三菱、名古屋製作所に「岡崎新塗装工場」を建設
環境配慮型の塗装工場が完成

岡崎新塗装工場

2011年2月25日竣工



 三菱自動車工業は2月25日、同社の主力工場である名古屋製作所に既存の塗装工場に代わる「岡崎新塗装工場」を建設し、同日竣工式を実施した。建物面積は約4万4000m2

 今回の竣工にともない、岡崎新塗装工場では溶剤塗装から水性塗装に変更し、光化学スモッグの発生要因の1つであるVOC(揮発性有機化合物:Volatile Organic Compounds)排出量を、従来よりも約60%削減した。

 また、中塗り・上塗りのカラーベースとクリアの3層を連続して塗り重ねた後、1回で焼き付ける「3WET塗装」と呼ばれる塗装技術を採用し、乾燥炉の通過回数を従来の2回から1回にすることで、CO2発生量を9%削減。

ラインにはロボットタイプの新コンセプト電車搬送方式を導入

 車体を搬送するコンベアには、金属チェーンのない「フリクションコンベヤ」を採用し、工場騒音を大幅に低減した。また、ラインにはロボットタイプの新コンセプト電車搬送方式を導入し、車種ごとの形に合わせて最適な動作と自由な設定を可能にしたことで、防錆品質を向上させたと言う。

 こうした技術を導入したことにより、塗装効率を高め塗料コスト、塗装作業時間の短縮を実現したとしている。

 そのほか、工場の屋根に事務所照明用の太陽光発電パネル(50kW)を設置したり、近隣住民に配慮し乾燥炉からの排気を熱処理したりするなど、さまざまな環境対策が施される。さらに、塗装工場では珍しいとされる見学通路を設置するとともに、PRホールを併設することで、見学者に開かれた塗装工場としている。

(編集部:小林 隆)
2011年 2月 25日