トヨタ、「レクサスGX460」「プラド」をリコール
搭載するVSCを改善、全世界計3万4000台。日本は対象外

2010年4月20日発表



 トヨタ自動車は4月20日、SUV車「レクサス GX460」と「ランドクルーザー プラド」の一部に搭載するVSC(Vehicle Stability Control:車両安定制御)のプログラム設定に不具合があるとし、対象車のリコールを決定した。全世界で約3万4000台に上り、米国で19日(現地時間)に現地当局に届け出を行うとともに、欧州、中近東などでも同措置を実施する。

 これは米消費者情報誌が横滑りの危険性を指摘したことが端を発したもので、速度超過でカーブに進入したときや、高速で大きくハンドル操作した際に、VSCの効きが弱いことから車両がほぼ真横を向くほど横滑りしてしまう可能性があるというもの。

 具体的には、GX460/プラドともに重量物となる燃料タンクなどが車両左側にあるため、左ハンドル車は重心が左よりになる。そのうち、18インチタイヤおよびKDSS(Kinetic Dynamic Suspension System:サスペンション制御システム)、VSC装着車両でVSCの効きが弱いことが確認されたと言う。

 これらを踏まえ、VSCプログラムの修正を行い、VSCの効きを強化することで横滑りの可能性を低減する。

 対象車両はレクサスGX460が米国約9400台、ロシア約1000台、オマーン約1000台をはじめとし、合計約1万3000台。プラドは左ハンドル仕様車かつKDSS/VSC搭載車両に限定し、オマーン約4400台、ロシア約4000台、UAE約1500台をはじめ、合計約2万1000台。日本を含めた右ハンドル仕様車は対象外となる。

 なお、リリース内でVSCプログラムの改善措置前/後の動画を確認することができる。

(編集部:小林 隆)
2010年 4月 20日