光岡とユアサM&B、3輪トラックEV「雷駆(ライク)-T3」共同開発 実証試験モニターを募集 |
光岡自動車とユアサM&Bは7月7日、3輪電気自動車(EV)「雷駆(ライク)-T3」を共同開発したことを発表した。雷駆-T3は、7月8日から実証実験の法人モニター参加者を募集。9月からモニターによる実証実験を開始し、期間は3カ月程度(1社あたり1カ月)を予定している。この実証実験ので得られた知見を反映して、市販化を目指していく。
光岡自動車代表取締役会長 光岡進氏 | 雷駆-T3の重心について語る光岡会長。後部にバッテリーとモーターを搭載するため、4輪車ほどではないが安定性は高いと言う |
都内で行われた発表会で、光岡自動車代表取締役会長 光岡進氏は「光岡はこれまで、マイクロカーEVシリーズ『MC-1TEV』や『コンボイ88』を手がけてきた。これらは原付(原動機付き自転車)として出してきたが、雷駆T-3は側車付軽二輪車(トライク)となるため積載量も大きくなる」と言い、原付からトライクになったことで、最大積載量120kgを実現。これにより、原付EVでは使いづらかった配達などの用途でも使えるようになったこと、普通自動車免許で運転できること、乗車定員は2名に増えたこと、ヘルメットが不要であることを強調した。
光岡自動車は、三菱自動車工業のEV「i-MiEV」のOEM供給を受け、外装を変更した4輪EV「雷駆」を発売中だ。同じシリーズ名にしたことについて光岡会長は「雷と電気の発見は深い関係にあり、その電気で駆動することから(EVに関しては)雷駆と名付けている。雷駆-T3は、電気で駆動する3輪トラック」(光岡会長)と言い、OEMやオリジナル開発にかかわらず光岡のEVについては雷駆シリーズのネーミングが用いられるのかもしれない。
雷駆T-3 主要諸元 | |
車種 | 側車付軽二輪車(トライク) |
必要免許 | 普通自動車免許 |
車検・車庫証明 | 不要 |
そのほか | ヘルメットの着用義務なし |
ボディーサイズ(全長×全幅×全高) | 2450×1070×1130mm |
ホイールベース/トレッド(リア) | 1420mm/940mm |
車重 | 320kg |
定員 | 2名 |
最大積載量 | 120kg(60kg:2名乗車時) |
最小回転半径 | 2m以下 |
最高速度 | 60km/h以下 |
1充電走行距離 | 60km(40km/h定地走行) |
充電時間 | 約6時間 |
充電器電源 | 単相交流100V~200V |
バッテリー | リチウムイオンバッテリー |
総電圧/総電力量 | 72V/4kWh |
電動機種/定格出力 | 交流誘導電動機/3kW |
ユアサ M&B 代表取締役社長 松田憲二氏。松田社長は、大阪の御堂筋を飾り付けを行った雷駆-T3でパレードしたいと語った |
発表記者会見には、雷駆-T3に搭載するリチウムバッテリーの供給会社であり、共同開発社であるユアサ M&B 代表取締役社長 松田憲二氏も出席した。松田社長は、環境のためにはEVが最適あるとした上で、震災後、電力のピークシフトが望まれていることもあってか、雷駆-T3にスマートグリッドを見据えた蓄電池としての用途を期待。この試作機には、AC100Vの放電機能は実装されていないが、オプションとして開発中とのことだ。
搭載バッテリーのスペックに関しては、試作車であるため非公開。今後、価格面なども考慮し、詳細を決めていくことになる。光岡会長は目標価格を「補助金などを得て、100万円以下にしたい」と言い、発売時期に関しては今年度中を目指すとした。
モニター申込は、7月8日から光岡自動車のWebサイトと、ユアサM&BのWebサイトから受け付ける。モニター台数は、光岡自動車が4台、ユアサM&Bが2台。いずれも無料で利用が可能だ。詳細は各社のWebサイトを参照のこと。
なお、先日4輪EV雷駆のベース車であるi-MiEVが、2グレード構成になる一部改良を行った。この改良型i-MiEVをベースとする雷駆については、「OEM供給を受けしだい発表したい」(光岡会長)と言い、その際は雷駆も2グレード構成になるだろうと語った。
(編集部:谷川 潔)
2011年 7月 7日