【モニターリポート】ヤナセ、シートクッション「TEMPUR Car Comforter」


 ヤナセが、テンピュールと共同開発したシートクッション「TEMPUR Car Comforter(テンピュール カー コンフォーター)」。新色のグレーが追加されたのを機会に、本誌で読者モニターを実施した。当選したのは、大阪府在住のにしやん氏。このたびにしやん氏から、モニターリポートが届いたので、ここにお届けする。


愛車のプリウス

 ヤナセが販売するシートクッション「TEMPUR Car Comforter」が到着し、早速愛車であるトヨタ「プリウス」(ZVW30)に装着してみた。TEMPUR Car Comforterの取り付け個所は、ヘッドレスト部、シートヒンジ部、座面前方部の3個所となる。ヘッドレスト部とシートヒンジ部は、ワンタッチコネクタがついたバンドを背面で止める。座面前方は多少面倒で、ゴムのひもについたフック2個所をシート裏に引っかける必要があるが、作業時間は10分程度で完了する簡単さであった。

 背面側の2つのバンドはロックをはめ込んで、バンドを引っ張って少しきつめに調整すれば完了する。シート座面裏側のフックも適当なテンションをかけて引っかけただけだが、しっかりと座面とフィットし、ずれるようなことはなかった。

 自分の普段のクルマの使い方は、やや渋滞気味の国道を往復30km、休日のゴルフ場もしくは、ゴルフ練習場まで乗るというのが主要な用途である。現在は、プリウスに乗っているが、これまでトヨタ「スターレット」、三菱自動車「ギャランVR4」、スバル「インプレッサ」、三菱自動車「ランサー エボリューション」、スバル「レガシィ」などで大半はラリー車として使ってきた。従って、シートの好みは、バケットシート的なサイドサポートがしっかりあり、固めのシートクッションを備えたものが好みである。固めのシートクッションだとお尻が痛くなるように思われる方が多いと思うが、私にとっては逆に柔らかい座面のほうが、圧力がかかってしまい、お尻や太ももの裏側が痛くなる。

TEMPUR Car Comforter取り付け前のシート取り付け作業時間は10分程度。簡単だったTEMPUR Car Comforterを取り付けたシート

 プリウスにTEMPUR Car Comforterを装着し、500km程度使用した感想であるが、インテリアとしては、アクア色の内装に濃い目のグレーがアクセントとなり、スポーティな感じを与えてくれる。

 前のクルマがレガシィ(BLE)の革シートであったので、プリウスのシートは少し柔らかすぎると感じていた。このTEMPUR Car Comforterを使用するとテンピュール素材の低反発クッションにより、シート部がほどよい固さとなった。表皮はメッシュ素材となっているため、このメッシュがコーナリング時のホールド性を高めてくれる。ただし、それは摩擦係数が高くなったためでもあり、乗り降りする際に多少引っかかる感触があった。また、シートクッションを装着すると、結果的にサイドサポート部の出っ張りが相対的に小さくなるため、車種によってはホールド性が低下するかもしれない。

 TEMPUR Car Comforterでの不満点は、ランバーサポート。TEMPUR Car Comforterには、上下30cmの高さ調整可能のランバーサポートが装着可能となっているのだが、低反発のテンピュール素材とはいえ、ランバーサポートを装着すると出っ張りが大きすぎ、背中が浮いてしまう。

 上下30cmの調整が可能とWebページでは説明されていたので、マジックテープのようなものによる調整式かと思っていたが、支点が縫い付けられていて、上下にパタンと返す方式が採られている。自分の使い方では、上側でも下側でも位置と厚みがしっくりこなかった。


背部中央にあるのがランバーサポート。ランバーサポート部のクッションが取り外せるため、取り外して使用している

 また、ランバーサポートは高速道路などで長距離走行時に使いたくなるものであるが、シートクッションという構造上、このランバーサポートは横からテンピュール素材のクッションを挿入する方式となっており、走行中にセッティングするのは困難。最終的には、テンピュール素材のシートクッションをランバーサポート部に挿入せずに使用している。

 その点を除けば、このTEMPUR Car Comforterを使い出して、座面の固さが適度になり、またテンピュール素材のクッションにより体の形に合わせて沈み込むため、渋滞で長時間座り続けなければならない状況でもお尻や太ももの座面側が痛くなる現象が緩和され快適になった。

 表面がメッシュ構造になっているので、暑い日でもシートと体が接している面の蒸れがなくなったように感じた。今回この製品を500km程度モニター試用したが、プリウスのようにシートがふかふかでサイドサポートのあまりよくないクルマでは、疲労軽減と蒸れ防止の効果で快適性が向上した。体のサポート性に関しても、若干の改善効果が得られると思う。 ただ、ランバーサポートはもっと薄くできるような構造であればうれしいし、その取り付け位置に関しても自由度の高い方式であればよいと思った。

(大阪府のにしやん)
2011年 11月 7日