STマイクロ、第3世代の車載用画像認識SoC「EyeQ3」
世界初の画像によるアダプティブ巡航制御が可能に

2011年10月4日(現地時間)



 STマイクロエレクトロニクスは10月4日(現地時間)、視覚ベースの運転支援システム向けSoC(システム・オン・チップ)「EyeQ3」ファミリーを、オランダのMobileyeと共同開発すると発表した。

 EyeQ3は、STマイクロエレクトロニクスとMobileyeが共同開発する自動車向けSoCの第3世代に当たる製品。イメージセンサーで捉えた画像を認識し、自動車の予防安全に活かすための、様々な機能を備える。

 第1世代の「EyeQ1」は、車線逸脱警告、アダプティブ・ヘッドライト、交通標識認識、レーダーとカメラの融合による衝突回避、前方衝突警告などの機能を備える。

 第2世代の「EyeQ2」は、処理能力をEyeQ1の6倍に向上したうえ、EyeQ1の機能に加え、歩行者検知機能、自動ブレーキなどの歩行者保護機能を備える。EyeQ2は、ボルボ S60で採用されており、その他の複数メーカーからも採用車がリリースされる予定。

 EyeQ3は、高解像度化に対応するため、マルチスレッドMIPS32コア×4とMobileyeの新世代ベクトル・マイクロコード・プロセッサにより、さらに6倍の性能向上を予定する。またヘッドライト制御を強化し、進行方向モニタと警告、全速度範囲における世界初の画像によるアダプティブ巡航制御システム、低速時の画像のみの衝突緩和、障害物検知などの機能が搭載される。またサラウンド・ビュー・システムからの複数のカメラ入力にも対応する。

 さらに、EyeQ3のコア・アーキテクチャのサブセットを持つ機能限定版「EyeQ3-Lite」を開発する予定。

 EyeQ3はすでに2件の受注を獲得しており、2014年に量産を開始する見込み。

(編集部:田中真一郎)
2011年 10月 12日