チャンピオン2人とチャンピオン候補が来社し、富士スプリントカップをアピール
柳田真孝選手、谷口信輝選手、塚越広大選手が来社


富士スプリントカップのプロモーションで来社した、柳田真孝選手、塚越広大選手、谷口信輝選手(写真左より)

 「JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2011」(以下、富士スプリントカップ)が11月11日~13日に、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催される。

 富士スプリントカップは、SUPER GTとフォーミュラ・ニッポンのシーズン終了後に行われる特別戦で、JAF(日本自動車連盟)の冠がつけられた特別な大会として昨年初めて開催された。

 昨年は土曜日、日曜日それぞれにSUPER GT、フォーミュラ・ニッポンの決勝が行われる方式が採用されていたが、今年はSUPER GTが土日それぞれに決勝、フォーミュラ・ニッポンは日曜日に決勝が行われる形に変更され、昨年も好評を博した往年のレーサー達による「レジェンドカップ」などのサポートレースも充実しており、観客を飽きさせないイベントになりそうだ。

フォーミュラカー、GTとそれぞれ最高峰のレースを、1つのイベントで堪能できる富士スプリントカップ

 その富士スプリントカップのプロモーションの一環として、2011年SUPER GTのGT500クラス王者である柳田真孝選手、同じくGT300クラス王者の谷口信輝選手、今週末に行われる予定のフォーミュラ・ニッポンでタイトル争いをしている塚越広大選手の3人が編集部を訪れてくれたので、その模様をお伝する。

2大レースを同時に楽しめる富士スプリントカップ、さらに……
 富士スプリントカップの魅力は、1つのイベントでSUPER GTとフォーミュラ・ニッポンを楽しめることだ。言うまでもなく、それぞれ日本の最高峰のモータースポーツイベントであり、レギュラーシーズンであれば別のイベントとして開催されている。

昨年はGT300、今年はGT500の王者となった柳田選手。谷口選手からの激しい突っ込みを受けつつ、富士スプリントカップについて語ってくれた

 それに加え、「ENEOS SUSTINA LEGEND CUP」(以下、レジェンドカップ)という往年のレーサー達によるワンメイクレースも開かれる。レジェンドカップでは、ホンダのCR-Zをレースカーとして利用し、高橋国光氏、中嶋悟氏、長谷見昌弘氏、鈴木亜久里氏、関谷正徳氏ら、日本を代表する往年のレーサーたちがガチでバトルを繰り広げるという夢の企画だ。

 このレジェンドカップには、今年のGT500王者・柳田真孝選手の父であり、Z使いとして名が知られている柳田春人氏も参加する予定。柳田真孝選手はやや照れ気味に、「去年いきなりスタートでドカンとやってしまって恥ずかしかったのに、今年もやる気満々でした……」と話してくれた。

 なお、この往年のレーサーのリストの中に、元祖“日本一速い男”星野一義氏の名前がないのが残念なところだが、今年も名誉競技長として活躍する予定だ。

普段はローリングスタートのSUPER GTがスタンディングスタートに
 SUPER GTのレースは、ドライバー2人が交代で走り、ピットストップが必須という形ではなく、土曜日、日曜日に2回の決勝が行われ、2人のドライバーがそれぞれの日に走るスプリントレースで行われる。また、通常のSUPER GTでは、GT500とGT300という2つのクラスが混走するが、富士スプリントカップでは、それぞれが別のレースとして開催される。つまり、フォーミュラカーのようなレースをSUPER GTの車両で行うということだ。

 また、通常レースとの大きな違いは、スターティンググリッドからスタートする、スタンディングスタートになっていること。通常のSUPER GTではペースカー先導のローリングスタートになるため、スタートで順位が入れ替わることはほとんどないが、スタンディングスタートでは大きな順位の入れ替わりがあることが期待できる。

