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「JAF Grand Prix SUPER GT&Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2010」の開催概要

GTアソシエイション、JRP、富士スピードウェイが共同記者会見

共同記者会見を行った、GTアソシエイション代表取締役 坂東正明氏(左)、日本レーシングプロモーション代表取締役社長 白井裕氏(中)、富士スピードウェイ代表取締役社長 加藤裕明氏(右)
2010年5月2日開催

 SUPER GTを主催するGTアソシエーション(以下、GTA)、フォーミュラ・ニッポンを主催する日本レーシングプロモーション(以下、JRP)、富士スピードウェイ(以下、FSW)の3社は、SUPER GT第3戦の会期中となる5月2日に共同記者会見を行った。

 この中で、GTA、JRP、FSWの3社が協同で11月に開催を予定している、SUPER GT、フォーミュラ・ニッポンのレースを併催するスペシャルイベント「JAF Grand Prix SUPER GT&Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2010」(以下、JAFグランプリ)の概要を明らかにした。

 発表によると、JAFグランプリは11月12日~14日の3日間にわたって富士スピードウェイで行われ、SUPER GTおよびフォーミュラ・ニッポンの予選を12日に、決勝を13日と14日にそれぞれ1レースずつ開催。SUPER GTのGT500クラス優勝チーム、サポートレースとして開催されるF4の年間最多優勝コンストラクターに国土交通省から国土交通大臣賞が授与されることなどが発表された。

20年ぶりに復活したJAFグランプリ

 SUPER GTとフォーミュラ・ニッポンのレースを同時に開催する計画は、以前からその構想が明らかになっており、11月13日~14日の2日間で開催されることがアナウンスされていたが、今回の記者会見ではそれが12日~14日の3日間に拡大され、12日に練習走行・予選、13日に決勝1回目、14日に決勝2回目というスケジュールで行われることが明らかになった。具体的には以下のようになる。

日付時間帯内容
11月12日午前SUPER GTフリー走行
フォーミュラ・ニッポンフリー走行
ネッツカップ ヴィッツ予備予選
午後SUPER GT500クラス予選
SUPER GT300クラス予選
フォーミュラ・ニッポン予選
マイナーツーリングカーレース予選
ネッツカップ ヴィッツコンソレ決勝
11月13日午前ネッツカップ ヴィッツ予選
F4予選
マイナーツーリングカーレース決勝
レジェンドカップ
午後フォーミュラ・ニッポン決勝1(100 ㎞・22 周)
SUPER GT300クラス決勝1(100 ㎞・22 周)
SUPER GT500クラス決勝1(100 ㎞・22 周)
表彰式1
11月14日午前F4決勝
ネッツカップ ヴィッツ決勝
レジェンドカップ
午後フォーミュラ・ニッポン決勝2(100 ㎞・22 周)
SUPER GT300クラス決勝2(100 ㎞・22 周)
SUPER GT500クラス決勝2(100 ㎞・22 周)
表彰式2

 金曜日に予選、土曜日に決勝1、日曜日に決勝2を2つのトップカテゴリーがそれぞれ行うというのは日本のレース史上前代未聞で、ファンにとっても観戦の形態が大きく変わる可能性を秘めている。

JAFグランプリの名称について、その思い入れを語るGTA代表取締役 坂東正明氏

 本イベントに“JAFグランプリ”の名称が冠されることについてGTA代表取締役 坂東正明氏は「我々はこのイベントを成功させるために総力を挙げて取り組んでいる。このため、JAFにもかなり無理を言って、半ば強引にJAFグランプリの名称を認めていただいた」と語る。JAFグランプリが冠されたレースは、1990年3月11日に行われた「全日本富士500kmレース」が最後となっており、本イベントでJAFグランプリの名称が実に20年振りに復活することになる。

 坂東氏によれば「JAFグランプリの名称を冠するにはそれなりの条件がある。例えばその1つが賞金の額で最低でも800万円以上とされているが、SUPER GTとフォーミュラ・ニッポンあわせて800万円とかそういうけちくさいことを言わないで、少なくとも桁を1つ上げたぐらいで行きたい」と述べ、賞金に関しても既存のレースに比べると大幅な増額を目指したいとの意向を明らかにした。

 質疑応答では、「SUPER GT、フォーミュラ・ニッポンのレギュラーシリーズに出ているエントラントは、JAFグランプリに出場することは強制なのか?」という質問が出たが、GTAの坂東氏は「まだエントラントとは話をしていないが、基本的には強制です(笑)」と述べたほか、JRP代表取締役社長の白井裕氏も同様に「基本的にはそう(筆者注:強制)です」と述べるなど、日本のモータースポーツ振興という目的のためにすべてのエントラントにJAFグランプリに出場してほしいという期待を込めての“強制”という表現になったようだ。実際にはエントラントとの話はすでにかなりついているからこそ、こうした発言になっていると考えることができるので、すべてのチームがJAFグランプリを走るのだろう。

