ポルシェ、EVのスポーツカーコンセプト「ボクスターE プロトタイプ」
「ミシュラン チャレンジ・ビバンダム」で後輪駆動と4輪駆動モデルを展示

よりクリーンで安全な、燃料効率の高い車の最新技術を紹介する国際的なフォーラム「ミシュラン チャレンジ・ビバンダム」で公開された「ボクスターE プロトタイプ」

2011年5月18日~22日公開



 独ポルシェAGは、5月18日~22日に行われた「第11回ミシュラン チャレンジ・ビバンダム」に2種類の電気自動車(EV)のスポーツカーコンセプト「ボクスターE プロトタイプ」を展示した。

 展示車両は前後アクスルに電気モーターをそれぞれ備えた4輪駆動モデルと、電気モーター1つを搭載した後輪駆動モデル。いずれもEVの実用性や、運転、バッテリー充電といった使われ方を調査するために開発されたもので、製品化に向けた研究用として使われるが、ボクスターのもつ優れた前後重量配分を活かした高いドライビングダイナミクスを発揮すると言う。

 4輪駆動のボクスターEが搭載する電気モーターは、最高出力180kW、最大トルク540Nmを約1万2000rpmで発生させる高出力型で、0-100km/h加速5.5秒、最高速度200km/hのスペックを誇る。

 一方、後輪駆動のボクスターEは最高出力90kW、最大トルク270Nmを発生する電気モーターを搭載し、0-100km/h加速は9.8秒、最高速度は150km/hに抑えられた。

 いずれのモデルも29kWhの容量を持つリン酸鉄リチウムイオンバッテリーがエンジンに代わって搭載され、航続可能距離は約170km(NEDC基準)としている。また、バッテリーは市販車のエンジンと同様に車体の下側から搭載されるが、特殊なファスナーを使うことで交換作業を容易にするほか、システム内にエアを混入させずにバッテリーを冷却回路から切り離すメリットがあるとしている。

 そのほか、4輪駆動モデル、後輪駆動モデルともに歩行者に車両接近を知らせる車両接近通報装置「アクティブサウンドデザインシステム」を搭載。バッテリーの充電については、普通充電器を使ってフル充電に約9時間必要。

(編集部:小林 隆)
2011年 5月 25日