J.D.パワー、2010年日本冬用タイヤ顧客満足度調査結果
顧客満足度でミシュランが7年連続トップ

2010年5月27日発表



 J.D.パワー アジア・パシフィックは5月27日、2010年日本冬用タイヤ顧客満足度(W-TSI)調査の結果を発表した。この調査は、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)に対するユーザーの満足度を測定するもので、今年で7回目の実施になる。

 調査対象者は、自家用の乗用車(軽自動車を含む)のスタッドレスタイヤを2007年5月以降に新品で購入し、現在も使用している一般消費者。2010年2月にインターネットを利用して調査を実施し、全国の5753人から回答を得ている。

 冬用タイヤに対する総合的な満足度は「積雪路面での性能」(28%)、「凍結路面での性能」(21%)、「一般路面での性能」(18%)、「見映え」(17%)、「品質/耐久性」(16%)の5つの要素から構成され(カッコ内は総合満足に対する影響度)、総合満足度スコアは、5つの要素の詳細評価項目に対する評価をもとに、1000ポイント満点で算出している。

 その結果、総合満足度ランキングでは、ランキング対象となった9ブランド中、ミシュランが612ポイントで第1位。ミシュランは調査を開始した2004年以来7年連続の顧客満足度第1位となり、要素別に見ても5つのファクターすべてでトップになっていると言う。

 2位はブリヂストンで総合満足度スコアは572ポイント。ブリヂストンはすべてのファクターで業界平均以上の満足度となり、「積雪路面での性能」「凍結路面での性能」はそれぞれ業界平均を21ポイント上回る高い評価になった。

タイヤブランド別ランキング(1000ポイント満点)総合満足度を構成する要素

 ミシュランの高い満足度の要因の1つとして、2年目から3年目にかけての総合的な満足度に変化は見られないことを挙げており、「見映え」(約2%向上)、「品質/耐久性」(約1%向上)、「積雪路面での性能」(前年と変わらず)と、3年目ユーザーでも2年目ユーザーと同等以上の評価を保っていた。

冬期路面の走行頻度が低いと総合的な満足度も低下
 積雪路面・凍結路面・シャーベット路面などの冬季路面の走行頻度が低い層では、高い層に比べ23ポイント総合的な満足度が下回る結果となっており、「一般路面での走行性能」に関する満足度では、走行頻度の高い層に比べ43ポイント下回る水準だとする。

 この低頻度走行層は、一般路面における濡れた路面や乾いた路面でのグリップ性能や止まりやすさ、カーブでのグリップ性能などの満足度が低下する傾向にあり、次回も同じブランドを「必ず選ぶ」と回答した割合も高頻度走行層の16%に対し12%と低い。

 また、冬用タイヤでの不具合で最も多いのは「凍結路面でのグリップ不足」で、全体の11%が「不具合があった」と回答。多降雪地域では15%と指摘率が高くなっている。「積雪路面でのグリップ不足」も全体で5%の指摘を受けているが、多降雪地域/非多降雪地域で指摘率に差は見られない。しかし、「積雪路面でのグリップ不足」を経験した場合の満足度を見ると、そのほかの不具合を経験したときに比べて満足度は最も低くなり、冬用タイヤのブランドを次回も「必ず選ぶ+多分選ぶ」割合も最も少なくなる。

 J.D.パワーでは、これらのことから、冬用タイヤの基本機能である冬季路面での走行性能に不具合を感じさせない商品開発が大切であり、一般路面での走行性能の満足度を満たすことも求められているとしている。

(編集部:谷川 潔)
2010年 5月 27日