東京都、福祉分野向けに電池容量を減らした安価なEVを要請

2011年5月17日発表



 東京都は5月17日、福祉分野における電気自動車(EV)の活用実証事業の結果を踏まえ、低電池容量で安価なEVの開発を自動車メーカーに要請した。

 東京都と葛飾区、昭島市、国立市は、2010年度に福祉分野でのEV利用形態を探る実証事業を行った。

 具体的には三菱自動車のi-MiEV 4台を訪問介護のモデル事業者が使用した。154日使用した結果、走行距離は累計2499km、1日あたりの平均走行距離は16.2kmとなった。

 実験では1日あたりの走行距離は最高でも54kmに留まっており、夜間はほとんど使用しなかった。走行距離が短く、夜間の長時間充電が可能なため、暖房負荷の大きな冬季に実験を行ったにも関わらず、ほぼ普通充電で1日の所要電力量をまかなえたと言う。また、騒音や排気ガスの面から、市街地での福祉分野に適していることも確認できた。

 この結果を踏まえ、訪問介護を行う事業所が約2800に登ることから、東京都はEVの電池を小型化して低価格化できる分野があると結論。自動車メーカーに、電池を小さくして安くしたEVの開発を要請した。電池容量が小さければ、充電時間の短縮も可能になる。

 あわせて、リフト車や大きめのワンボックス車の開発と、パソコン、医療機器の電源として、また非常用電源として使えることを要請した。

(編集部:田中真一郎)
2011年 5月 17日