GT300王者の谷口選手。スタンディングスタートは観客にとってもおもしろいと語る

 実際谷口選手は「昨年の富士スプリントカップでは、スタンディングスタートが非常に楽しかった。ローリングスタートでは順位の入れ替わりなどがほとんどないのに対して、スタンディングスタートではクルマの違いやドライバーのうまさなどで順位が変わるだけに楽しみ」と、その魅力を語ってくれた。

 このスタンディングスタートには柳田選手も塚越選手も同じ思いらしく、塚越選手は「僕は常にレースの第2パートを走っているので、ローリングスタートの経験は1度もないので、逆にフォーミュラと一緒のスタンディングスタートは大歓迎」と述べ、柳田選手は「スタンディングスタートの緊張感はローリングスタートとはかなり違います。アドレナリンの出方が違いますね」と述べるなど、やはりスタンディングスタートはドライバーにとっても腕の見せ所となっているようだ。

フォーミュラ・ニッポンの予選は直線速度も加味してグリッド決定
 フォーミュラ・ニッポンもユニークな形式で行われる。予選は通常のようなノックアウト形式の予選ではなく、1台1台走るスーパーラップ形式で行われる。

 ラップタイムだけなく、ストレートでの最高速度も計測され、両者をポイントに換算してグリッドを決定する。つまり、ストレート重視にするのか、コーナー重視にするのか、セッティングが非常に難しくなりそうだ。

フォーミュラ・ニッポンとSUPER GTに参戦中の塚越選手。今週末のもてぎ戦もあり、ハードなレースウィークが続く

 なお、フォーミュラ・ニッポンだけでなく、SUPER GTにも出場する塚越選手は非常に忙しくなりそうだが「SUPER GTは土曜日に、フォーミュラ・ニッポンは日曜日にという形で調整してもらいました」(塚越選手)とのこと。昨年のように1日に2レースという忙しいことはなさそうだが、SUPER GTのチームによっては、両ドライバーがフォーミュラ・ニッポンに参戦している場合(例えばチーム・クニミツの伊沢選手と山本選手、トムスのロッテラー選手と中嶋選手の組み合わせなど)は、1日2レースを戦う選手も出てきそうだ。

 昨年好評を博した、ドライバーを出身地別に東西にわけて行う東西戦は、今年も行われる。東西それぞれのドライバーの成績から導き出される総合得点により、勝敗が決する。来場者はそれぞれの応援グッズとして700円のマフラータオルを購入することができ、応援に貢献することができる。

 さらに勝者となったタオルを購入した来場者には、記念品(数量限定)がもらえるという特典も付く。両軍の応援団長は、ファンからの投票で選ばれるのだが、東軍は織戸学選手、西軍は谷口選手が選ばれている。谷口選手は「責任重大、西軍が勝つために、いろいろがんばりたい」と述べ、同席した後輩2人(柳田選手と塚越選手、いずれも東軍)に「あんまりがんばるなよ」とプレッシャーをかけるなど、早くも駆け引きが始まっていた。

会場で販売される応援タオル。レースに行ったら、購入しておきたいアイテム左から、柳田選手、塚越選手、谷口選手のヘルメット。形が微妙に違うものの、すべてアライ製だった

 富士スプリントカップのチケットはすでに発売が開始されており、前売り券は大人5500円、ペアチケットは1万円という価格になる。販売は富士スピードウェイのWebサイトや各種プレイガイドなどで行われており、パドックパスなども用意されている。詳しくは富士スピードウェイのWebサイト(http://www.fsw.tv/)を参照していただきたい。

 この富士スプリントカップでは、サーキットビジョンの放送をワンセグ放送でも送信する実験が行われる。新たな取り組みも行われるイベントとなっており、来シーズンへ向けての変化を知ることができる大会だ。

 なお、先ほどSGC by KCMGから発表があり、松田次生選手が富士スプリントカップのフォーミュラ・ニッポンにも参戦することが決まった。

(笠原一輝)
2011年 11月 2日