テスラ、3車種目の電気自動車はSUVの「モデル X」
デュアルモーターによる4WD、ファルコンウイングドア装備

モデル Xを発表するイーロン・マスク テスラモーターズCEO

2012年2月10日発表



 テスラモーターズは2月9日(現地時間)、米国カリフォルニア州ロサンゼルスにあるデザインスタジオで、新型電気自動車(EV)「モデル X」を発表した。日本では、東京・青山にあるショールーム「Tesla Aoyama」にて、米国の発表会の同時中継が行われた。

モデル X
モデル Xのイメージスケッチ

 モデル Xは、「ロードスター」「モデル S」に続く、テスラの3車種目のEVで、ミニバンの機能性と、SUVのスタイル、スポーツカーの性能を持つと言う。3列シートにより、7名の乗車が可能で、リアのラゲッジルームのほか、フロントにも“フランク”(フロントのトランク)と名付けられた積載スペースを用意。ミニバンなどでは2列目、3列目のシート用にスライドドアを装備するものが多いが、モデル Xでは“ファルコンウイングドア”と名付けられたガルウイングドアを装備する。

 プラットフォームは、モデル Sのものをベースにしており、シングルモーターモデルのほか、オプションでデュアルモーターの4WDを用意。ボディーサイズ、パワートレーンの性能など詳細なスペックは不明ながら、0-96km/hを4.4秒で加速する性能を持つと言う。

 発表会において同社のイーロン・マスクCEOは、「世界の変化をもたらしていく中で、維持成長可能な交通手段が必要である。そのためにも素晴らしいEVを作っていかなければいけない」と述べ、EVは使用時だけでなく、生産時のCO2排出量もガソリン自動車の1/4と、低排出であることを強調。製造はカリフォルニア州のフリーモント工場で行われる。

モデル Xのファルコンウイングドア。2列目、3列目シートには、このファルコンウイングドアから出入りする

 また、モデル Xの特徴となっているファルコンウイングドアについては、乗車のジャマにならないように上方に開き、スライドドアと比べ雨の日でも使いやすいことから、ユーティリティ性が高いものであるとした。

 航続距離は300マイル。バッテリーに関しては、複数のバッテリーオプションが用意され、価格についても同クラス(発表会ではアウディ Q7をSUVの代表例として紹介)のプレミアムSUVに負けない価格で提供すると言う。

 2013年下旬に生産を開始し、2014年上旬に納車開始を予定。販売予約は、2月10日0時(PST:Pacific Standard Time、米国カリフォルニア州現地時間)から同社のWebページ(http://www.teslamotors.com/)で開始する。英文ページではあるものの、日本からの予約も可能だと言う。

(編集部:谷川 潔)
2012年 2月 10日