富士通テン、小型化、低価格化、機能向上を図った「車載用76GHzミリ波レーダ」
ITS世界会議釜山2010に参考出品

車載用76GHzミリ波レーダ

2010年10月19日発表



 富士通テンは10月19日、同社従来品に比べ、小型化、低価格化、機能向上を図った「車載用76GHzミリ波レーダ」を開発したと発表した。この車載用76GHzミリ波レーダを、10月25日~30日まで開催される「ITS世界会議釜山2010」の併催展示会に参考出品する。

 同社は2003年以降、前方用、後方用、前側方用の各種ミリ波レーダーを各自動車メーカーに納入しており、今回開発した製品は、前方を走行する車両との距離、角度、相対速度を計測できると言う。

 従来製品は、発信部を機械的に動かすメカニカルスキャン方式を採用していたが、車載用76GHzミリ波レーダは、電子スキャン式を採用。これにより、従来品と比べ体積比で半分以下になったほか、部品点数を大幅に削減し、低価格化を実現している。

 また、富士通研究所と共同で開発した高分解能方位検出方式を採用し、検知角を従来品の2倍以上にし、前方を走行する車両に対する横分解性能(自車と同じレーンを走行する車両と、左右レーンを走行する車両を識別する能力)を両立させたと言う。

 コントロールアプリケーションの開発に関しては、AUTOSAR(Automotive Open System Architecture)プラットフォームを採用。レーダー内部に制御や警報システムのアプリケーションを容易に取り込めるとする。

 同社は、このレーダーの製品化により、高級車で導入が進む車間距離制御走行(ACC:Adaptive Cruise Control)や、衝突時被害低減システム(CMS:Collision Mitigation System)などの安全・利便システムを、小型車やトラックに普及させたいと言う。

(編集部:谷川 潔)
2010年 10月 19日