5月1日、2日開催のSUPER GT第3戦「FUJI GT 400km RACE」
COROLLA Axio apr GTの井口卓人選手とクレインズが来社

井口卓人選手とクレインズの3人

2010年5月1日、2日開催



 国内のトップ3メーカーが参戦するSUPER GTは、現在日本のレースでもっとも人気があるシリーズとも言ってよいが、その第3戦となる「FUJI GT 400km RACE」が5月1日、2日の2日間にわたり、静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイにおいて開催される。

 5月のゴールデンウィーク中に開催されるこのレースは、SUPER GT以前にスポーツプロトタイプカーのJSPCのレースとして行われていた時代から、富士スピードウェイの代表的なイベントとして親しまれてきた。毎年多くのファンが訪れるF1を除けば、盛り上がるレースイベントの1つと言ってもよい。

 今回FUJI GT 400km RACEのプロモーションをかねて、レーシングドライバーの井口卓人選手と富士スピードウェイのレースクィーンであるクレインズが編集部を訪問してくれたので、その模様をお伝えしたい。

富士では優勝を狙うと井口選手は語る

ピットストップをどう使うかが勝負の分かれ目
 井口卓人選手は、トヨタの若手ドライバー育成プログラムであるTDP出身で、昨年の全日本F3ではランキング2位に輝き、今年はトップカテゴリーのフォーミュラ・ニッポンにステップアップするなど、若手選手の中でも将来を嘱望される1人だ。先週末に鈴鹿サーキットで行われたフォーミュラ・ニッポンの開幕戦では、セルモ・インギングのマシンで無事完走するなど着実な結果を出している。

 SUPER GTでは、COROLLA Axio apr GTで国本雄資選手とともにGT300クラスに参戦している。COROLLA Axio apr GTはトヨタの市販車であるカローラ アクシオをベースに、V型6気筒3.5リッターエンジン(2GR-FSE)を搭載した車両で、市販車がFFであるのに対し、MRの駆動方式を採る。開幕戦の鈴鹿では8位、第2戦の岡山では5位と、着実な結果を残している。

 トヨタカローラのワークスチームという位置づけのCOROLLA Axio apr GTを走らせる、井口選手は、トヨタの地元とも言える富士スピードウェイで開催されるFUJI GT 400km RACEには闘志を燃やしている。「去年から現在のチームで走っていて気心も知れている。チームメイトの国本選手ともしっかりと車を仕上げてきて状況はよいと思う。狙うのは優勝のみです」(井口選手)と、富士のレースで優勝するべく、さまざまな努力を続けていると言う。そもそも井口選手は、4輪で本格的にレースを行ったのは富士スピードウェイだし、現在も近くに住むなどほかの選手よりも思い入れが強いのだ。

 そんな井口選手だが、富士のレースは簡単なレースにはならないだろうと厳しい予想をしている。「レギュレーションの関係もあって、ポルシェなどの外国車はストレートが速く、ストレートが長い富士スピードウェイでは有利なのは事実です。だからこそ、しっかりとした作戦を立てて、それらの車に対抗していかないといけない」(井口選手)と言う。

 となると、GT300クラスでは採用するチームが増えているタイヤ無交換作戦が思い浮かぶが、「そのあたりも勘案しつつチームと話し合っています。特に今回のレースでは2回のピットが義務づけられています。我々のチームは燃費もよいので、2回のうち1回は給油せずにいくとかも考えられます」(井口選手)と、現在チームとさまざまな戦略を話し合っていると語った。

 なお、同じaprチームのカローラアクシオのカーナンバー31号車が、富士のレースからエヴァンゲリオンカラーになることについて「子供に人気が出そうで、正直うらやましいです(笑)。ただ、僕たちもカローラのワークスチームという誇りもありますし、実際のレースで負けないようにしたい」と正直な気持ちを語ってくれた。井口選手によると、COROLLA Axio apr GTのカーナンバーである「74」は、全国にあるカローラ販売店の数にちなんでおり、マシンのカラーリングとなっているオレンジもカローラ販売店のイメージカラー。「全国のカローラディーラーの応援を背にがんばっていきたい」とアピールしてくれた。

井口選手と国本選手がGT300クラスで戦う、COROLLA Axio apr GT。74は全国のカローラ店の店舗数を表し、カローラ店のイメージカラーであるオレンジのボディーカラーでペイントされている井口選手のヘルメット。ヘルメット横には井口選手のイメージキャラクターが描かれている。名前はとくに決めていないとのこと

富士スピードウェイではキャンプも可能に
 井口選手とともに編集部を訪れた富士スピードウェイのレースクィーンであるクレインズは、FUJI GT 400km RACEのイベントについて説明をしてくれた。クレインズは、先日富士スピードウェイで行われた「Fuji speedway Motorsports Dream 2010」(FMD 2010)で今年のメンバーが紹介され、本格的なレースイベントとしてはFUJI GT 400km RACEがデビューとなる。

 クレインズによれば、FUJI GT 400km RACEの特徴は、土曜日(5月1日)のゲートオープンから日曜日(5月2日)のレース終了までゲート閉鎖が行われず、ファンはサーキットに泊まることができると言う。地面に直接まきを使って火を使うのではなく、バーナーなどを使う場合は、バーベキューなどもできるとのことで、キャンプ感覚でサーキットでの夜を楽しむというのもよいだろう。富士の大型スクリーンを利用して映画「ナイトミュージアム2」が上映される予定になっており、家族や友人と一緒にキャンプをしつつ、ファミリー向けの映画を楽しめる。

 レース終了後もコースウォークが行われ、表彰式が行われる際には、コース上から表彰式を見ることができる。レース終了後のコースには、生々しいタイヤのブラックマークがあるほか、タイヤカスやマシンの破片なども落ちている可能性があり、これらを見て回るのも楽しい経験ではないだろうか。レース終了後にはサーキット周辺は大渋滞となることが多いので、ゆっくり見てから出発するのもよい選択だ。

 このSUPER GT第3戦FUJI GT 400km RACEのチケットは、限定チケットを発売しているローソンや、そのほかのコンビニエンスストア、各種プレイガイドなどを通じて販売されている。詳しくは富士スピードウェイのWebサイトのチケット販売ページ(http://www.fsw.tv/2ch/2_5ticket/info_gt1/index.html)を参照いただきたい。

 ゴールデンウィーク恒例のイベントとなった感のある富士のSUPER GTレース。ぜひ、実際のレースの迫力を現地で感じてみてほしい。

(笠原一輝)
2010年 4月 22日