ランボルギーニ、新開発V12パワートレーンを発表
ムルシエラゴ後継車に搭載

2010年11月15日(現地時間発表)



 伊アウトモビリ・ランボルギーニは11月15日(現地時間)、新開発のV型12気筒エンジンと、7速ATを発表した。このパワートレーンは、2011年の初頭に生産が開始され、「ムルシエラゴ」の後継車に搭載される。

 同社内で「全くの白紙から開発」したというこのV型12気筒 DOHC 48バルブ エンジンは、社内呼称が「L539」。すべてボローニャ サンタアガタの同社で組み立てられる。排気量は6.5リッター(6498cc)で、最高出力は525kW(700HP)/8250rpm、最大トルクは690Nm/5500rpm。

 伝統的な60度のバンク角を持つこのエンジンは、小型軽量であることが特長の1つ。インテークシステムやエキゾーストマニフォールドを含んだそのサイズは848×784×655mm(幅×奥行き×高さ)、重量は235kg。ドライサンプの潤滑システムと相まって、低重心化にも貢献している。

 ボア×ストロークは95×76.4mmとショートストロークで、「エンジンのキャラクターを高回転型にするため」と、内部のフリクションロスの低減のために採用した。なおボアピッチは103.5mm。圧縮比11.8:1で、吸排気に可変バルブタイミング機構を備える。

 オープンデッキ構造のシリンダーブロックはアルミ-シリコン合金製。鍛造+窒化硬化処理されたクランクシャフトは重量が24.6kgとなっている。またシリンダーヘッドは砂型鋳造のアルミーシリコン合金製で、重量は21kg。

 ピストンとコンロッドは鋳造合金とスチールでできており、ピストンスピードは8250rpmで21m/secと、ムルシエラゴのユニットを上回る数値をマークする。

 また2つの切り替え可能な冷却水路を持ち、エンジンを早く暖めることで、フリクションを最小にとどめ、触媒を素早く作動温度域に持ち上げることで排気ガス制御にも貢献する。

 パワーユニットとセットで開発されたトランスミッションは「ランボルギーニISR」(Independent Shifting Rods:インディペンデント・シフティング・ロッズ)と呼ばれる、シングルクラッチの7速AT。小型軽量化を優先して、デュアルクラッチは採用しなかった。

 カーボンファイバーのシンクロリングや、油圧アクチュエーターで動作する4つの独立したシフトロッドにより、シフトに要する時間をガヤルドのe.gearより40%短縮できたと言う。

 ステアリングホイールの裏の2つのシフトパドルで操作するこのトランスミッションは、通常走行用の「ストラーダ」、スポーティーなセッティングの「スポーツ」、サーキット走行向けの「コルサ」の3つのモードを備え、各モードで最適なシフトスケジュールなどが組まれる。また、コルサモードはローンチコントロールを使える。

 さらにこのパワートレーンは4WDで、フロントアクスルには0~60%のトルクを配分できる。

(編集部:田中真一郎)
2010年 11月 16日