ルノー、未発表の「カングー ビボップ」を展示
オープンエアと走りが楽しめるフレンチスタイルのトールワゴン

カングー ビボップとルノー・ジャポンCOOの大極司氏

2009年6月17日公開



環状八号線沿いにあるルノー世田谷

 ルノー・ジャポンは6月17日、東京都世田谷区八幡山にあるルノー世田谷において、未発表の「カングー ビボップ」を報道陣に公開した。

 同社は、自動車と自転車の合同イベント「ルノー&インターマックス 6 Wheel Day」やカングーユーザーのためのイベント「カングージャンボリー」などでもビボップを先行公開していたが、7月中旬に正式発表を行うことから、そのアピールをかねて本日の公開に至った。発表前のため詳細は伏せられたが、公開された内容を紹介する。

 ビボップは、2007年の東京モーターショーで展示されたコンセプトカー「カングー コンパクト コンセプト」をベースにしたモデルで、「クルマの持つ楽しみを具現化したらどうなる?」というコンセプトから開発が始まったと言う。欧州仕様のビボップのボディーサイズは3870×1830×1840mm(全長×全幅×全高)で、カングーよりおよそ300mm短い全長と、個性的なツートーンボディーカラーがエクステリア上の特徴となる。ちなみに全幅はカングー同様1830mmで、全高はわずかに高くなる模様。

 カングーの特徴とも言える広大な荷室、リアスライディングドア、ダブルバックドアはビボップに装備されないが、前後にスライドするとともに取り外しが可能なリアシート、ルーフの後ろ1/3が前方にスライドする「スライディングリアグラスルーフ」、テールゲートのガラスを開閉できる「ワンタッチ開閉テールゲートグラス」などを装備。

 パワートレーンはカングー同様、直列4気筒DOHC 1.6リッターエンジンが搭載され、トランスミッションは5速MTのみの設定となるが、ギア比など細かい部分はカングーと異なる可能性があると言う。

カングーよりも300mm程度短い全長のビボップ。ボディーカラーはレッド+シルバー
ビボップのインテリア。カラーはレッド+ダークブラウンの1色のみの設定。リアシートは左右独立タイプで、折りたためるほか取り外すこともできる。とくに後席の開放感は高い
ガラスルーフのほか、ルーフの後ろ1/3が前方にスライドする「スライディングリアグラスルーフ」が備わる
ラゲッジルームは後席を外すとかなり広い
「オープンエアを楽しんでほしい」と語る大極氏

 会場にいたルノー・ジャポンCOOの大極司氏によると、ビボップは大極氏がCOOに就任してから掲げている「FTS」(フレンチタッチ、トレンディ、スポーティ)の要素を持つモデルで、「さまざまな物を収納できるほか、走りを楽しむこともできる」とし、生活自体をファッションと捉えている層にアピールしていきたいと言う。

 ビボップの特徴は、スライディングリアグラスルーフの持つ開放感で、「背高のモデルでもオープンエアを十分に楽しめる」と述べるとともに、5速MTしか設定がないことについては、「日本でもカングーのMT車を選ぶ方が2割もいらっしゃる。これは我々が想像していた以上の割合で、そういった層にもビボップの走る楽しみを提供していきたい」と言い、ルノーのDNAはモータースポーツであり、そのことからマニュアルトランスミッションは欠かせないとした。

 ビボップは7月中旬に発表され、発売は9月初旬から。ボディーカラーはレッド+シルバー、ホワイト+シルバー、ブラック+シルバーの3色で、インテリアカラーはレッド+ダークブラウンの1色のみとなる。また、発表と同時に限定車を用意する予定で、限定車はホワイト+シルバーのほか、専用ボディーカラーとしてオレンジ+シルバーを設定し、インテリアカラーは両モデルともブルー+オレンジ+ライトグレーのコンビネーションになる。そのほかの仕様・装備は標準モデルと同様。

(編集部:小林 隆)
2010年 6月 17日