横浜ゴム、インナーライナー技術が日本ゴム協会賞を受賞
タイヤの空気漏れを大幅に低減し低燃費性能を高める

AIRTEX advanced liner(エアテックス・アドバンスド・ライナー)



 横浜ゴムの「ゴム/樹脂ポリマーアロイを使ったインナーライナー」技術が社団法人日本ゴム協会の顕彰制度において「第22回日本ゴム協会賞」を受賞。5月20日の第77回通常総会で表彰式が行われた。

 インナーライナーは、タイヤの内部に貼り付けて空気分子の透過を抑制する高機密素材。タイヤからは自然と空気が漏れるのだが、タイヤの空気圧低下が燃費悪化の原因となっている。

インナーライナーはタイヤの内部に貼り付けて空気分子の透過を抑制する高機密素材

 日本ゴム協会賞は、ゴムとその周辺領域における科学、技術またはその産業分野の発展に寄与し、その功績著名な会員に対して贈られるもので、会員、各支部、関連学協会代表者からの推薦に基づき委員会で選考している。

 表彰されたインナーライナーは、樹脂の低透過性とゴムの柔軟性を高次元でバランスさせた新素材で、タイヤの空気漏れを大幅に低減しながら、厚みを従来品の5分の1としている。空気漏れによる転がり抵抗の悪化抑制と、軽量化による燃費向上を実現する環境にやさしい素材として、タイヤの低燃費性能を高めることに寄与することが評価された。

 新素材インナーライナーは、2007年に発売した同社エコフラッグシップタイヤ「DNA dB super E-spec」に採用され、2009年には同素材を「AIRTEX advanced liner(エアテックス・アドバンスド・ライナー)」の名称で発表した。

 横浜ゴムでは、同素材を2010年以降さまざまな商品に採用していく考え。また「次世代AIRTEX」の開発も進行中で“空気漏れゼロ”を目指した取り組みを強化している。

1か月で10~20kPa低下する従来のタイヤと比べ、AIRTEXでは空気漏れを低減している
タイヤの空気圧の低下が燃費の悪化に影響する
2007年発売の同社エコフラッグシップタイヤ「DNA dB super E-spec」授与された表彰状

(椿山和雄)
2010年 6月 3日