「カマロ」もドミニクが運転する。1970年にフルモデルチェンジをし、2代目に当たるモデル。V型6気筒3.8リッターからV型8気筒6.6リッターまで、エンジンバリエーションの多いモデル1970年式シボレー「SSシェベル」もドミニクの愛車。V型8気筒エンジンを搭載し、フロントグリルには「SS」のエンブレムを装着する
1972年式フォード「グラン・トリノ」は、麻薬組織の一味、フェニックス(ラズ・アロンソ)がドライブ。フォードのラグジュアリークーペで、最上級グレードは7.0リッターエンジンを搭載した2007年式ポルシェ「ケイマン」。水平対向6気筒エンジンをミッドシップレイアウトで搭載する。このケイマンは、麻薬組織側の謎の美女・ジゼル(ガル・ギャドット)がドライブする

 今回発売されたワイルド・スピード MAXのDVD版は3990円、Blu-ray版は4935円。いずれもNGシーン、マッスルカーやインポートモデルの魅力の紹介、ヴィン・ディーゼルのドライビングトレーニングシーン、メキシコでのロケシーン、ジャスティン・リン監督による本編音声解説といった特典が多数盛り込まれている。セル Blu-rayにはさらにストーリー冒頭の石油強奪シーンの撮影風景や、ミュージックビデオ、隠し映像なども収録されるので、より魅力的な内容だと言えよう。

 なお、初回生産限定で、ワイルド・スピードシリーズ全4作をセットにした「ワイルド・スピード クアドリロジーDVD SET」(4980円)、「ワイルド・スピード クアドリロジーBlu-ray SET」(6815円)も同時にリリースされている。

 およそ85億円の製作費をかけたと言うワイルド・スピード MAX。まだ見たことがない方はぜひご覧になってみてはいかがだろうか。

ワイルド・スピード MAXのジャケット。写真左がDVD版、右がBlu-ray版
Film(c)2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
Artwork(c)2009 Universal Studios. All Rights Reserved.

(編集部:小林 隆)
2010年 2月 17日