フォルクスワーゲン、20km/Lの「ポロ 1.2 TSI」発表会
「最近のフォルクスワーゲンの特徴は実燃費がよいこと」

エンジン開発責任者の独フォルクスワーゲンAGの ヘルマン・ミッデンドルフ博士(左)と、フォルクスワーゲン グループ ジャパンのゲラシモス・ドリザス社長(右)

2010年5月24日開催



 フォルクスワーゲン グループ ジャパンは5月24日、「ポロ」1.2リッター TSIエンジン搭載車の発表会を都内で開催した。会場には新しく発売される「TSIハイライン」が展示されたほか、エンジン開発者がドイツから来訪、ガソリンエンジンの今後についてパネルディスカッションが行われた。

 ここでは発表会の模様をお届けし、パネルディスカッションは追ってリポートする。

ポロに新たに搭載される1.2リッターTSIエンジン

ポロ TSIハイライン各色を展示
 6月4日に発売される「TSIコンフォートライン」と「TSI ハイライン」。会場にはTSI ハイラインのみが展示された。

 今回発表した新モデルの最大の特徴である1.2TSIエンジンは、徹底した燃費効率の最適化を行う中で、SOHC化などが行われた。7速のDSGと組み合わせた10・15モード燃費は20km/L。ターボチャージャーなどのパーツが増えたものの、従来の1.4リッターエンジンに比べてエンジンルーム内には余裕が生まれている。

 ポロ TSIハイラインは、アルミホイールやフォグライト、リアのパークディスタンスコントロールの標準装備化や、内外装にメッキパーツの装着、シートの変更などにより、高級感が増した。

 TSIコンフォートラインは従来の「1.4コンフォートライン」とエンジン以外の装備はごく一部を除いて変更はなく、外見ではリアの「TSI」バッヂ程度となる。

TSIハイラインに搭載された1.2リッターTSIエンジン
TSIハイラインは上級グレードのため、アルミホイール、メッキパーツなどが装備される。カラーは「サバンナイエロー」
TSIハイラインは本革巻ステアリングホイールを装備する
7速DSGのシフトレバーの根元にもシルバーでDSGと書かれた飾りが入るシートはTSIハイライン専用デザインのファブリックシート
小物入れ付きのアームレストもTSIハイライン専用装備小さい円形のセンサーがリアのパークディスタンスコントロール
アルミホイールを装備する。タイヤサイズは前後とも185/60 R15
運転席の下にはシートアンダートレーがつく1.4コンフォートラインにはあった、助手席下のシートアンダートレーがなくなった
リアのラゲッジスペースは2重の床になっているスペアタイヤはなく、応急のパンク修理キットを装備
TSIハイラインにオプションのアルカンターラ&レザレットシート
会場には各色のポロが展示された。コミュニケーションカラーでもあるフラッシュレッド、キャンディホワイト、リフレックスシルバーメタリック。このほかにはディープブラックパールエフェクト、シーブルー、シャドーブルーメタリックが用意される

「最近のフォルクスワーゲンの特徴は実燃費がよい」
 発表会ではまず、同社のゲラシモス・ドリザス社長があいさつに立ち、ポロの説明を行った。

 ドリザス社長からは、ポロは2009年の10月発売から6カ月で約6000台の受注があり、男性ユーザーの割合が約20%増えていること、39%が国産車からの乗り換えで、新規購入やその他輸入車ブランドからの乗り換えを合わせると合計63%が新たにフォルクスワーゲンのユーザーになったことが発表された。そして、今後も他社のクルマからの乗り換えは進むとした。

 最近のフォルクスワーゲンブランドについては、「最近のフォルクスワーゲンの特徴は実燃費がいいということ」と挙げた。ユーザー投稿による燃費比較サイト「e燃費」の結果を引用、10・15モード燃費と実燃費の差について「フォルクスワーゲンのクルマは、85~100%近い数値だが、多くの国産車、特にハイブリッド車はギャップがある」とした。

 新しくなったポロについては「価格は10万円程度上がっただけ、エコカー減税によって以前と比べて、購入価格は低くてすむ」として装備のよさを含めて価格競争力が十分あることも強調した。

 また、直近のフォルクスワーゲンの状況についても発表があり、2010年の1月から3月までの間に約1万6000台が販売され、前年同期よりも28%アップ、純輸入車市場におけるシェアも3.4ポイント上がって28.5%まで伸びたと言う。

 その原因には積極的なキャンペーンが挙げられ、「子ども報道官、浅見姫香ちゃんによってブランドの認知度が上がり、販売店への来店者も増えているという結果が出た。特にこのCMは国産車を検討している人には好評」と話し、CMの効果が大きいことも明らかにされた。

2010年1月から4月までの市場概況フォルクスワーゲンの市場シェア認知度アップにつながったという子ども報道官のCM
ポロ購入者のユーザー分析ポロの競合車のカタログ燃費と実燃費ポロの販売数はモデル末期だった前年同期より44%アップ
ポロの商品特徴各グレードの変更点

(正田拓也)
2010年 5月 25日