パリモーターショー 2010、今年は環境を強くアピール
パリモーターショー事務局が来日記者会見。10月2日より開幕

パリモーターショー 2010のアピールのため来日した、パリモーターショー事務局のジェネラル・ディレクター ティエリー・エス氏

2010年10月2日~17日開催(一般公開日)



 パリモーターショー事務局は6月10日、「Mondial de l'Automobile」(パリモーターショー 2010)の記者会見を、東京都内のホテルで行った。

 記者会見には、同事務局のジェネラル・ディレクター ティエリー・エス氏と、広報部長のカテリーヌ・ストゥッキ氏が出席し、パリモーターショーの概要を発表。今年は9月30日、10月1日がプレスデー、10月2日~17日が一般公開日となる。開催時間は10時~20時だが、木曜日にあたる7日と14日は22時まで行われる。入場料金は、一般が12ユーロ(約1300円)、10歳~18歳が6ユーロ(約660円)、9歳以下が無料。会場は、2008年に開かれたパリモーターショーと同様に、パリ市15区ポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場のホール1から8が使われる。

パリモーターショー事務局 ジェネラル・ディレクター ティエリー・エス氏パリモーターショー事務局 広報部長 カテリーヌ・ストゥッキ氏

パリモーターショー 2008の模様を動画で振り返った

 記者会見の冒頭ではパリモーターショー 2008の模様を動画で振り返るとともに、直近に開かれた5大モーターショーの中でも最多の入場者数だったことをアピール。パリモーターショー 2008の入場者数は143万2972人で、これはフランクフルトモーターショーの85万人、デトロイトモーターショーの71万5000人、ジュネーブモーターショーの69万2000人、東京モーターショーの61万4000人と比較しても群を抜いており、来場したジャーナリストも世界92カ国から1万3000人が集まったと言う。

 パリモーターショー 2010の出展者数は、自動車メーカー65社を含む計270社で、コンセプトカーをはじめ、電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)、バイオ燃料車など、環境性能に優れるモデルを積極的に展示すると言う。出展者の中にはトヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、マツダ、三菱自動車工業、いすゞ自動車、スズキなど、国内の主要自動車メーカーのほか、ブリヂストン、曙ブレーキ、アイシンなどタイヤ・パーツメーカーも含まれる。

 ティエリー・エス氏は、多くの企業が出展を決定したことについて喜びを述べるとともに、「前回は世界初公開の新車情報が80ほどあったが、今年も大きなトピックが用意される」とし、パリモーターショー 2010においてもワールド・プレミアがあることを示唆した。

 今回新たに行われる試みとして、新エネルギー専門スペースを設けると言う。ここではEV、HV、バイオ燃料車などの展示のほか、代替エネルギー、インフラ整備、市街地施設についての紹介も実施するとし、「パリモーターショー 2010は環境を全面に出していきたい」(ティエリー・エス氏)と述べた。

 新エネルギー専門スペースの近くには「来場者に当事者になってもらう企画」として、EVやHVの試乗コースが用意され、来場者がエコカーを実際に体験できるコーナーを設けるほか、エコドライブについてレクチャーするコーナーや、電気ゴーカートを使ったカートコースも用意される。また、世界中の博物館に展示されるクラシックカーの展示も行うと言い、自動車の過去から現在までを楽しめる内容としている。

 記者会見の最後に、ティエリー・エス氏は2009年は自動車産業にとって厳しい年だったとしながらも、「今年はメーカーの出展者数の多さや新しい取り組みを行うことから、来場者数に期待している」と、その期待感を述べた。

 そのほか、自動車メーカー、パーツメーカーを含めてすべての中国メーカーが現時点で出展してないことを明らかにし、「欧州で販売網が確立できていないこと」「一部の車両デザインが欧州車に酷似していること」などが出展に戸惑っている主な原因だろうとしながらも、「ぜひ中国メーカーにも参加いただけるよう期待している」(ティエリー・エス氏)と呼びかけをするとともに、昨年開かれた東京モーターショーで来場者が減少したことについて、「今は難しいときだが頑張ってほしい」と、東京モーターショー事務局にエールを送った。

(編集部:小林 隆)
2010年 6月 10日