ランボルギーニ、新フラッグシップ「アヴェンタドール LP700-4」正式発表
カーボンモノコック、プッシュロッドサス、新開発V12エンジンなど装備

2011年3月3日



 アウトモビリ・ランボルギーニ・ジャパンは3月3日、新フラッグシップスポーツカー「アヴェンタドール LP700-4」を発表した。第1号車の納車は晩夏としている。

 ムルシエラゴの後継となるこの車についてはこれまで、パワートレーンやサスペンション、ボディー構造について部分的に明らかにされてきたが、全体が正式発表となった。車名のアヴェンタドールは、同社の歴代フラッグシップ同様に、闘牛の名前から採られた。

 ミッドシップに縦置きされるエンジン「L539」は、既報通り6.5リッターのドライサンプ60度V型12気筒48バルブ自然吸気で、最高出力は515kW(700PS)/8250rpm、最大トルクは690Nm/5500rpm。7速ISRと呼ばれるシングルクラッチ・シーケンシャルトランスミッションと、第4世代ハルデックスカップリングをトルク配分機構とし、電子制御のフロント・デファレンシャルとセルフブロッキング式のリア・デファレンシャルを備える4WDシステムを搭載する。

 ISRは「インディペンデント・シフティング・ロッド」を意味し、変速時に複数のシフティング・ロッドが、ギアの開放と締結をオーバーラップして行うことで、変速に要する時間を短縮する。この仕組みにより、デュアルクラッチ・トランスミッションよりも軽量で、かつ、ガヤルドのeギアより約140%速く変速できるとしている。

 ボディーはカーボンファイバーのモノコックと、アルミの前後サブフレームで構成され、アルミ製のエンジンとともに、乾燥重量を1575kgに抑えた。

 この結果、パワーウェイトレシオは2.25kg/PSとなり、最高速度は350km/h、0-100km/h加速は2.9 秒を実現。さらにムルシエラゴからCO2排出量が20%削減されている。

 サスペンションは前後ダブルウィッシュボーンで、プッシュロッド式。カーボンファイバー・セラミックのブレーキ・システム、ESPなどを備える。

 スタイリングはムルシエラゴベースのスペシャルモデル「レヴェントン」を思わせるもので、ウエッジシェイプのフォルムに長いフロントオーバーハングと短く切れ上がったリアオーバーハングを持つ。フロントドア後端から後輪までの長さは縦置きV12エンジンを想像させるが、ここには大型の電子制御エア・インテークが備えられる。

 空力付加物の類は持たないが、リアデッキには電子制御で4度と11度の角度で立ち上がるエアスポイラーが備えられる。

 ヘッドライトはバイキセノンだが、LEDのポジション・ランプとターンシグナル・ランプを備える。

 カウンタック、ディアブロ、ムルシエラゴと同様に前方に跳ね上がるドアを開けてコクピットに乗り込むと、ドライバーの前方にはTFTディスプレイがある。中央の円形のディスプレイはスピードメーターとレヴカウンターを切り替えて表示でき、その周囲に様々な情報が表示される。

 センターコンソールにはインフォテインメント用のディスプレイなどを装備。エンジンスタートボタンには、赤いスイッチカバーが付く。

 車体色は13色用意され、うち3色はマットになる。エンジンフードはオプションで透明なものが用意される。

サイズ(全長×全幅×全高)[mm]4780×2030×1136(ミラー除く)
ホイールベース[mm]2700
トレッド(前/後)[mm]1720/1700
重量1575kg
前後重量配分43:57
エンジン6.5リッターV型12気筒DOHC
ボア×ストローク[mm]95×76.4
圧縮比11.8 ±0.2
最高出力515kW(700PS)/8250rpm
最大トルク690Nm/5500rpm
排ガス規制適合値EURO5-LEV2
潤滑システムドライ・サンプ
変速機7速シングルクラッチAT
サスペンション前後ダウブルウィッシュボーン/プッシュロッド
前タイヤ255/35 19インチ
後タイヤ335/30 20インチ

(編集部:田中真一郎)
2011年 3月 3日