BMW、2シータークーペ「MINI クーペ」日本導入 クーパー、クーパーS、ジョン・クーパー・ワークスの3モデル |
MINIブランド・マネージメント 執行役員のカイ・ゼグラー氏(左)と6月に行われたニュル24時間レースに出場したヘンドリック・フィース選手(右)、MINI クーペ |
2011年9月27日予約受付開始
297万円~426万円
ビー・エム・ダブリューは9月27日、MINIブランドの量産モデルで初となる2シーター・クーペ「MINI クーペ)」の予約受付を開始した。価格は297万円~426万円。納車は12月以降を予定している。
この予約受付に先立ち、9月24日に富士スピードウェイにおいて、MINI クーペの発表会が行われた。その模様をお伝えする。
モデル | エンジン | 変速機 | 価格 | エコカー減税 減税率 |
クーパー | 直列4気筒1.6リッター | 6速MT | 297万円 | 75% |
6速AT | 310万円 | - | ||
クーパーS | 直列4気筒1.6リッターターボ | 6速MT | 339万円 | 75% |
6速AT | 352万円 | 50% | ||
ジョン・クーパー・ワークス | 6速MT | 426万円 | - |
MINI クーペは、ハッチバック、コンバーチブル、クラブマン、クロスオーバーに続く5番目のモデル。
2009年にコンセプトモデルが登場してその存在が明らかになり、今年のフランクフルト・モーターショーでプロダクションモデルを発表。日本に導入されるのはクーパー、クーパーS、ジョン・クーパー・ワークスの3モデルで、いずれも直列4気筒DOHC 1.6リッターエンジンをベースとするが、クーパーは自然吸気、クーパーS/ジョン・クーパー・ワークスはターボチャージャーを組み合わせる。
さらにクーパーSとジョン・クーパー・ワークスでは出力特性が異なり、前者は最高出力135kW(184PS)/5500rpm、最大トルク240Nm/1600-5000rpm(オーバーブースト時:260Nm)を、後者は155kW(211PS)/6000rpm、最大トルク260Nm/1850-5600rpm(同:280Nm)を発生する。
また、ブレーキ・エネルギー回生システム、スタート&ストップシステム、電動パワーステアリングといった「ミニマリズム」と呼ばれる環境技術により、クーパーおよびクーパーSの6速MT車はエコカー減税によって自動車取得税と重量税が75%、クーパーSの6速AT車は50%軽減される。
スタイリングはMINIブランドで初となる3ボックスボディーを採用し、ハッチバックよりも車高を50mm低くするとともに、Aピラーを13度寝かせたことでCd値を低減し、より加速性能を高めた。また、80km/hを越えると自動的にせり上がり、空力性能を最適化する「アクティブ・リア・スポイラー」を、MINIブランドで初採用している。
ボディーカラーはソリッドカラーのチリ・レッド、ペッパーホワイトと、メタリックのスパイス・オレンジ、ミッドナイト・ブラック、ブリティッシュ・レーシング・グリーンII、エクリプス・グレー、ライトニング・ブルー、ホワイト・シルバーの計8色を設定。
さらにルーフカラーにジェット・ブラック、ピュア・シルバー、チリ・レッドの3色を用意するほか、ドアミラー・キャップ、ホイールの組み合わせにより約250通りのカスタマイズを可能にしている。
MINIブランド・マネージメント 執行役員 カイ・ゼグラー氏 |
発表会では、MINIブランド・マネージメント 執行役員のカイ・ゼグラー氏が登壇。
ゼグラー氏は初めに日本には11万人のMINIユーザーがいること、2005年以降、MINIは日本市場で5番目に販売台数が多いブランドであることのほか、ライバル勢から日本での販売不振の声が聞こえる中、「我々は違う。常に成長しているし、MINIの販売網を拡大していく夢がある」とし、日本が重要な市場であることを強調した。
そして、当日はジョン・クーパー・ワークスシリーズの成約者を富士スピードウェイに招待するサーキットイベントとの併催だったこともあり、ジョン・クーパー・ワークスの歴史についても触れた。「1960年代はラリーフィールドで躍進したが、スモールカーが優勝するということは誰も信じていなかった」と言い、小さいクルマが大きいクルマに挑むという構図だったにも関わらず、ハンドリングがよかったこと、軽量であったことなどが勝因だったと振り返る。そしてMINIのルーツはラリーにあることから、2012年にWRC(世界ラリー選手権)に出場することについて紹介した。
一方、MINI クーペについては「トランクにはゴルフバックが積むことができ、レースを楽しむこともできる」と述べるとともに、重量配分、エアロダイナミクス、サスペンション、ボディー剛性の項目で特に優れている述べ、これによって「正確なハンドリングを生み出しており、ゴーカートフィーリングは健在。レースカーを楽しむことができる」と、その完成度に自信を覗かせた。
ゼグラー氏の説明が終わると同時に、6月に行われたツーリングカーレース「ニュルブルクリンク24時間レース」に、MINI クーペをベースにしたレース車両で出場したヘンドリック・フィース選手が、ジョン・クーパー・ワークス クーペを駆って突如登場。
そのフィース選手のジョン・クーパー・ワークス クーペについての印象を要約すると、「非常に速い」「コンパクトボディーなのに安全性に優れる」。乗って楽しいクルマであることを強調していた。
なお、発表・発売時期については触れられなかったものの、ゼグラー氏からクーペバージョンのクロスオーバーモデルを日本市場に導入することが明らかにされている。
会場にはビー・エム・ダブリューのローランド・クルーガー社長(左)や本国からエンジニアらも来場していた | 会場に突如あらわれたMINI クーペ | 乗っていたのはニュル・24時間レースにMINI ジョン・クーパー・ワークス・エンデュランスで出場したヘンドリック・フィース選手 |
クーパー クーペ | クーパーS クーペ | ジョン・クーパー・ワークス クーペ | |
トランスミッション | 6速AT/6速MT | 6速MT | |
全長×全幅×全高[mm] | 3740×1685×1380 | 3745×1685×1380 | 3715×1685×1380 |
ホイールベース[mm] | 2465 | ||
前/後トレッド[mm] | 1460/1465 | 1455/1460 | |
重量[kg](MT車) | 1200(1170) | 1270(1240) | 1230 |
エンジン | 直列4気筒DOHC 1.6リッター | 直列4気筒DOHC 1.6リッターターボ | |
最高出力[kW(PS)/rpm] | 90(122)/6000 | 135(184)/5500 | 155(211)/6000 |
最大トルク[Nm/rpm](オーバーブースト時) | 160/4250 | 240(260)/1600-5000 | 260(280)/1850-5600 |
10・15モード燃費[km/L](MT車) | 16.2(20.5) | 15.6(20.0) | 非公開 |
JC08モード燃費[km/L](MT車) | 15.4(19.0) | 15.4(17.6) | 非公開 |
前/後サスペンション | マクファーソン・ストラット/マルチリンク | ||
前/後タイヤ | 175/65 R15 | 195/55 R16 | 205/45 R17 |
前/後ホイール | 5.5J×15 | 6.5J×16 | 7J×17 |
定員[名] | 2 | ||
トランク容量(L) | 280 |
【お詫びと訂正】記事初出時、クーパーSのボディーサイズが異なっておりました。お詫びして訂正させていただきます。
(編集部:小林 隆)
2011年 9月 27日