JRP代表取締役社長の白井裕氏は、フォーミュラ・ニッポンへのゲストドライバーの参加を示唆した

 「レギュラーのシリーズに出ているエントラントやドライバー以外の参加はあるのか?」という質問に対しては、GTAの坂東代表取締役は「基本的には皆さんの想像しているとおり。上海でDTMのレースが近い時期にあるので、それが来る可能性はある」と述べ、昨年から浮上しているDTMとの交流の成果となるような、DTMカーのデモランなどが実現する可能性を示唆した。また、JRPの白井社長は「ゲストドライバーなどが登場する可能性はある。レースを損なわないような、それなりのレベルのドライバーと話をしている。ただ、現時点では交渉中の段階であり具体的に発表できることはない」と述べ、こちらもレギュラーシリーズには参加していない大物ドライバーがゲストとして登場する可能性がありそうだ。

FSW代表取締役社長の加藤裕明氏は、JAFグランプリにおいてサーキット内の宿泊を可能にしたいと語る

ファミリーで楽しめる企画も考えたい、予算の都合がつけば戦車を会場へ?

 FSW代表取締役社長 加藤裕明氏は、JAFグランプリをお祭りのようなイベントにしたいと豊富を語った。「お祭りにふさわしいような、サプライズを考えていきたい。今回のSUPER GT第3戦富士でも地元御殿場市の市長にチェッカーフラッグを振ってもらうなど、地元と密着したイベント作りを行っているが、JAFグランプリでも引き続きそれを進めていきたい」と述べ、地元の関係者とも協力して観客が楽しめるようなイベントにしたいと言う。

 その内容について加藤社長は「モータースポーツの未来を担ってもらう子供達も楽しめるイベントにしたいと考えており、具体的なことをこれから詰めていきたい。また、今回のSUPER GT第3戦でも車中泊やキャンピングカーなどでの宿泊を可能にしたところ、キャンピングカーのチケットが瞬く間に売り切れるなどニーズがあることは確認しており、今後も水回りやお手洗いを増やすなどのいろいろな検討をしていきたい」と言い、現時点では何も決まっていないものの、JAFグランプリでも富士スピードウェイの敷地内で宿泊ができるようにすることなどを検討中であるとした。

JAFグランプリの上位3チームには、左側のパネルに描かれたメダルが授与される予定

 それに加えてGTAの坂東氏は「富士というロケーションもあり、現在自衛隊と何かできないか防衛省と話をしている。自衛隊の富士学校から吹奏楽団やパレード、90式戦車などに来ていただけないか調整中だ。90式戦車は一般道を自走できないので、大砲の砲身部分と下部分を分割して50tトラックで運んでくる必要がある。現在GTAのほうでその予算が確保できないか検討中」と述べ、予算が許せば90式戦車をグランドスタンド裏に展示するなどのイベントを展開したいと語った。

セディナ 代表取締役副社長 江幡真史氏

SUPER GTの公式スポンサーにセディナが加わる

 SUPER GT第3戦富士からSUPER GTのオフィシャルスポンサーにセディナが加わったことも発表された。セディナは昨年OMCカード、セントラルカード、クォークカードの信販系カード会社3社が合併して発足したクレジットカード会社で、一般消費者向けのクレジットカードなどの発行を行っている。

 セディナ代表取締役副社長 江幡真史氏は「日本は米国などに比べてまだまだクレジットカードの普及率が低く、潜在的な市場は大きい。特にゴールドカードの所持率はアジア全体で25%なのに、日本はわずか5%しかない。我々の調査では友人や家族と共有できるサービス、特に音楽やスポーツなどのニーズが高いと出た。そこで、スポーツの1つのコンテンツとして、SUPER GTと協力していきたいと考えた」と述べ、同社が発行するゴールドカード「セディナカードPremium」においてSUPER GTでの各種特典を付与することを明らかにした。

セディナカードPremiumの表と裏。裏はゴールドカードには珍しい青を利用しているのが特徴
GTA代表取締役 坂東氏とセディナ 代表取締役副社長の江幡氏による記念撮影

 SUPER GTでの特典は、パドック、ピットウォーク、グリッドウォークへの入場が可能なSUPER GTシリーズゲストパスが付与されるほか、SUPER GTオリジナルクオカード、ウェイトハンデステッカー、公式プログラム、大会ポスターなどの賞品がプレゼントされる。さらに、富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット開催時のレース(JAFグランプリは除く)においては、ゴールドカード加入者から抽選で各5組10名をGTAラウンジへと招待する。このほかにも、ゴールドカードとしての基本的な特典(旅行傷害保険や空港ラウンジ、ロードサービスなど)ももちろん利用可能だということだ。

 なお、セディナカードPremiumへの加入はセディナのホームページから可能になっているので、興味がある読者はセディナのWebサイトを参照いただきたい。