BASF、小学生の夏休み塗装工場見学を公開
小学生がスプレーガンで車両を塗装

小学生が塗装した車両

2011年8月3日開催



 BASFコーティングスジャパン(BCJ)は3日、栃木県宇都宮市のホンダボディーサービス栃木で、地元小学生の自動車修理工場見学の模様を公開した。

 宇都宮市が企画したもので、小学生が同市内で環境に配慮した工場を見学する。ホンダボディーサービス栃木はBCJの自動車補修用水性塗料「R-M」をいち早く導入しており、水性塗料使用にあたっての従業員教育などを、BCJと共同で行っている。また、BASFが主催するベストペインターコンテストの、2010年世界チャンピオンである永塚伸洋氏が所属する工場でもある。

 見学は2回行われ、参加した小学生は各回15名の計30名。自動車修理工場の仕事や、自動車の塗料についてのレクチャーを受けてから、工場見学と自動車の塗装体験をするというスケジュールで進められた。

 特にこの工場で使用されている水性塗料は、光化学スモッグのもととなる揮発性有機化合物(VOC)をほぼ含まないことから、この工場見学のテーマでもある環境問題に果たす役割が大きいことが説明された。欧州ではすでに使用が義務付けられているが、日本ではまだ使用者の意思に委ねられている水性塗料だが、この工場を小学生が見学できるのも、有害物質が少ない水性塗料が使われているからだ。

ホンダボディーサービス栃木。ベストペインターの永塚氏が所属しているまず、この工場の役割や塗装についてのレクチャーがあった
この工場で使われているBCJの水性塗料「R-M」は、光化学スモッグのもとになる揮発性有機化合物をほぼ使っていないため、エコマークを取得している
現在、1000色以上の自動車が日本にあるが、その色は調色で作られ、さらに金属や雲母を配合することでメタリックやパールの塗装を作る

 レクチャーが終わり、工場内に足を踏み入れた15名の小学生は、工場見学と塗装体験に移った。

 工場見学では、自動車修理の各工程を現場の作業員が説明。修理するパーツの交換(この時はリアゲートだった)、ランプやガーニッシュの取付、パテ埋め、修理に使うエア工具(圧縮空気で高速回転させるドライバーなど)などの説明を受けてから、エア工具で実際にタイヤのボルトを着け外しする体験をした。

 大半の小学生は大きな音を立てるエア工具を最初は怖がっていたが、作業員の指導と助けで、リフトに載ったクルマのホイールのボルトを、全員が外せるようになった。

レクチャーの後はいよいよ工場に入り、板金や修理の工程を見学した
圧縮空気で動作するエア工具で、ホイールのボルトを着脱する体験。大きな音がするので「最初は怖かったけど面白かった」。付き添いのお母さんも違うパーツで体験した

 塗装体験は、塗装ブースに置かれた体験用の車両に、スプレーガンで虹の絵を描くというもの。スプレーガンは実際の作業で使うものより小型で、塗料も水性塗料ではなく水彩絵の具。しかし小学生たちは現場の作業員同様にツナギにマスク、帽子、手袋、靴カバーのフル装備を身に付け、各々好きな色を選び、車体の指定された箇所にスプレーガンで色を吹きつけていった。

 各組10分ほどの作業で描き上げた車両は、約1週間後からホンダカーズ栃木のインターパーク店に展示される予定だ。

いよいよ塗装体験に。塗装ブースには白い下地を塗った体験用の車両が用意されていた
塗装体験は4組に別れて行われた。用意された子供用のツナギに着替え、マスクや手袋も着けたフル装備に
作業員にスプレーガンの操作を教えてもらいながら、虹の色を塗っていく
完成した車両はインターパーク店に展示される予定体験終了後の記念撮影。後列右から2人目がベストペインターの永塚氏

(編集部:田中真一郎)
2011年 8月 4日