SUPER GT第3戦セパンで初音ミク号が悲願の初優勝
GT300クラスで、予選・決勝ともに1位

悲願の初優勝を果たした初音ミク グッドスマイル BMW

2011年6月19日決勝開催



 6月19日、AUTOBACS SUPER GT第3戦「SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA」の決勝レースがマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで開催された。GT300クラスに参戦中の人気チーム、4号車 初音ミク グッドスマイル BMW(谷口信輝/番場琢 )が悲願の初優勝を達成した。レース全体の模様は後ほど掲載するが、初音ミク グッドスマイル BMW優勝の速報をお届けする。

 今シーズン、グッドスマイルレーシングはエースドライバーに谷口信輝選手、スポーティングディレクターに片山右京氏、マシンをBMW Z4 GT3と揃え、必勝態勢で臨んだ。開幕戦の富士が5位、前戦の岡山が4位と健闘するも表彰台にはわずかに手が届かない結果となっていたが、レース中の速さを見れば表彰台、さらに優勝が可能なレベルに来ていることは明らかだった。

 第3戦の舞台はマレーシア・セパン。谷口信輝選手は、昨年M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7で優勝するなど、ここセパンを得意としている。その実力を発揮し、予選でポールポジションを獲得。初音ミク グッドスマイル BMWにとって初のポールポジションとなった。

GT300クラスのスタート(Photo:Burner Images)4号車はトップをキープして1コーナーに侵入(Photo:Burner Images)1周目の4コーナーをトップで通過

 迎えた決勝。天気は曇り。現地時間、夕方4時過ぎにレースはスタートした。スタートから飛び出した谷口選手は2位以下を大きく引き離し、10周目には2位の27号車 PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリに対し11秒のマージンを築いた。3位を走る11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は前が詰まったこともあり14周目に早めのピットイン、平中選手が後方から谷口選手を上回るラップタイムで追い上げを開始した。

毎周差を広げ独走態勢を築く
バックストレートを大差で逃げる4号車直線1本分の大差となる

 独走を続けた谷口選手は2位以下に28秒の差を付けて25周目にピットイン、レース後半を番場選手に託した。アウトラップを終え、序盤にピットインを済ませた実質2位の11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458の平中選手との差は7.1秒。見かけ上の2位とは大差を築いていたが、早々にピットを済ませた実質2位との差は思ったほど開いてはいなかった。

 残り15周となる27周目のラップタイムは番場選手が2分11秒1、平中選手が11秒9、その後もほぼ互角のタイムで表彰台の頂点を争う攻防は続いた。残り10周時点で2台の差は7.6秒だったが、残り8周となる34周目のラップタイムは番場選手が2分14秒1、平中選手が12秒1。2台の差は5.5秒に縮まった。

番場選手に交代後も7秒差でトップ独走残り8周から徐々に差が縮まる11号車平中選手は番場選手をロックオン

 ここから平中選手の怒濤のラストスパートが始まる。残り7周でその差は4.4秒、残り5周で1.6秒と一気に縮まりゴールまでテール・トゥ・ノーズの争いとなった。

 残り2周、バックストレート進入の14コーナーで平中選手が番場選手のインに飛び込みサイド・バイ・サイド。直線スピードに勝る4号車 初音ミク グッドスマイル BMWがバックストレート、続くメインストレートで引き離す。コーナー区間で平中選手がすぐに差を詰め最終ラップを9コーナー(ヘアピン)でトップに立てるチャンスがあったが、GT500クラスのマシンが間に入り差が広がった。

最終ラップのヘアピン手前。11号車に首位奪取のチャンスGT500クラスのマシンが間に入り差が広がった最後のバックストレートで差を広げる番場選手

 番場選手はその差を活かし14コーナーまで逃げる。続くバックストレートで差を広げ、最終コーナーのブレーキングで差を詰められるが、そのまま逃げ切りチェッカーフラッグをトップで受けた。実質参戦4年目で悲願の初優勝を獲得、ポイントランキングも2位となりシリーズチャンピオンの可能性も高くなった。

そのまま逃げ切りトップでチェッカーを受けた(Photo:Burner Images)ついに表彰台の頂点に立った(Photo:Burner Images)

(奥川浩彦/Photo:奥川浩彦、Burner Images)
2011年 6月 21日