メルセデス・ベンツ、新型「CLS」の発表会
全車アイドリングストップを搭載、燃費を3割改善

2011年2月18日開催



 メルセデス・ベンツ日本は2月18日、新型「CLS」の発表会を都内のホテルで開催した。

 CLSは、2004年に発表された4ドアセダン。Eクラスをベースとするが、クーペのようなフォルムとディテールのスタイリングが与えられ、「4ドアクーペ」を称する。発表会では同社の上野金太郎副社長が「4ドアクーペという新しいカテゴリを生み出したモデル」と初代を振り返ったとおり、CLSに追随したモデルが各社からリリースされた。

 6年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型CLSだが、欧州では2010年に発表されている。日本に導入されるのは「350 BlueEFFICIENCY」と「63 AMG」の2モデルとなった。

 CLSの詳細は関連記事を参照されたいが、新型のポイントを上野副社長は次の4つと説明した。

・デザイン
・前後フルLEDの灯火
・高級素材と職人の手作業による質感の高い内装
・新開発エンジンを搭載したパワートレーン

 デザインは、なだらかな円弧を描くルーフラインと、ロングノーズ&ショートデッキと高さを抑えたリアによる伸びやかなフォルムは継承しつつ、フロントマスクとサイドの造形に大きく手が加えられた。フロントグリルとボンネットはより立体的に造形され、先代と同じく大きなスリーポインテッドスターを中央に配したグリルをヘッドライトよりも前に突き出すことで、ロングノーズを強調している。

CLS 63 AMG。フロントマスクがSLS AMGと共通のイメージに

 サイドパネル上部に、フロントフェンダーとリアフェンダーをつなぐ「ドロッピングライン」と呼ぶブレスラインを入れ、さらに現行Eクラスの「ポントン」を思わせるリアフェンダーの造形と、下側のプレスラインを組み合わせることで躍動感を生み出している。

 灯火は、前後ともフルLED。フロント片側だけで71個のLEDを用いた「LEDインテリジェントライトシステム」は、ポジション、ロー/ハイ・ビームなどすべての機能がLEDで実現されている。

フルLEDの前後灯火

 インテリアは先代同様、後席中央にコンソールを設けた4人乗り。ウッドと革、さらにはカーボンパネルのトリムは5つの仕様が用意される。上野副社長は「厳選された最高級素材、熟練職人の手作業による高品位な風合いと質感、質感の高い贅沢な素材をふんだんに使ったスタイリッシュな内装」とアピールした。

 パワートレーンは、2モデルとも新開発の直噴エンジンと、アイドリングストップ機構を搭載し、先代モデルより約3割、燃費を改善している。メインのバッテリーとは別に、エンジンの再始動などに使う小型バッテリーをトランクに搭載する。

 350 BlueEFFICIENCYには新開発の3.5リッターV型6気筒エンジンと、7速AT「7G-TRONIC」を搭載。バンク角を90度から60度に改めてバランサーを廃したこのエンジンは、希薄燃焼(リーンバーン)を採用したのが大きな特徴。

 63 AMGは5.5リッターV型8気筒直噴ツインターボエンジンと、7速AT「AMGスピードシフトMCT」を搭載。ローンチコントロール機能「レーススタート」や、スポーツサスペンションなどを搭載し、「AMGパフォーマンスパッケージ」オプション(110万円)を用意。このパッケージにより、エンジンの最高出力が32PSアップの557PSに、最大トルクが100Nmアップの800Nmになるほか、19インチホイールやカーボンファイバートランクリッドスポイラーリップ、専用サスペンションなどが装着される。さらにカーボンセラミックブレーキが140万円のオプションで用意される。

CLS 63 AMG
新開発の直噴ツインターボエンジンを搭載、アイドリングストップも装備する
パフォーマンスパッケージにはカーボンの外装パーツが含まれる
リアシートは6:4の分割可倒式トランクルームの床下右に、アイドリングストップ機構用の小型バッテリーがある
63 AMGはセンターコンソール上にシフトセレクターを備えるほか、パドルシフトも装着
リアシートはセパレートタイプ

 11のボディーカラーと5つの内装を自由に組み合わせることができるこのCLS、納車は6月からだが、「パーソナル性の強いこのモデルの特性を考慮して、初期の納車分からお客様のお好みの仕様をお選びいただけるように」(上野副社長)、受注は18日から開始される。発表会場はその後、商談会場となり、引き続き全国主要都市で商談会が開催される予定。

350 BlueEFFICIENCY

(編集部:田中真一郎)
2011年 2月 18日