フォルクスワーゲン、ジュネーブショーに新型「ティグアン」「ゴルフ カブリオレ」出展

フェイスリフトを受けた新型「ティグアン」。フロントバンパーはアプローチアングルの違いで2タイプ

2011年3月1日発表



 独フォルクスワーゲンAGは、第81回ジュネーブ国際モーターショーに新型「ティグアン」と新型「ゴルフ カブリオレ」を出展した。「ティグアン」はフェイスリフトを受け、フロントエンドのスタイリングを変更するともに、新エンジンと搭載や装備の充実を図り、「ゴルフ カブリオレ」はゴルフをベースに電動油圧式のソフトトップを組み合わせている。

ティグアン
 SUVのティグアンは、フェイスリフトを受けただけでなく、新型エンジンの搭載による燃費向上、ドライバーアシスト機構などの装備の充実が図られた。フェイスリフトでは従来のワッペングリルのイメージを残したものから、最近のフォルクスワーゲンのデザインDNAを踏襲した水平基調のものへと変化した。

 新しくなったフロントエンドの特徴は、フロントバンパー形状が異なるアプローチアングル18度のオンロード仕様と、28度のオフロード仕様に分けられたこと。18度は従来型の延長となるアーバンユース向け、28度はオフロードでの使用を好むユーザー向けで、バンパー下部にはパワートレインをガードする厳重なアンダーボディ プロテクションを装備している。

アプローチアングル18度のオンロード仕様
アプローチアングル28度のオフロード仕様インテリア

 また、サイドビューでは、フォルクスワーゲンの特徴でもある太めのCピラーを踏襲、新しいデザインのアルミホイールが従来モデルと区別できるポイントだとしている。

 搭載されるエンジンはすべて直噴ユニットで、欧州市場向けにはガソリンエンジンが90kW/122PS~155kW/210PSまで4タイプ、ディーゼルエンジンが81kW/110PS~125kW/170PSまで3タイプの計7タイプが用意される。駆動方式は2WD(FF)と、4WDの4MOTIONがあり、FF仕様ではブレーキエネルギー回生システムとアイドリングストップのスタート/ストップシステムを搭載したブルーモーションテクノロジーが組み合わされる。

 新たに装備される安全装備はヘッドライトの自動制御システムであるライトアシストとダイナミックライトアシスト、車線維持のためのレーンアシスト、駐車支援システムであるパークアシストなど。これらの多くはユーザーの好みでオプションで提供される。

ゴルフ カブリオレ

ゴルフ カブリオレ
 新型ゴルフ カブリオレは、電動油圧式のソフトトップにより、9.5秒でルーフの開閉ができる4人乗りオープンモデル。ソフトトップを閉じた状態のボディーサイズは4250×1780×1420mm(全長×全幅×全高)と、ゴルフと同等のサイズになっている。

 2011年の欧州モデルでは、77kW/105PS~155kW/210PSまで6タイプのエンジンが用意され、すべて直噴ターボユニットとなる。ガソリンが1.2リッターTSIから2.0TSIまで4タイプ、ディーゼルが1.6TDIと2.0TDIの2タイプ。エンジンによってマニュアルトランスミッションとデュアルクラッチトランスミッションのDSGが選べる。

 また、ガソリンエンジン3タイプとディーゼルエンジン1タイプでは、近い将来、ブレーキエネルギー回生システムとアイドリングストップのスタート/ストップシステムを搭載したブルーモーションテクノロジー仕様も追加されると言う。105PSの1.6TDIエンジンでは欧州複合燃費で100km走行で4.4L消費(1Lあたり22.7km)、CO2排出量は117kg/kmという環境性能を持っている。

 ソフトトップは安全対策として、リアシートに1000分の数秒で展開する自動展開式のロールオーバーバーを搭載、強化されたフロントウインドウフレームなどによって最高の乗員保護能力を発揮するとしている。また、静的ねじれ剛性値は1万3500Nm/度以上にとなり、コンパーチブルボディーとしては最高水準の値だとしている。

 また、新開発のウインドーやドアのシール機構や、ソフトトップの外皮のファブリックの縫い目を雨樋として機能するなどの工夫を行っている。収納時の厚みも小さくなったため、トランクスペースも250Lを確保している。

(正田拓也)
2011年 3月 1日